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アメリカのコロナは終わっているのか?

私は超過死亡が気になっています。
結構世界的な問題だと思っているんですけど、あまり注目されていません。

で、超過死亡(Excess Deaths)で検索することがあるんですが、最近『アメリカの超過死亡がほぼゼロ』という記事を見つけました。

今回は該当記事を抜粋引用し、また、アメリカの死亡者数について確認してみます。

果たしてアメリカのコロナは終わっているのか?


◆A Positive Covid Milestone

ニューヨークタイムズのサイトから該当記事を抜粋引用します。
リンクは以下。

前向きなコビッドのマイルストーン

パンデミックが本当に終息した証として、毎日死亡するアメリカ人の総数は、もはや歴史的な異常値ではなくなっている。

By David Leonhardt
July 17, 2023
The New York Times

米国はコビッドとの長い闘いにおいて、ひとつの節目を迎えた。毎日、あらゆる原因で死亡するアメリカ人の総数は、もはや歴史的に異常な数字ではなくなっている。

コビドによる死亡者数(過剰死亡者数)は、コビドの真の犠牲者数を示す重要な指標である。たとえコビッドが過小診断されていたとしても、過剰死亡統計はその影響を捉えることができる。この統計はまた、自動車事故や銃による死亡、パンデミック中に治療を受けられなかったことによる死亡の急増など、コビドによる間接的な影響も捉えている。

コビッドの最悪期には、毎日死亡するアメリカ人の総数が通常より30%以上多く、衝撃的な増加だった。過去3年間の長い期間、超過率は10%を超えていた。しかし、過去数ヶ月の間に、3つの異なる指標によれば、過剰死亡はほとんどゼロになった。

The Human Mortality Databaseによれば、3月以降に死亡したアメリカ人は通常より若干少ないが、The Economist誌とC.D.C.はいずれも1%を下回っている。以下はC.D.C.のデータである:

Estimates of weekly deaths above normal in the U.S.
米国における1週間の死亡者数(平年比

コビッドが100万人以上のアメリカ人を殺し、日常生活の一部を一変させた恐ろしい3年間の後、ウイルスは普通の病気に変わった。

免疫力

この進歩の主な要因は3つある:

第一に、米国成人の約4分の3が少なくとも1回のワクチン接種を受けていること。

第二に、アメリカ人の4分の3以上がコビッドに感染しており、将来の症状に対する自然免疫を獲得している。(成人の約97パーセントが、これら最初の2つのカテゴリーの少なくとも1つに該当する)。

第三に、症状の重篤度を軽減できるパクスロビドのような感染後の治療薬が昨年から広く利用できるようになった。

「ほぼすべての死は予防可能です」と、つい最近までバイデン大統領のコビッド最高顧問だったアシシュ・ジャー医師は私に言った。「私たちは、ワクチンを接種し、コビドに感染した場合、ほとんど全員が治療を受け、入院することもなく、ほとんど死亡することもないところまで来ています」。

もしコビッドが依然として多数の人々にとって悲惨な脅威であれば、それはデータに現れるはずだ。

A Positive Covid Milestone - The New York Times
[2023.08.08 引用]
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
https://www.nytimes.com/2023/07/17/briefing/covid.html

◆死亡数確認

『過去数ヶ月の間に、3つの異なる指標によれば、過剰死亡はほとんどゼロになった。』とのこと。

これは本当だろうか?

最近の記事で書きましたが、私は超過死亡の統計というものを若干胡散臭いものに思っています。

ということで、年毎の単純な死亡者数を確認してみました。

元データは以下(CDC)の『National and State Estimates of Excess Deaths』(CSVファイル)に含まれる死亡者数で合っているかと思います。エクセルでグラフ化しました。

アメリカ総死因死亡数・週毎

◇◇◇

点線がコロナ前、水色が2023年です。

直近で大きく下がっていますが、新しいデータは数週間不確定なため低い数字となるようです。

そのため、比較対象と出来るのは20週目くらいまでですかね。根拠は無いですが。

◇◇◇

この結果はどうなんでしょうか。
『過剰死亡はほとんどゼロになった。』らしいのですが。

ちなみに、20週目までの合計で2017-2019年の平均と2023年を比較したところ、約8%増です。

新型コロナは総死因の1%くらいらしいので、それと人口動態を考慮しても、コンスタントに5%増くらいにはなってそうですけどね。

これで『ほとんどゼロ』なのだとしたら、その指標自体に問題があるような気がします。

◇◇◇

記事中ではパンデミックが終わった要因として『ワクチン接種率』と『自然感染率』の高さを挙げています。

しかし、最近流行しているXBB,EG株に対してそれらがあまり期待出来ないことは、科学的な事実のようです。(専門家ではないので、難しいですが。)

また、抗ウイルス薬(パクスロビド)に関しても評価出来ませんが、私が信頼しているガチの専門家の方が推奨するような情報を出していないので、あまり期待出来るものでもない印象です。わかりませんが。


◆おわりに

ということで、『統計的な超過死亡がほとんどゼロ』が事実だとしても『コロナ前からすれば、まだ比較的多くの人が亡くなっている』でいいかと思います。

ただ、『死亡者数が歴史的な異常値ではなくなっている。』というのは正しいのかもしれません。欧米は日本と異なり初期の被害が大きすぎたので。

◇◇◇

記事中でワクチンの副作用に言及されないのは『まあそんなもんだろう』とは思いますが、コロナ後遺症(long COVID)にまったく触れていないことに作為的なものを感じます。

普通に考えればそのリスクが『直接的なコロナ死とは異なる形で現れており死亡者数を押し上げている』と思えるのですが。ワクチンもデータが無いだけで影響しているかもしれません。

死因関係なく死亡者のコロナ感染歴やワクチン接種歴の分析が欲しいところですね。

◇◇◇

なんにせよ、引用した記事のような形で『もう何も起きていない。コロナは終わった。』とするのは違うような気がします。

そのような報道が求められているのでしょうけどね。
今の日本と同じように。

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