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コロナは『さっさと罹っといたほうが良い』のか?

前回の記事で『免疫力』について書きました。

その中で『獲得免疫(免疫記憶)』について個人的には言及しなかったですが、その理論を適用し『新型コロナには、さっさと罹っておくべき(獲得免疫に期待する)』という作戦は有効なのか?

専門家の見解や抗N抗体保有割合の観点で軽くまとめてみました。

結論を先に書くと『個人的にはまったくオススメしない』という感じです。


◆専門家の見解

参考になりそうな最近の記事から一部抜粋します。
リンクは以下です。

コロナ第9波にまつわる「4つの勘違い」を超冷静に解消しておきたい!
2023年07月04日
取材・文/川喜田 研

■勘違い②第8波の大流行で集団免疫ができた

しかし、第9波が来ているとはいっても、そもそも日本が5類移行でいわゆる"ウィズコロナ"の道を選んだのは、ワクチン接種や実際にコロナ感染を経験した人が増えたことで、日本社会に「集団免疫」ができて、コロナ禍を乗り越えたからではなかったの?

「一度感染したり、ワクチン接種を受けたりすると、ほぼ一生にわたって免疫が続く『はしか』や『おたふく風邪』などと異なり、新型コロナに対する集団免疫は期待できないということが相変わらず理解されていません」

そう嘆くのは、免疫学者で大阪大学名誉教授の宮坂昌之氏だ。

「コロナ禍が始まった当初は、『新型コロナは、社会の中にある程度感染が広がれば集団免疫が形成されて、パンデミックはすぐに終わる』と信じていた専門家も多く、イギリスやスウェーデンなど、いくつかの国はそれを信じて、感染対策を十分に行ないませんでした。結果、多くの死者が出た。
もちろん、実際に感染することで一時的な免疫は獲得されますが、時間の経過とともにかなりの速度で失われていくということがすでにわかっています。

コロナ第9波にまつわる「4つの勘違い」を超冷静に解消しておきたい! - 社会 - ニュース|週プレNEWS
[2023.07.05 引用]
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2023/07/04/119930/

◆所感

専門家とされている宮坂昌之氏について個人的にあまり良い印象はないですが、それはともかく。

ある程度調べている人にとっては『新型コロナに対して集団免疫は期待出来ない』というのが定説になっているかと思います。まあ、最初からそのような推測はされていましたが。

記事中でイギリスやスウェーデンに言及されていましたので、日本を含めたデータを確認してみました。
コロナ初期から最近までの『100万人当たりのコロナ死者数の推移』です。

Coronavirus (COVID-19) Deaths - Our World in Data
[2023.07.05 引用]
https://ourworldindata.org/covid-deaths

上記を見ると、直近では年始のスウェーデンが日本よりも明らかに大きな被害を出しています。

これだけで見るなら日本がダントツで優秀。
超過死亡を見ても傾向は変わらず。(以下)

Excess mortality during the Coronavirus pandemic (COVID-19) - Our World in Data
[2023.07.05 引用]
https://ourworldindata.org/excess-mortality-covid

◆抗N抗体保有割合から考える

本当に集団免疫は機能してないのか?
『抗N抗体保有割合』から推測してみることは可能かと思います。

直近(5月下旬)の全国のデータは以下です。

コロナ抗体保有者 東京都52.9% 増加傾向の感染者数 今後の見通しは | NHK
[2023.06.26 引用]
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20230619a.html

若いほど抗N抗体が出来る程度に感染してますね。

感染経路を妄想すると同年代や家庭内から感染している確率が高いと思います。そして、集団免疫という仮説が正しいとしたら、ここまで年代毎の偏りは出来ないと思うんですよね。

ちなみに、沖縄の抗N抗体保有割合は5月末時点で全体の60%以上だとされていましたが、現在、第8波を超える感染者数となりピークアウトしていません。やはり、集団免疫は期待できないでしょう。

【沖縄県】新型コロナウイルス感染者数・死者数の推移・累計グラフ:最新ニュース-NHK
[2023.07.05 引用]
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/pref/okinawa.html

◆その他疾患はどうなのか?

獲得免疫(免疫記憶)を期待することは戦略として重要だと思いますが、それが可能な疾患かは意識されなければなりません。

最近小児で懸念されているヘルパンギーナやRSウイルスの増加。

それについてよく『コロナ禍の感染対策による免疫力低下』と言われているのを見ますが、素人ならともかく、専門家であればそのあたり(獲得免疫が期待できる疾患なのか)まで言及するべきでしょう。

そして、そのような影響の可能性が高いのであれば、感染対策緩和のタイミングや方法に工夫が必要だったのではないでしょうかね。


◆おわりに

ということで、新型コロナは『さっさと感染を済ませたほうが良い』ってのは無いだろうと考えます。

詳細は書かないですが『感染による他の疾患の発症リスク増』や『long COVID(コロナ後遺症)』『抗体依存性感染増強(ADE)』も考えるなら尚更でしょう。(ワクチンの影響もあると思いますが。)

それらの影響がどれほどのものか。
私自身は重く見ていますが、専門家の分析に期待したいですね!

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