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新型コロナ・第9波の死亡者数は『明らかな減少』だった、、、のか?

前回の記事で新型コロナ第9波について振り返りました。

その中で死者数の比較もしたのですが『関連死』の扱い(統計に含まれているか)がいまいちわかりませんでした。

今回そのあたりを確認した結果をまとめますが、とりあえず私の前回記事での死者数比較は不適切だったようです。申し訳ありません。


◆公式資料より

厚労省のデータで新型コロナ死者数・関連死が整理されたものを検索したところ、以下のものが見つかりました。リンクは以下。

死亡診断書(死体検案書)の情報を用いたCOVID-19関連死亡数の分析|厚生労働省
[2023.12.07 引用]
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/00001.html

月イチで最新データがアップロードされているようです。
上記の最新リンクの内容が以下のPDF(2頁)です。
1頁目は毎回一緒の定義情報で、2頁目がこれまでを含むデータ一覧。

死亡診断書(死体検案書)の情報を用いたC O V I D - 1 9関連死亡数の分析 (令和5年9月分)
[2023.12.07 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001170383.pdf

◇◇◇

1頁目の以下が重要箇所でしょうかね。

COVID-19の死亡数は人口動態統計で把握することが基本となるが、迅速性等の観点から、あくまで一定の定義を設定 して試算したものであり、後に公表される人口動態統計の結果とは異なることに留意が必要。

まあつまり、死亡診断書の記載をそのまま反映させた結果が『COVID-19関連死亡数』(速報値)ということで良いかと思います。

そして、死亡診断書を精査された結果が『COVID-19を原死因とする死亡数』(確定値)ということかと思います。

データを見る限り、そのような区分けは当初からされていたようですね。

前回の私の記事では『昨夏:確定値』と『今夏:速報値』を比較しており適切ではありませんでした。


◆速報値での比較

ということで、本来は確定値で比較するのが正しいのでしょうが、今夏のデータはまだ無いので速報値に合わせて比較してみます。

上記から昨夏と今夏の感染波付近の6ヵ月を抜き出したものが以下。

上記の中段が『速報値(関連死を含むコロナ死亡者数)』でいいと思いますが、仮に7-9月の3ヵ月間合計で比較すると以下になります。

  • 昨夏:20,900

  • 今夏:12,689

しかし、今夏のほうが感染波が長く、まだデータとして出てない10月もそこそこ高い数値になると予想します。

今年10月を4,000と仮定し、期間を6-10月の5ヵ月合計で比較した場合が以下。

  • 昨夏:24,945

  • 今夏:18,283

どちらにせよ、昨夏と比較し『明らかな減少』という結果になりそうです。
(ただし、確定値ではありません。)


◆過去のネット記事を確認してみた

前回引用した記事中では『新型コロナ関連死者』と明示されており、実際にそこで使われていたのは速報値です。私が比較をミスっただけで、問題ない。

ちなみに、過去のネット記事ではどうなっていたのか。
例えば以下。

軽症が多いはずのオミクロン株で、新型コロナ死亡者数が過去最多 理由は?(倉原優) - エキスパート - Yahoo!ニュース
[2023.12.07 引用]
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9cc2436279dde160f363063818e8e1539e7cb85f

上記を見る限り数値は確定値によるもののようです。
ただ、感染波の区切り(期間)は明示されていませんので、多少はグラフ作成者の意図が盛り込まれているかもしれません。
(なお、上の図の第8波は完全にピークアウトする前に作成されたものなので注意。実際の数値はもっと高いです。)

◇◇◇

基本的にこういった記事では確定値が使われていそうですね。
最新情報のようなものは速報値が使われている可能性があるため、注意が必要でしょう。


◆明らかな減少の理由

もし第9波の死者数が大幅減だとしたら、どのような影響によるものでしょうか。

昨夏と比較し、以下の要因の変化は考えられるでしょう。

  • 既感染者の増加

  • 死者数の累積による高リスク者の減少

  • 感染株の特性変化

  • 世界的な人流の復活

  • 他の感染症の流行

  • 感染対策の緩和

  • 5類化(コロナへの積極性の低下)

  • ワクチン接種率の低下(最終接種からの時間経過)

上記含む多数の影響の結果だと思いますので、私としては『コレダ!』と言うつもりはありません。ってか無理っしょ。

説得力のある推測があれば、ぜひ見たい。
まあ、まだ死者数の大幅減が確定したわけではないですけどね。


◆おわりに

ということで、コロナ死者数を判断する際にはご注意を。

それにしても、日本国内ですらこんな感じなわけで。
関連死の定義なんて各国で異なってもおかしくないでしょうし、海外とのデータ比較自体が信憑性あるんだろうかと思ってしまいますね。

とりあえず、軽々に素人のデータ分析を信用しないように、ということでしょうかね。

私が言うのもなんですが…。

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