マスク着用は鼻腔のマイクロバイオームへ悪影響なのか?
どうもこんにちは。
マスクオタクです。
前回の記事でマウスウォッシュの使用が口腔内細菌叢のバランスを乱す可能性について書いた。
そして細菌叢について考えるなかで『マスク着用は鼻腔内細菌叢に悪影響ではなかろうか?』という疑問が湧いた。マスクはとにかく蒸れるからだ。
調べたところ悪影響とする論文が見つかったが、読んだ私の結論としては『保留(わからない)』という感じ。そのあたりを今回の記事でまとめておく。
なお、記事中で『細菌叢(マイクロバイオーム)』は『mb』と略している。
◆論文引用
取り上げるのは中国の研究。鼻腔mbのバランスが変化したのはマスクが原因であると推測している。
引用部は以下リンクから。2024.06.12 時点のもの。www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳した。
◆所感
mbに変化が見られたのはそうなのだろうが条件で気になる点が多数ある。以下のような感じ。
・比較対象群はコロナ前のもの(過去データ)。
・年齢層に偏りがある。
・新型コロナ感染者を多く含む。
・ほぼすべてがワクチン接種者。
これらの懸念がありながらマスクが原因とするのは乱暴ではなかろうか。
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特に、研究期間である2023年1月くらいは中国でのゼロコロナ政策終了による大流行期で、当時現地の方のレポを読んだ限りでは『おそらく全員感染した』みたいな感じだったと記憶している。
マスク群には『58.54%(48/82人)のCOVID-19回復者』が含まれるが、少なくとも直近での感染者は除外するべきだろう。そのような配慮がされたのか不明だ。
ちなみに、コロナ感染によるmbへの影響は『なかった』としているが、もし大部分が感染していたとしたらその結果に不思議はない。
なお、『コロナ感染は鼻腔mbを変化させる』と示唆する論文は軽く調べたくらいで5つ見つかった。たとえば以下。
・SARS-CoV-2感染は上咽頭マイクロバイオームの年齢および性別による変化と関連する
やはり、この手の調査ではコロナ感染者を除外するのが大前提になるんじゃなかろうか。
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また、マスク群は『97.56%(80/82人)がCOVID-19不活性ワクチンを少なくとも2回接種していた』としているが、その影響は考慮されていないようだ。
以前の記事で『ワクチン接種による呼気VOC変化』を取り上げたが、ワクチンが鼻腔mbへ影響を与えている可能性があるかもしれない。mbが変われば代謝により排出されるVOCも変化するだろう。
◆おわりに
個人的に『マスクは鼻腔mbへ悪影響』という結論であっても不思議はないと推測している。マスク着用による以下の変化は明らかだろう。
・鼻腔内が高温高湿になる。
・自ら排出した新鮮な飛沫等を吸う割合が増える。
逆に良い影響(他者の飛沫等を吸う割合が減る)もあるだろうが、総合して見ればリスクが上回っている可能性はある。
とはいえ、今回取り上げた研究は条件が怪しい。おそらくコロナ感染の影響が強かったと推測する。
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マスク着用のリスクについては『食品加工業などで長年産業利用されてきた実績』から大きな心配はしていない。
しかし、マスク関連の詳細な研究がコロナ前に大規模で行われてきたとも思えないので、これからデメリットが確認される可能性はあるだろう。
今後の研究に期待したい。