『布マスクなら27分、不織布なら1時間感染しない』について考える。
年初のニュース。
オミクロンが流行っているということで、アメリカでは二重マスクが推奨されました。
このニュースを読んでちょっと思うところがあったので記事にしてみます。
◆『ウイルスがうつるのにかかる時間』について
ソースを調べてみました。
アメリカの産業衛生専門官会議(ACGIH)のサイトに以下の表がありました。ノーマスクと各種マスクの組み合わせによる感染までの時間一覧のようです。
根拠が気になるデータですが、私が調べた限りではこの表のもとになる情報は見つかりませんでした。
おおもとのソースはともかく、おそらくこれは期待値でしょう。
N95(10%)に対してN95(1%)が単純に10倍となっていることから推測できます。感染成立までの飛沫量を仮定したうえで、マスクの濾過性能(漏れ率)から計算した理論値ではないですかね。
元の記事でもそのあたりはほぼ言及されておらず、情報が足りません。
せめて根拠くらいは簡単に確認できるようにして欲しいものです。
ともかく、これを以って『オミクロン対策で不織布マスクをしましょう!』(しかも二重マスクで)というのはいまいち説得力がありません。
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ちなみに、N95を着用したからと言って上記のような効果が見込めるかというと怪しいものです。(個人の実績・感想)
重要なのは『マスクに隙間を生じさせないこと。高リスク環境時にマスクを
外さないようにすること。』です。
これがなかなか難しく、それが意識できないなら、PCR陽性/陰性に関して『N95だろうがノーマスクだろうが変わらない。』というのが、個人的な推測です。
◆二重マスクは有効なのか?
記事によると『一部の専門家は、感染力の高いオミクロン株の予防にはマスク一枚では不十分で、マスクを二重に着用することを推奨しています。』とのこと。
一部の専門家、せめて名前くらいは出して欲しいものです。そして、何をどう二重にすることで効果が見込めるのかくらいは書いて欲しいところ。
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ちなみに、マスクオタクの私が実際にやって考えた限り、二重マスクはほぼ無意味かと思います。
一般的に有効とされる二重マスクは『中が不織布、外が布やウレタン』です。これは、不織布マスクで生じてしまう隙間を外側のマスクで押え込む目的(漏れ防止)です。それだけで考えるなら有効と言えます。
しかし、やってみればわかるのですが、あまり有効とは思えません。
以下の問題が生じるためです。
・息がしにくくなる。
外側から不織布を抑え込むことで不織布が顔面に密着します。
マスクが肌に密着した部分はフィルターとして機能し難くなります。また、マスクのプリーツが潰れたり閉じた状態のままになりやすく、総合してフィルター面積が減る(息がしにくくなる)というデメリットが生じます。
・鼻脇の隙間はふさげない。
マスクの漏れの多くは鼻脇の隙間から生じていると考えます。しかし、ほとんどの布やウレタンマスクは該当する部分にアルミのノーズフィッターが入っているわけではありません。
そのため、頬やあご周りなどの隙間に対しては効果があると思いますが、鼻脇からの漏れには効果が見込めません。
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二重マスクについて、私は『フィッティ7daysEX(不織布)+ピッタマスク(ウレタン)』で実験済です。
個人差はあると思いますが、鼻脇の隙間までしっかりふさいだうえで、ピッタマスク等で密着させようもんなら、私は1日中着けるなんて無理です。苦しすぎます。
(100均などで売っているプラスチック製のマスクフレームを使ったうえでの二重マスクであれば、多少マシになるかもしれません。)
おわりに
良いマスクは1枚で性能を発揮するように設計されています。そして、1枚のマスクでも正しく装着すれば、ほとんどのものは息苦しいのです。
気にされる方はノーズフィッターが固めのKF94タイプを1枚しっかり着用し、フックなどで密着性を高めるのをおススメします。
[2022.01.24現在]オミクロンとされているものはまだピークを迎えておらず、寒い日がまだしばらく続きます。
ノーマスクの人もそうでない人も、風邪などひかぬよう健康に気を付けてお過ごしください。
ではでは。