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#小説
2人の悪魔 #21⚠️
氷に触れる
⚠️若干の他殺表現を含みます
俺ってハーゲルのこと好き、らしい。
らしい、というのはフェニが「誰かを好きになる、気に入った特定の人物がいる」という状態を今まで経験したことがなかったためでもある。実例がなにぶん現在の地点しかないのだ。
ただ、あの男に名前を呼ばれて喉をくすぐられたり、エラを逆撫でされたり、頭を撫でられたりすると途端に甘えたくなってしまって仕方なくなってしまう。もっと
2人の悪魔 #18.5⚠️
花に酔う
⚠️ややR18表現を含みます
アダムスとイーヴァの2人が帰ってから、ハーゲルは部屋の奥で保存食の整理をしていた。本来午前中に終わらせるつもりであったのが、予期せぬ来訪者のせいで遅れてしまったのである。春先のうちに集めた草花や蕾のついた枝木、咲き盛りを過ぎた花々を微細な氷でコーティングしたハーゲル専用の保存食である。
その中から去年の金木犀の枝木を手に取り、何本か手折る。その途端に折れ
2人の悪魔 #16⚠️
蕩けた真意
⚠️ややR18表現を含みます。
ただただ、衣擦れと熱い吐息と微かな水音だけが響く。
ハーゲルは手当たり次第にフェニの肌に触れていく。男は咄嗟のことに抵抗しようとするが、ハーゲルによって今し方貫かれた大穴のせいで思うように体を動かすことすらままならない。そのため今のフェニができることといえば、大人しくハーゲルから与えられる刺激を外へ逃そうとするくらいだった。
「…ハハ、首まで真っ赤