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新型コロナ流行の『季節性』について考える。

新型コロナ。

近年は夏と冬、年2回の流行が定着している。

もう今さら波の数を知りたい人はいないだろうが、間近の冬は第12波になる…んじゃなかったかな、たぶん。

以下、現在の状況。

新型コロナウイルス 感染者数やNHK最新ニュース|NHK特設サイト.html
[2024.11.26 引用]
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

流行の底は関東だと11月上旬だったと思われ、既に全国的に上昇基調。

なお、夏の流行は南が先行したが冬は北からっぽい。

今回は新型コロナの『季節性』について書いてみる。といっても特に結論はないし、素人の妄想。


◆厚労省の見解

なぜ新型コロナは夏と冬に流行するのか、明快な答えを見たことがない。

厚労省の資料によると以下のようだ。2年以上前のものだが現在も似たようなものだろう。

流行の現状と見通し

1. 新型コロナウイルス感染症について

1-1.冬期の流行

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の季節性変動に関して学術的な見解は定まっていない [3,4]。気象要因、人口内の免疫保有割合、社会的活動、国をまたぐ移動、および公衆衛生的介入、変 異株の出現が流行動態に影響しているという報告があるが[3-5]、各要因がどの程度影響しているのか、中 長期的に気象要因がどの程度流行を規定していくかについては不透明である。

新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの流行に関する短期的な見通しと暫定的リスク評価: 2022 年 10 月5日時点
[2024.11.26 引用]
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000997766.pdf

◇◇◇

まあつまり要因が多くてこれといった決め手がない感じだが、以下が挙げられている。

  1. 気象

  2. 人口内の免疫保有割合

  3. 社会的活動

  4. 国をまたぐ移動

  5. 公衆衛生的介入

  6. 変異株の出現

2-5は最近だとあまり影響(変化)がなさそうなので、平時で考えるなら1,6が強いということだろうか。


◆季節性コロナについて

ちなみに、いわゆる普通の季節性コロナウイルスは概ね冬から春に流行している。夏と冬の2回って感じではない。

論文概要|季節性コロナウイルス.html
[2024.11.26 引用]
https://www.eiken.yamagata.yamagata.jp/biseibutsu/seasonal_HCoV/seasonal_HCoV.html

◆他の呼吸器感染症

有名な呼吸器感染症の流行時期をざっくり整理すると以下のようになりそうだ。(参考:国立感染症研究所・感染症発生動向調査週報)

<冬-春>
インフルエンザ
季節性コロナウイルス

<春-夏>
RSウイルス

<夏>
ヘルパンギーナ

<秋-冬>
マイコプラズマ肺炎

とりあえず、新型コロナのように夏と冬で2回メリハリつけて流行するのは他に無さそう。


◆妄想

なぜ新型コロナは夏と冬に流行するのか。

まあ、変異の早い新たな感染症だとこんなもんかもしれない。

今でも相変わらず変異株がボコボコと生まれており、獲得免疫に期待できるのは3ヶ月から半年くらいということか。

ただ、獲得免疫の効果低下(変異による免疫回避)を条件に次の流行が始まるのなら、冬の流行も南から始まって良いような気がする。しかし実際は逆で北からだ。

これは気象(および人の行動、生活様式の変化)の影響が強いことを意味するのかもしれない。結局最初のほうに挙げた厚労省の見解と同じだ。


◆おわりに

ということで、順当にいけば今後も夏と冬で新型コロナは流行し続けるように思える。

ちなみに、個人的に気になるのは流行のピークが夏と冬のキツイ期間に重なりがちなこと。

海外からの変異株の流入を考えるなら、夏冬の決まったパターンからズレてもおかしくないように思うのだが。

『免疫力が高ければコロナはただの風邪』なんてのを見るが、気候によるストレスの少ない春と秋に大流行しないのは、そのような影響もあるかもしれない。

皆さんもお気をつけて。

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