通気性の高いマスクは効果が低いのか?
どうもこんにちは。
マスクオタクです。
ちょっと前、ツイッターことXで通気性の高いマスクが馬鹿にされていました。以下のような感じ。
ウイルス素通り
通気性があったら駄目だろ
マスクしないのが一番通気性良いから
最後のやつには同意しますが、とりあえず『マスクは効果が高いものほど苦しい』という認識のかたが多いようです。
今回はマスクの通気性について書いてみます。
◆濾過性能と通気性
まず結論から。
『効果が高いものほど苦しい』は全体の傾向としてはそうですが、必ずしもそうとは限りません。濾過性能と通気性を両立しているものはあります。
以下、説明します。
◇◇◇
まず、マスクフィルターでの微粒子濾過は静電気等の物理が影響するということに注意が必要です。単純なサイズによる濾過ではありません。
以下資料参照(過去記事から再掲)。
たとえば、帯電効果(静電気)の力が強いほど、濾過性能を維持したうえで高い通気性が実現できるでしょう。
◇◇◇
で、不織布マスクの濾過性能の指標はウイルス対策であれば『PFE』が一般的で、最近のマスクではPFE95%以上が前提になってる感じ。
ちなみに、PFEの説明は以下。
◇◇◇
まあつまり、PFE99%程度で通気性が高いマスクがあるのか、という話になってくるわけですが、そういうのはあります。
そのようなマスクでは高帯電フィルターかナノファイバーフィルターのどちらかが採用されてると私は推測しています。私が知らないだけで他にもあるかもしれないですが。
たとえば以下の『めがねが曇りにくい不織布マスク(CAINZ)』は高帯電フィルター(トレミクロン)の使用を明示しています。実際に使用してみましたが、コスパ含めて結構おすすめ。30枚入りで700円くらい。
◆IKISURUマスク
では、実際に注目されていたマスクを確認してみます。
その名も『IKISURU』。
『息のしやすさ 約2.8倍』は感覚としてよくわかりませんが、目安である『圧力損失』のデータがありました。
こういう数値を出してくれるのはありがたいですが、試験の条件が明示されてないので評価出来ません。
合格基準が60PaとされているのでJIS規格での試験条件と推測しますが、その場合、息がしやすいものだと思います。私が使用したことのあるブルーシールドマスクが『3層: 23.2 (Pa/㎠) 4層: 28.0 (Pa/㎠) 5層: 46.6 (Pa/㎠)』らしいので、それと比較して。
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で、フィルター性能は以下に示すとおり『PFE:平均99%』です。
『IKISURU』マスクは濾過性能と通気性を両立させた良いマスクと言えるかもしれません。仕様を見る限り。
◆おわりに
ということで、マスクの通気性が良いからといって、必ずしも濾過性能が犠牲になっているわけではないです。ものによります。
とはいえ、最近の記事で私はなにかと『ただし実験環境』『ヒトが着けてその通りになるのか不明』『仕様を見る限り』とか書いています。
多少そのような懸念があるからですが、長くなりましたのでそれについては次回書きます。とりあえず、PFE99%はあまり強い論拠に出来ない感じ。
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ちなみに、個人的に今回のマスク(IKISURU)を評価するならノーズフィッターが無い時点で漏れ率が高いことが確定なので、高い通気性の意味はあまり無いと考えます。ノーズパッド等を併用するなら結構良いものかもしれません。蒸れますが。
マスクはTPOで有効活用したいものですね。
[2024.07.05 追記]
PFEについての懸念を記事にしました。よろしければどうぞ。