夢で住む町
わたしはひどく物騒なアパートに住んでいる
部屋数はいくつかあるけど
変な間取りに変な住人
びゅうびゅうと隙間風の入る
2階ではあるけど
窓からだいぶ中の見える
ときどき、ドンドンドンとドアを鳴らされる
自分で勝手に引っ越した部屋
近くに知り合いが住んでいて
すぐにでも引っ越して一緒に住みたいけど
なぜかそれはできない
その街には黄色い外装のパイ屋がある
真っ直ぐのカウンターがあるだけの
私は時々そこにいくけど
待っている人は来てくれなくて寂しい
1人で食べるパイは美味しいけど愉しくない
そこでの暮らしは怖くてさみしい
だけど離れようとはしない