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コロナ後遺症・ワクチン後遺症、どっちなのか問題とヒラハタクリニック。

前回の記事で『反・反ワクチン』風味の記事を書いたが、今回も似たような感じ。

私は新型コロナワクチンを打ってないが、亡くなった方や病気を公表した方が『それワクチンのせいじゃね?』みたいに言われていることにまったく良い気持ちはしない。

その思慮の無さ、軽率さは、ワクチンのリスクを懸念することが『思い込みで決めつける愚かな人々によるデマ』という印象を、見た者に与えるだろう。

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ちょっと前に似たようなことがあった。新型コロナ後遺症の治療で有名なヒラハタクリニックが、いわゆる反ワクチンの方々から注目されていた。概ね以下の感じ。

・ヒラハタクリニックだけが注目されている。
・ワクチン後遺症をコロナ後遺症にしている。

なんとなく思うところがあったので記事にしておく。


◆なぜ注目されているのか?

たしかに、新型コロナ後遺症と言えばヒラハタクリニック、という感じはあり、あまり知らなかった人からしたら不思議かもしれない。

しかし、怪しげな理由があるわけでもなく私からすれば『結構前からの地道な活動による』という印象だ。

私はコロナ後遺症が日本で一般的ではなかった頃から海外の情報やらで注目してきたほうだが、日本の臨床医による情報発信は平畑光一氏(ヒラハタクリニック)が早かったはず。

コロナ後遺症関連なら一般人からの知名度という点で現在に至るまで日本でトップじゃないだろうか。メディアの登場回数が多いのもわかる。

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しかし、重度のコロナ後遺症の病態を考えるなら、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の専門家が適任のような気がするので、平畑光一氏のもともとの専門とは異なる。

以下の記事(公開日:2021年03月10日)ではコロナ後遺症とME/CFSの関連が専門家の方により言及されている。

記事の公開はワクチン接種前で、私が知る限り米国では既にコロナ後遺症が問題視されていた。ただ、そのような認識は当時の日本で一般的ではなく、コロナ後遺症を診る医療機関はろくに無かっただろう。

ヒラハタクリニックは専門外だったとはいえ、今現在に至るまで様々試行錯誤を続けており、現在の『コロナ後遺症治療の専門家』というポジションを確立している。おそらくは。

まあつまり胡散臭い理由で注目されているわけではなく、至極真っ当な理由に思える。適任かどうか私には判断できないが。

なお、研究者であれば世界的に岩崎明子氏(イェール大学)が注目されている。日本のメディアでも取り上げられていたので必ずしも『ヒラハタクリニックばかり』という感じでもない。


◆ワクチン後遺症をコロナ後遺症にしている?

冒頭でも書いたように、コロナ後遺症患者の方が『それワクチン後遺症では?』とか言われてるのを見たことがあるが本当にうんざりする。

実際にどっちなのか興味はあるが、容易に判断できるバイオマーカーは無い(はず)。

皮膚などで関係ありそうな病変部位が特定されているなら詳細な検査をすればわかるかもしれない。しかしその他大多数はわからない場合が多いのではないか。その無駄になるかもしれない費用(おそらく高価)は一体誰が出すというのか。

そういった状況の中で『ヒラハタクリニックはワクチン後遺症をコロナ後遺症にしている』みたいなことを言われてたりする。

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コロナ感染歴があればコロナ後遺症なのか?
ワクチン接種歴があればワクチン後遺症なのか?

どっちかのみなら分かり易いが多くは重複しているだろうし、時間差で症状が出るのは珍しくない。原因はもしかしたら『その他』かもしれない。それくらい病態は幅広い。

ちなみに、ヒラハタクリニックでのコロナ後遺症の診断基準は、以前ツイッターことXで言及されていたような気がするが忘れてしまった。

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明確な判断が出来ない場合にコロナ後遺症にしている可能性はあるが、そうするのは理解できる。そのほうがまだ社会の認知は進んでいるからだ。そして、本人の回復のためにもそのほうが良いだろう。

重度の後遺症ではメンタルケアが重要で、仮にワクチン後遺症とした場合、その原因を自らが作ったのだという意識になりかねない。

また、ワクチン後遺症に比べればコロナ後遺症は研究が進んでおり、重度から回復した事例もクチコミでは見る。新たな研究が行われているという事実だけでも希望だろう。
(ワクチン後遺症について十分な研究が行われていない(ように思える)のは、大きな不満である。)


◆個人的な愚痴

ちなみに、いわゆる反ワクチンの有名人からもヒラハタクリニックに対して言いがかり同然のコメントが見られた。

私の勝手なイメージではあるが、反ワクチンの有名人は、SNSで低いリテラシーの情報発信をし、ワクチンを打った人を馬鹿にし、コロナはただの風邪だと言い、講演会に出たり、本を出したり、サプリを売ったりしている。
(全員ではないし、すべてが悪いとは思わないが。)

もしかしたらヒラハタクリニックも似たようなことをやってるかもしれないが、SNSでの言動を見る限り、多くの患者を診て、安価でできるセルフケアの方法をネットで発信・推奨し、漢方の適用で論文を書き、鍼などの東洋医学も試行錯誤している。

患者さんがもし仮に『ワクチン後遺症かもしれない』という自覚があったとして、どちらを頼りたいと思うだろうか。


◆おわりに

実際のところ『ワクチン後遺症がコロナ後遺症にされている』というのは可能性としてなくはないだろう。ただその割合は不明だし、それを簡単には証明できない。

ワクチンの危険性を追及するのは重要なことだ。しかし、目の前の患者を救おうとしている人や患者さん当人を侮蔑することに、一体どのような意味があるのだろうか。

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