新型コロナ・第9波について振り返る。
最近では新型コロナの症状を検索すると普通の風邪のような結果が出てくる。世間の雰囲気もそんな感じだ。
SNSでは第10波の始まりが囁かれているが、それとともに第9波の被害がたいしたもんではなかったとする主張も見られる。
ということで、第9波についてちょっと振り返ってみたい。
◆コロナのリスクについて
まず、コロナのリスクについてあらためて。
リスク寄りだと『神経系、免疫系への中長期的な影響が大きい』というのが大雑把な考え方だと思う。
具体的には、死亡を除けば『神経系への影響で多発性硬化症(MS)のような症状になる。まともに生活出来ない。』というのが最も高いリスクのひとつだろう。
そしてコロナ後遺症の発症率は10%程度とも言われている。
(当然ながら重症の割合はもっと低い)
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免疫機能低下も言われている。
ここ最近注目されているような多数の感染症の怪しげな流行は、コロナ感染による免疫機能低下が原因だと推測する人が多い。
しかし、確実なところは不明だろう。
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上記のリスクが正しいとしたら、今後被害が累積していく可能性が高いため、社会全体としての影響は確かに大きい。
◆第9波について振り返る
私はそれなりのコロナウォッチャーだが、日本で生活している分には上記のような事態(累積する被害)はまだ実感していない。
もし免疫機能低下が大規模で起きているのなら、今夏の第9波はもっと大きなものになってもおかしくなかっただろう。
(そういう意味では『ワクチン接種による免疫機能低下』についても同じことが言えるかもしれない。)
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直近のコロナ感染の定点報告数はピーク時で 20 程度であった。
なお、インフルエンザの過去のピークでは 40-60弱 であり、それと比較するなら低い結果だ。
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モデルナのデータが以下。
昨夏と今夏の比較では波の期間が違うため、ぱっと見わかりづらい。合計にすれば一緒くらいだろうか。
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個人的に感染者数についてはあまり重要視していない。
5類化後、明らかに個人もメディアもコロナ意識が低下したからだ。
比較に使うなら死者数だろう。
第9波の死者数は以下のような情報があった。
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上記によると第9波の死者数は『1万4000人超』とされている。
(期間:2023/06/01-2023/09/30)
ちなみに、私が厚労省のデータから集計した第7波(昨夏)の死者数は『1万5482人』だ。
(期間:2022/07/01-2022/10/31)
しかし、こういうのは感染波をどこで区切るかで結構変わる。
第9波の死者数を昨夏と同じ期間にした場合、数値は若干上がると予想する。おそらく同じくらいの数値になるだろう。
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個人的な解釈にはなるが、昨夏と比べてコロナの被害はあまり変わっていない。感染波の長さを考えるなら今夏のほうが被害は大きいかもしれない。
この結果だけを以って、よく言われている免疫機能低下が起きているかを判断するのは難しいが、そこまで明らかな傾向は見られないように思う。
とはいえ、実際はそんな単純なものではなく、第9波は二峰性で、前半は冬に流行したXBB系統がメインだったため免疫を持っている人が多く、結果的に被害が少なかったという可能性もある。
◆おわりに
ということで、このような評価は素人の手に負えるものではなく、結論としては『難しいよねー』となる。
それにしても、個人的に気になったのは引用した記事中の『間接的にコロナが関係しているケース』というやつ。第9波の死者数はそれが含まれている。
第7波の数値にそれが含まれていないのだとしたら、結果はまったく変わってくる。
一体いつからそれが含まれる感じになっているのか。
軽く調べたが不明だ。
5類化後、様々な統計の定義が変わっている可能性があり、尚更このような評価は難しくなっているだろう。
皆さんもお気をつけて。
[2023.12.07]追記
本記事での死者数比較は『確定値』と『速報値』を比較したもので、適切ではないようです。現在確認中ですが、結果を鵜呑みにしないよう、ご注意ください。
補足記事を書きました。
よろしければどうぞ。