新型コロナ・第9波の死亡者数は『明らかな減少』だった、、、のか?
前回の記事で新型コロナ第9波について振り返りました。
その中で死者数の比較もしたのですが『関連死』の扱い(統計に含まれているか)がいまいちわかりませんでした。
今回そのあたりを確認した結果をまとめますが、とりあえず私の前回記事での死者数比較は不適切だったようです。申し訳ありません。
◆公式資料より
厚労省のデータで新型コロナ死者数・関連死が整理されたものを検索したところ、以下のものが見つかりました。リンクは以下。
月イチで最新データがアップロードされているようです。
上記の最新リンクの内容が以下のPDF(2頁)です。
1頁目は毎回一緒の定義情報で、2頁目がこれまでを含むデータ一覧。
◇◇◇
1頁目の以下が重要箇所でしょうかね。
まあつまり、死亡診断書の記載をそのまま反映させた結果が『COVID-19関連死亡数』(速報値)ということで良いかと思います。
そして、死亡診断書を精査された結果が『COVID-19を原死因とする死亡数』(確定値)ということかと思います。
データを見る限り、そのような区分けは当初からされていたようですね。
前回の私の記事では『昨夏:確定値』と『今夏:速報値』を比較しており適切ではありませんでした。
◆速報値での比較
ということで、本来は確定値で比較するのが正しいのでしょうが、今夏のデータはまだ無いので速報値に合わせて比較してみます。
上記から昨夏と今夏の感染波付近の6ヵ月を抜き出したものが以下。
上記の中段が『速報値(関連死を含むコロナ死亡者数)』でいいと思いますが、仮に7-9月の3ヵ月間合計で比較すると以下になります。
昨夏:20,900
今夏:12,689
しかし、今夏のほうが感染波が長く、まだデータとして出てない10月もそこそこ高い数値になると予想します。
今年10月を4,000と仮定し、期間を6-10月の5ヵ月合計で比較した場合が以下。
昨夏:24,945
今夏:18,283
どちらにせよ、昨夏と比較し『明らかな減少』という結果になりそうです。
(ただし、確定値ではありません。)
◆過去のネット記事を確認してみた
前回引用した記事中では『新型コロナ関連死者』と明示されており、実際にそこで使われていたのは速報値です。私が比較をミスっただけで、問題ない。
ちなみに、過去のネット記事ではどうなっていたのか。
例えば以下。
上記を見る限り数値は確定値によるもののようです。
ただ、感染波の区切り(期間)は明示されていませんので、多少はグラフ作成者の意図が盛り込まれているかもしれません。
(なお、上の図の第8波は完全にピークアウトする前に作成されたものなので注意。実際の数値はもっと高いです。)
◇◇◇
基本的にこういった記事では確定値が使われていそうですね。
最新情報のようなものは速報値が使われている可能性があるため、注意が必要でしょう。
◆明らかな減少の理由
もし第9波の死者数が大幅減だとしたら、どのような影響によるものでしょうか。
昨夏と比較し、以下の要因の変化は考えられるでしょう。
既感染者の増加
死者数の累積による高リスク者の減少
感染株の特性変化
世界的な人流の復活
他の感染症の流行
感染対策の緩和
5類化(コロナへの積極性の低下)
ワクチン接種率の低下(最終接種からの時間経過)
上記含む多数の影響の結果だと思いますので、私としては『コレダ!』と言うつもりはありません。ってか無理っしょ。
説得力のある推測があれば、ぜひ見たい。
まあ、まだ死者数の大幅減が確定したわけではないですけどね。
◆おわりに
ということで、コロナ死者数を判断する際にはご注意を。
それにしても、日本国内ですらこんな感じなわけで。
関連死の定義なんて各国で異なってもおかしくないでしょうし、海外とのデータ比較自体が信憑性あるんだろうかと思ってしまいますね。
とりあえず、軽々に素人のデータ分析を信用しないように、ということでしょうかね。
私が言うのもなんですが…。