コロナは『さっさと罹っといたほうが良い』のか?
前回の記事で『免疫力』について書きました。
その中で『獲得免疫(免疫記憶)』について個人的には言及しなかったですが、その理論を適用し『新型コロナには、さっさと罹っておくべき(獲得免疫に期待する)』という作戦は有効なのか?
専門家の見解や抗N抗体保有割合の観点で軽くまとめてみました。
結論を先に書くと『個人的にはまったくオススメしない』という感じです。
◆専門家の見解
参考になりそうな最近の記事から一部抜粋します。
リンクは以下です。
◆所感
専門家とされている宮坂昌之氏について個人的にあまり良い印象はないですが、それはともかく。
ある程度調べている人にとっては『新型コロナに対して集団免疫は期待出来ない』というのが定説になっているかと思います。まあ、最初からそのような推測はされていましたが。
記事中でイギリスやスウェーデンに言及されていましたので、日本を含めたデータを確認してみました。
コロナ初期から最近までの『100万人当たりのコロナ死者数の推移』です。
上記を見ると、直近では年始のスウェーデンが日本よりも明らかに大きな被害を出しています。
これだけで見るなら日本がダントツで優秀。
超過死亡を見ても傾向は変わらず。(以下)
◆抗N抗体保有割合から考える
本当に集団免疫は機能してないのか?
『抗N抗体保有割合』から推測してみることは可能かと思います。
直近(5月下旬)の全国のデータは以下です。
若いほど抗N抗体が出来る程度に感染してますね。
感染経路を妄想すると同年代や家庭内から感染している確率が高いと思います。そして、集団免疫という仮説が正しいとしたら、ここまで年代毎の偏りは出来ないと思うんですよね。
ちなみに、沖縄の抗N抗体保有割合は5月末時点で全体の60%以上だとされていましたが、現在、第8波を超える感染者数となりピークアウトしていません。やはり、集団免疫は期待できないでしょう。
◆その他疾患はどうなのか?
獲得免疫(免疫記憶)を期待することは戦略として重要だと思いますが、それが可能な疾患かは意識されなければなりません。
最近小児で懸念されているヘルパンギーナやRSウイルスの増加。
それについてよく『コロナ禍の感染対策による免疫力低下』と言われているのを見ますが、素人ならともかく、専門家であればそのあたり(獲得免疫が期待できる疾患なのか)まで言及するべきでしょう。
そして、そのような影響の可能性が高いのであれば、感染対策緩和のタイミングや方法に工夫が必要だったのではないでしょうかね。
◆おわりに
ということで、新型コロナは『さっさと感染を済ませたほうが良い』ってのは無いだろうと考えます。
詳細は書かないですが『感染による他の疾患の発症リスク増』や『long COVID(コロナ後遺症)』『抗体依存性感染増強(ADE)』も考えるなら尚更でしょう。(ワクチンの影響もあると思いますが。)
それらの影響がどれほどのものか。
私自身は重く見ていますが、専門家の分析に期待したいですね!