ワクチンの『追加接種をやめた場合のリスク』について考える。
前々回の記事で英国ONS(国家統計局)のデータから、新型コロナワクチンの接種回数・年齢層別の死亡率をグラフ化しました。
そして、作成したグラフからは『ワクチンの追加接種をやめるとリスクが高まる?』といった傾向が読み取れました。
しかしそれは、ONSの説明によると『交絡因子の影響』のようです。
ワクチンの問題ではなくそれなりに理由があるっぽいですが、どうなんでしょうか。
今回の記事では、その『交絡因子の影響』について素人なりに考えてみました。参考程度にどうぞ。
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なお、前回、前々回の記事は以下です。
◆あらためて気になる点を整理
前々回の記事から<70-79歳>のワクチン接種回数別、全死因死亡率の推移をコピペします。
・全死因死亡率:70-79歳
グラフの右側半分くらいを見ればわかりますが、ワクチン1,2,3回接種群の死亡率は未接種群よりも高いんですよね。
なぜこのようになるのか?
途中でワクチン接種をやめた集団は何かリスク因子を持つのでしょうか。
◆追加接種をやめた理由
追加接種をやめた理由として私が思いつくのは以下のような感じ。
副反応が強かった
1回目でやめた人の理由としては最も多いと思うのですが『こんなにツライならもう絶対に打ちたくない』と考えた人はいたと思います。健康上の理由なし(なんとなく)
世間的なコロナへの注目が低下すると共に、特に理由なく『もういいか』と考えた人はいると思います。接種出来ないくらい持病が重症
4回目接種では高リスク者に優先接種されたらしいですが、持病が重症すぎてワクチンを打てなかった人はゼロではないと思います。
◆追加接種をやめた集団の属性
ということで、割とフラットに考えて『追加接種をやめた集団は比較的健康リスクが高い』という推測は出来そうです。
特に1回目でやめた集団の死亡率は時期や年齢層によらず高いです。
それが副反応の強さを理由とするなら、高リスク群として理解出来そうです。
素人の憶測でしかないですが『次回を思いとどまるほど強い副反応』は過剰な免疫反応という見方ができ、自己免疫疾患へのリスク等、総合するリスク因子と考えられるのではないでしょうか。
そのような意味で『接種回数が進むほど健康な集団が残っていった』という推測は可能ではないでしょうかね。
◆ワクチンの効果とは?
そう仮定した場合、ワクチンの効果とはなんだろうか、という疑問が出てきます。
『ワクチン接種済』は2回以上の接種が条件とされていますが、その時点で接種群は比較的健康な人が選別されていると言えます。
であれば、もしワクチンの効果が何もなくても、接種群は重症化・死亡・後遺症等のリスク低下が統計的に確定しているように思えます。かなり雑に考えての話ですが。
全死因死亡率において明らかな差が見られることは、その仮説の裏付けになるんじゃないかと私は考えます。
◆接種から期間を経るとリスクが上がるのか?
ところで、グラフでは接種から7か月とか期間が経つとリスクが上がっているように見えます。
しかし、これは追加接種のタイミングが影響しているという見方が可能でしょう。
前記の仮説(追加接種は低リスク者の選別という意味を持つ)で考えると、追加接種を行わなかった集団は高リスク群となるため、結果的に死亡率が上昇します。
それを踏まえると、4回目接種がある程度進んだ段階で『ワクチン1,2,3回接種群の死亡率が未接種群よりも高い』という結果になっているのは、まあまあ納得できます。
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なお、私の仮説が正しいとしても結果論でしかないので、個々人として『2回でやめたけどヤバイの?』とか『打ち続けたほうがいいの?』とかについては判断出来ません。
また、データの傾向は日本でも同じとは限りません。
多い人だと7回とか打っているようですし、異なる結果になっている可能性はあります。年齢層によって傾向も異なるでしょうし。
◆おわりに
ということで、冒頭で挙げた『交絡因子の影響』について、私なりに妄想してみました。
なお、私はワクチンを打っていないので、バイアスの影響を考慮し意図的に『ワクチン接種にリスクは無い』という仮定に基づいて考えてみました。
(実際リスクはゼロではありません。当然。)
なので、シンプルに『ワクチンは時間が経つと効果が低下し、逆効果になってるんじゃね?』って可能性はあるでしょう。データはそれも示していますし、私はまだそれを疑っています。
そのあたりは4回目接種者の現状なり今後のデータが欲しいところですが、取り上げたONSのデータはもうアップデートされないようです。困ったものですね。
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以上、3回の記事に渡りONSのデータについて取り上げましたが、あらためて『データ分析は難しい』ということを実感しました。元データは様々な解釈の余地を残すものでしょう。
私の仮説はもちろん雑なもので、精度を上げるためには異なるデータとの関連付けや定量的な評価が必要になります。
詳しい方の見解が知りたいところ。
とりあえず結論が何であれ、わかりやすいグラフくらいで安易に納得してしまわないよう、注意が必要だと思いまーす。
私が言うのもなんですが…。