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いつまでアルコール消毒するんですかね。
近頃脱コロナっぽい流れですが、相変わらずアルコール消毒液は店頭に置いてあったりします。
まあ、多少面倒でも効果があるなら、というのはあるのですが、個人的には『物を介した感染』の割合は低いのではないかと考えています。
(たしかCDCもそう言ってた気がします。)
で、たまにそのような情報を探したりするのですが、ちょっと面白い論文を見たので今回の記事でご紹介します。
『無生物表面を介した生存ウイルス無し(20分以上で)』という結果ですよ。
アルコール消毒、重要なんですかね?
◆論文引用
全文は長いので要旨のみ引用します。
興味のある方は以下リンクからどうぞ。
J Infect Public Health. 2023 May; 16(5): 736–740.
Published online 2023 Mar 20. doi: 10.1016/j.jiph.2023.03.016
無生物表面を介した生存可能なSARS-CoV-2感染に関する現実的な証拠の欠如: SURFACE試験
José Camilla Sammartino,a,1 Marta Colaneri,b,1 Cecilia Bassoli,b Mariaelena Ceresini,b Antonio Piralla,a Alessandro Ferrari,a Elena Percivalle,a Fausto Baldanti,a,c Raffaele Bruno,b,c and Mario U. Mondellid,e,⁎
要旨
はじめに
SARS-CoV-2感染における無生物表面の潜在的な役割はまだ十分に評価されていないが、環境消毒プロトコルを深くかつ高価に適用することは依然として日常的な慣行である。本研究の目的は、SARS-CoV-2 RNA陽性患者の咳によって放出された飛沫にさらされたさまざまな表面における生存ウイルスの存在を確認することであった。
方法
SARS-CoV-2リアルタイム(RT)-PCRスワブ陽性の入院患者を対象に、スチール、ボール紙、プラスチック、自分の手の上で咳をするよう求めた。表面は、ベースライン時(T0)とその後の異なるタイムポイントで、培地に浸した綿棒を使用して検査し、VERO E6細胞に素早く播種して、細胞障害性効果(CPE)を1日おきにチェックした。実験室で増殖させたSARS-CoV-2株は、同じ時点、同じ材料で検査しました。
結果
RNA陽性患者10名を本試験に登録した。周期閾値の中央値は20.7(範囲13~28.3)であった。患者のうち3人の鼻咽頭スワブからは、接種後2~10日目に生存ウイルスが検出された。しかし、いずれの患者も、同じ実験条件下で喀痰からSARS-CoV-2の生菌を分離することはできなかった。実験室で増殖させたSARS-CoV-2株を用いて、20′、60′、180′でCPEがすでに確認されたが、24時間での効果は6日間のインキュベーションが必要だった。
結論
この現実の研究から得られた証拠は、SARS-CoV-2感染者が一般的な無生物表面上に飛ばした飛沫には、生存可能なウイルスが含まれていないことを示唆しています。一方、実験室で行われたいくつかの実験と同様に、試験管内で適応したウイルスは、同じ人工物上で生存・増殖することができました。
[2023.04.24 引用]
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10027289/
◆まとめと所感
研究は、『スチール、ボール紙、プラスチック、皮膚(手)』に陽性患者が吐き出した飛沫からの培養の試み、で良いかと思います。
そして、排出から『20分60分180分24時間』いずれの条件でも増殖せず。
結果を単純に捉えると『ヒトから排出されて物体表面に付着したウイルスは短時間(20分以内)で不活化される』と考えることが出来ます。
◇◇◇
もしこれが本当であれば、手指消毒の必要性(重要性)に疑問が出てきます。
私は商業施設のTVOC(総揮発性有機化合物)濃度を測定することがありますが、環境基準値を超えている場合が結構あり、アルコール消毒が要因のひとつだと推測しています。
それは、柔軟剤に含まれるマイクロカプセル等と共に、化学物質過敏症を誘発させる環境を形成しているかもしれません。
◆おわりに
コロナ騒動から3年経って未だに、接触感染の可能性とメカニズムについて実はそこまで明らかになっていない、ということなのでしょうか。
(それともクソ論文なんですかね。これ。)
接触感染については、このままアルコール消毒が普遍的な感染症対策として定着する前に、多くのサンプル数により明らかにして欲しい事だと思います。
それにしても、こういうのって感染対策における大前提だと思うんですけどね。困ったものです。