『満員電車の感染リスク』について。
世間的にコロナ終わった感のある今、需要無さそうな記事ですが。
コロナ関連では色々と謎が謎のまま残されており、個人的に気になっている事のひとつが『なぜ鉄道(電車)利用率の高い日本のコロナ被害が比較的少ないのか』ということ。
今回の記事では首都圏(神奈川、千葉、埼玉)に注目し、そのあたりを確認してみます。
◆世界の鉄道利用ランキング
まず世界での鉄道利用状況についてざっくり確認すると、トップ10は以下でした。
◇◇◇
日本がぶっちぎりかと思いきや1位はスイス。
統計の取り方(指標)で多少変動はありますが、日本がトップクラスなのは間違い無いでしょう。
◆都道府県別の鉄道利用率
国内・都道府県別の利用率も指標が色々とありそうですが、確認出来たのは以下です。古い資料ですが今も概ね正しいでしょう。
◇◇◇
当然っちゃ当然なんでしょうけど首都圏が多い。
私の住む埼玉だと電車通勤・通学が25%。
ただし、これは人口あたりの割合ではなく『自宅外就業者・通学者』が分母です。
◆都道府県別の感染者数
そして、都道府県別の10万人あたりのコロナ感染者数は以下。
(5/8までの累計データです。)
◆所感
以上の内容から、やはり気になるのは『長時間の電車通勤者が多いであろう神奈川、千葉、埼玉の感染者数がなぜ全国平均よりも低いのか』です。
コロナ禍当初に言われた『3密のリスク』を考えると、上記3県が世界で最も感染リスクが高くても不思議ではないはずです。
しかし、データを見る限り『満員電車の感染リスクは比較的低い』という推測が可能な結果です。
◆専門家の見解
満員電車の感染リスクについて専門家の見解を探したところ、ちょっと古いですが以下のような記事がありました。一部引用します。
◇◇◇
結論については概ね同意しますが、いくつか異論があります。
まず『100分の1になります。』と書いてますが、そうはなりません。
これはフィルターの濾過率(PFE99%)をそのまま理論値で当てはめた場合だと思いますが、サージカルマスクの漏れ率は良くて5割程度。おそらく中央値は8割程度でしょう。
そして、マスクがエアロゾル生成量を減らすことは確認されていますが、それは飛沫抑制効果のためです。
会話なしの純粋な呼吸に伴うエアロゾルの場合、そもそもの粒径(質量)が小さく慣性力が弱いため、エアロゾル排出量はノーマスクの場合と比べ大きくは変わらないと予想します。
つまり、理由としては『喋らず呼吸をしているだけなら、ほんの少ししかウイルスは出していません』という部分が大きいと私は考えます。
◆おわりに
ということで『満員電車の感染リスクは高くない』と考えますが、それはマスク着用率が高かったときまでの話。近頃はそうとも限りません。
まあ、混雑した通勤時間帯の電車内ってホント誰も喋ったりしないので、それならノーマスクでもリスクは大きく変わらないと思ってます。
とはいえ、そのような空間で感染リスクを減らしたい方は、体調に気をつけたうえでマスクを極力隙間なく着用することをオススメしまーす。
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