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鎌倉散策ー北鎌倉〜七里ヶ浜

 2年前に日本の大学に留学していた韓国の友達が久しぶりに日本へ来るという。彼女の留学中に一緒に行動していた地元の友人と相談して、鎌倉散策を提案すると、「鎌倉といえば鎌倉幕府とスラムダンクですね。」との返事。それならば、江ノ電に乗って鎌倉高校前へ行かなくてはと散歩コースをあれこれ考えた。

 週末なので混雑を避けて北鎌倉駅から出発する。雨予報のお天気が気がかりだったが曇空でスタート。韓国の友達を歓迎してか時々青空も見えた。駅前の老舗蕎麦屋と甘味屋は開店前だったので、線路沿いをぶらぶら歩く。どの家も庭を丁寧に維持していて緑が美しい。ゆっくり10分程歩いて最初の目的地に到着した。

葉祥明美術館

 入口から建物全体が葉祥明の世界だ。1階の展示も2階の小部屋の展示もどれも心を浄化してくれる。入ってすぐのショップのグッズも全て愛らしい。散々迷って本を1冊購入した。友達もポストカードなどをいくつか手にしていた。
 北鎌倉駅まで戻るのはやめて建長寺の精進料理から発祥したけんちん汁の店へ入る。少し早めのお昼だが、テーブルの上に昔懐かし星座100円おみくじ器が置いてあるので友達がやってみる。小さいボールの中に小さい紙切れ。こんなだったかとしみじみ昭和を感じながら、濃い色なのに薄味の建長蕎麦とご飯を食べた。

建長蕎麦

 心もお腹もそこそこ満たされたので、鶴岡八幡宮まで歩くことにする。少し歩いた所でトイレ休憩に建長寺の休憩所に立ち寄る。美味しそうなお団子を見つけて、あんこと醤油の2本をペロリと食べる。みたらし団子も美味しそうだった。 鶴岡八幡宮の裏手から入ると参拝客はほぼ外国人だった。小さい赤い鳥居が何本か並ぶ場所は人気スポットで写真を撮る列ができる程。ハスの花は終わってしまって、大きな葉でいっぱいの源氏池を眺めて大鳥居を抜けて鎌倉駅方向へ歩く。

若宮大路

 左右にお店が立ち並ぶ通りでお土産を買う。残念ながらクルミッ子は完売だったが、クルミッ子と他のお菓子も入った箱入りセットを韓国へのお土産にしてもらう。もちろん、鳩サブレと小鳩豆楽も。家族みんなで日本の色々な美味しいお菓子を味わってもらいたい。
 鎌倉駅を通り過ぎて生地屋を目指す。1階は洋服の生地売り場で、作品見本のお買い得な服が通路に所狭しと並んでいる。2階、3階は手芸用品売り場だ。可愛い生地はもちろん、バッグなどの手作りキットが置いてある。傘が手作りできるキットには驚いた。手芸好きの友達は、渋い色合いの和柄生地を見つけ、綺麗なボタンと型紙を手にして喜んでいた。帰国してどんな作品を作るのか楽しみだ。
 生地屋のすぐ近くで、’賞味期限2時間’と書かれたプレートが目に入り行ってみる。小さいカップに甘さ控えめの生クリームを入れ、その上に栗の味がしっかりしたクリームを目の前で絞りかけてモンブランにしてくれる。中にサクサクのメレンゲが入っていてオシャレなスイーツだった。鎌倉駅までウインドウショッピングしながらそれぞれパンを買ったりチーズを買ったりして歩いた。
 そしてお目当ての江ノ電に乗る。ほぼ満員の電車内は様々な国の言葉が飛び交っていた。鎌倉高校前駅で降りると、ホームは身動きできない程の混雑だ。Suicaのタッチ機がわからず立ち止まる人々、無視して通り抜ける人々。ようやく駅の外に出ると小さな踏切の周辺はスマホで写真を撮る人々で一杯。こんなに人気の場所があったとは。交通整理のおじさんが2人もいるが、あまり理解してもらえてないようだった。砂浜へ降りて、しばらく海を眺めて七里ヶ浜へ向かう。途中でかなり疲れてきたので素敵なイタリアンのお店を見つけて入ってみる。

七里ヶ浜のイタリアン

 海が見えるカウンター席に座り乾杯。こちらもほとんど外国人のため、スタッフはあれこれ往生しているようだった。七里ヶ浜駅から江ノ電に乗って鎌倉駅まで戻る。帰りの江ノ電も結構な混雑だった。素敵なカフェのある御成町まで行きたかったが、疲れて歩く元気もなくなり鎌倉散策を終えたのでした。

 久しぶりに古都鎌倉を訪ねたが、住む人々みんなが歴史を大事にしているのだと安堵した。老舗のお店にも、他にはない新しいオシャレなお店にも心が躍る魅力的な街だった。全てが満点だったが、見た目から期待し過ぎたためか、味に格別の驚きがなかったのは少し残念だった。観光地だけでなく、いわゆる観光地ではない場所にも日本の良さを見つけて訪れる外国人客への対応も。外国人目線で思いを巡らせ配慮する事が我々にとっても行きやすい鎌倉になるのではないか。また魅力ある歴史の街をぶらりと散策したい。


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