今、改めて「男女平等」を考える。
最近よく耳にする「男女平等」にまつわるキーワードたち。
「女性蔑視」「セクハラ」「男女差別」・・・などなど。
本来であれば男性だろうと女性だろうと差別・区別をしない思想なのだろうけれど、最近はやたらと「女性にとっての免罪符」のように聞こえたり見えたりしてならない。
結局のところ「男女平等」って何なのだろう。
そんな疑問が頭を何度も巡ってはなかなか簡単に答えは辿りつかないので、ここに書いて自分の考えを整理しつつ、皆さんの意見もぜひ聞かせて欲しいと思う。
歴史を紐解いてみる
歴史を振り返ると、日本を始め多くの国では女性の方が男性よりも不利な立場に立たされることが多かった。
例えば日本国内でも神聖とされる場所(相撲の土俵など)は女性が立ち入ることは許されなかったし、第二次世界大戦のナチス軍はアウシュビッツで男性は強制労働要員として働かせたが女性と子供は役に立たないという理由で真っ先にガス室に送っていたという。
今では女性も四年制の大学に通い、就職することが珍しくないが昭和の頃は女性が四年制の大学に行くことは珍しがられ、就活をしても多くの企業が「君優秀だけど女性だからねぇ・・・」と採用を見送っていたのが普通の光景だったそうだ。
これは私の母が実体験として話してくれたことだが、今そんなことを平然と言う企業があったらそれこそネット上で大炎上するだろう。
昭和60年に男女雇用均等法が施行され、そこから長い年月はかかったがやっとここ数年で女性が社会的に活躍しやすい世の中になったことは確かである。
それはとても喜ばしいことだし、一人の女性としてここまで働きやすい社会を作ってきた人生の先輩女性たちには尊敬の念を抱く。
しかしそれと同時に最近は思う。
「女性の立場を!」を叫びすぎてはいないか?
「男女平等」という単語がいつの間にか「女性の優遇」になってしまってはいないだろうか。
女性が、女性が・・・と言われているが「男女平等」は何も女性のためだけに考えられた思想ではないはずだ。
「男性」も「女性」も「等しく」という思想のはずでは?
と思いつつ、最近の男女平等は昔とは逆の意味で平等から外れつつあるように感じられるのだ。
本当に男女平等をうたうなら
今の時代、男性だからとか女性だからという理由で区別することが昔と比べるとだいぶ減ったように思う。
女性でも男性並みに体力があって力仕事に従事している人もいるし、男性でも化粧をする人もいる。それがおかしいと思う風潮は廃れてきて、「それぞれ、その人の特徴なんだよね」と思う世の中になってきたのはとても喜ばしい発展だと思う。そこまで男と女という二つの性別の間にあった大きな溝がだいぶ埋まって平坦な土台に立つ二人の人間、という認識になってきたのだろう。
しかしここで私が危惧するのは、今まで男性が上にいて女性が溝の下の方にいた地面がせっかく平坦になったのに今度は逆の溝ができることなのだ。つまり、男性が下に、女性が上になってしまう構造を想像してしまっている。
しかし、これではまるで「やられたらやり返す」にしかならない。
今まで女性が散々虐げられてきたのだから私たちの苦労を味わえ、ということであればそれはもはや「男女平等な世の中」にはなっていない、と私は考えてしまうのだが・・・
こう思うのは私だけなのだろうか。
これは究極すぎる考えかもしれないが、本当に男女平等をうたうならいっそのことレディファーストもなくすべきと思う。女性だからという理由で優先される必要はないし、エスコートされるのがいつも女性でエスコートするのがいつも男性である必要もない。エスコートしたい方がされたい人にしてあげればいい。映画のレディースデイを作るならメンズデイもあって然るべきだし電車の女性専用車両も必要ないはずだ。
女なんだから優遇されて当然?
女なんだから男性より得することがあって当然?
いやいや、それは違うでしょう。
男女平等を真に実現させるならば、優劣の「劣」の部分だけ取り除くのはフェアではない。「優」の部分もなくしてこそ、フェアなのだから。
男女平等は性別による優劣がなく、生まれもった性別という特徴によって差別されることがないようにと願われて発展してきた思想だ。
しかし今はどちらかというと「女性優遇」の社会になりつつあり、それはこのまま進んでしまうといつかは「女尊男卑」の世界になってしまいそうで怖くなる。もちろんそこまで現実的な恐怖ではないが、あながち妄想とも言えないだろう。
そしてそんな世の中は昔男女平等を勝ち取った私たちの人生の先輩方が望んだ世の中ではないはずだ。
今だからこそ改めて考えよう。
「男女平等とは何か」
良かったら皆さんのご意見・考え・男女平等にまつわる体験談などコメントで教えていただければ嬉しいです。
以上、本日のれん散歩はここまで。
また次回、お会いしましょう!
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