JリーグのA契約登録枠(下部組織出身者とホームグロウンの扱い)
Jリーグのクラブは何人まで選手を保有できるのか。
まずは契約の種類から確認。
契約の種類
C契約(年俸上限460万)
高校や大学から入った新卒選手が結ぶ契約。
後述の出場時間を超えた場合A契約に移行。
B契約(年俸上限460万)
ほとんど無いので割愛。
A契約(年俸上限なし)
新卒C契約の選手が以下の出場時間を超えた場合にA契約に移行。
外国人選手は最初からA契約。
つまり、その年入団の新人以外は全員A契約の選手。
A契約登録人数上限
1クラブのA契約選手登録人数は25人まで。
(ACL出場クラブは27人まで)
C契約からA契約に移行した場合、移行した年は上記人数にカウントしない。
ただ、この枠より多く選手を保有できたり、逆に枠を削減されたりする制度がある。
下部組織出身選手
下部組織出身者についてはA契約枠のカウント対象外。
下部組織出身者の定義は以下の通り。
ジュニアユースやユースに3年以上所属していた選手ならば、A契約枠(25人または27人)を超えて選手登録できる。
大学や他クラブを経て戻ってきた選手も対象。
ホームグロウン(HG)選手
「下部組織出身選手」と混同しやすいのがホームグロウン。
ホームグロウンの定義は以下の通り。
「下部組織出身選手」の定義はユースまで(18歳まで)だが、ホームグロウンは21歳までが対象ということが大きな違い。
ホームグロウンの場合、高体連などから入団して21歳までの3年間トップチームに所属していた選手も対象となる。
2022年以降はJ1は4人以上、J2とJ3は1人以上のホームグロウン選手を保有することを義務付けている。保有できない場合は足りない人数分をA契約枠(25人または27人)から削減する。
ここまでのまとめ
選手登録上限は原則25人。ACL出場クラブは27人。
下部組織出身者は上限を超えて登録できる。
ホームグロウン対象者を最低4人登録しないといけない。
下部組織出身者とホームグロウン対象者は似てるけど厳密には違う。
下部組織出身者→ジュニアユース、ユースに3年以上所属
ホームグロウン→12歳から21歳の間に3年以上所属
例えば
2024年のマリノスであれば、「下部組織出身選手」は飯倉、寺門、喜田、水沼、吉尾、山根、榊原、植田、天野の9人。
ACL出場チームなので、基本の枠は27人。
ただし、上記9人は枠にカウントしないので、上記選手以外に27人のA契約選手を保有できる。最大で27+9の36人まで保有可能。
(ホームグロウン4人以上をクリアしているので、削減は無し)
制度の目的
「下部組織出身者」はA契約人数を超えるのを許すのに対して、「ホームグロウン」はA契約人数を削減する。
つまり「下部組織出身者」は優遇措置で、「ホームグロウン」は罰則措置。
要するにどちらも「自前で選手を育てて保有させること」が目的。
お金を出して外国人選手や他クラブの選手を獲得するだけではなく、下部組織を充実させなさい。若い選手を育てなさい。ということ。
おまけ
A契約登録人数の制度を知ると、移籍期間中にあとどのくらい選手が登録できるのか、逆にどれだけ選手を出さないといけないのかわかる。
お金があっても無制限に選手を登録できるわけではない。A契約上限に達している場合、選手が加入すればその分選手を放出しなければならない。