今回はマスクからの接触感染に関する記事。
現在は2024年9月であり『今更かよ』と思う人は多いかもしれないが、こういう研究が行われていることは重要であろう。
なにしろ、マスク表面のリスクはコロナ初期に広まった極端な条件による結果(マスク上で7日間感染力を維持する)がコンセンサス(合意事項)となり続けている感がある。
しかし、私がこれまで見てきた研究によると『そこまで気にするほどのもんじゃなくない?』って感じだ。
今回、それを裏付けるような研究を見たのでご紹介。
◆論文引用
対象の論文から一部引用する。リンクは以下。
◆まとめと所感
研究の概略図が以下。A,B,Cの3パターンで異なる粒子サイズが試されている。そして噴霧後のマスク表面を触り培地(MEM)を経由しPCRで確認。
A,B,Cの推定粒子サイズは以下とされている。
A: 0.3-5µm
B: 0.1~100µm
C: 100,200,500µm
私が見たところ条件で気になる点は特に無かった。CではBreathing machine が使われてないが、慣性力で付着するから問題ないということだろう。
結果は以下としている。
マスク表面が低リスクである理由は以下が大きそうだ。
一般的な不織布マスクは3層以上で構成されるが、外層(表層)は粗いためほとんどの粒子は中層(フィルター層)で捕捉されているのだろう。
また、外層に付着したとしても凹凸が大きいため、指で触れられる面積自体が実は少ない。
なお、今回使用されたのはインフルエンザウイルスであることに注意は必要かもしれないが『実質的に空気感染する他のヒト呼吸器ウイルスにも適用できる可能性が高い』としている。
◆おわりに
冒頭で言及した初期の実験(マスク上で7日間)では液滴のサイズが大きく現実的な条件とは異なっていた(直径2.5mm程度)。
大きな飛沫がべっとりと付着した場合に相応のリスクは生じるだろうが、今回のほうが実態に即した条件と言えるだろう。
マスクはTPOで有効活用したいものである。