月と雲と碧海の皿 【地元の二句】
9月17日は中秋の名月でした。多少雲がかかっていたものの、時間によっては見事な月が顔を出してくれて、心が洗われるような時間を味わえました。
詩詠みとしては「ここで一句、名月や……」
と、いきたいところですが、「名月や」は非常にハードルが高いのです。畏れ多いのです。
なんせ俳句も短歌も、何百年とずっと月と花を詠んできたんですよ。そんなものを題材にして、俳句のもっとも代表的な詠嘆の切れ字「や」を使って句作なんてできます??
これ喩えるなら、食パン齧りながら「遅刻遅刻ぅ〜」って走る女子高生が角でぶつかったアイツが実は転校生で……といった設定で少女漫画を描くとして、名作にできますか?という話。我ながら良い喩えだ。ぜったいに無理でしょう。笑
結果的に詠んだ句は
銀粉を散らし版画の名月か
いや、これでも充分いいでしょう、頑張ったよ、自分。
さらに俳句を深めたいと思い、文語俳句に挑戦している。「名月や」とまでは詠めなくとも、表現の幅を広げ、臆することなく創作をしたいからだ。
わずか数十頁読んだだけですが、なんとなく文語俳句詠める気がしてきた!(単純)
そこで「けり」「かな」を使った句を。
奇しくも、地元のことを詠んだ句になりました。
赤とんぼ筑波に雲もなかりけり(正岡子規)の本歌取りのようなものです。「被く」は「被る」の古語。
笠間焼の青は非常に色彩豊かで、また磯の岩を思わせるゴツゴツとした風体には強さと深い趣きがあります。
僕は詩を、自分の内なる想いを表現してカタルシスを得るために書いてきました。そんな僕が、地元のことを想いながら俳句を詠む日が来るとは、まったく想像もしておりませんでした。
いくつになっても新しいことに挑戦しながら継続していきたいものです。
#俳句 #季語 #ポエム #詩 #haiku #kigo #poem