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新技術から考える。新時代のマスクはデメリットを克服できるのか?
【要約:高価なマスクに使われている技術と近い未来のマスク妄想まとめ。】
題名から壮大な事を書いてしまいましたが結論から言うと。。。
無理!残念!
とはいえ『マスクはTPO!』の私としては、今現在でも状況次第で着けたり外したりすればいいと思っています。『アレ』とは違って不可逆的な影響はかなり少ないでしょうし。とはいえ、子供は着けないほうが良いでしょう。
結論は書いてしまいましたが、今回の記事では特殊なマスクに用いられている技術について、マスクのデメリットを絡めてまとめてみたいと思います。
◇◇◇
まず、マスクにデメリットがあるのは皆さんご存じの通りかと思います。
よく言われるのが次のようなものですね。
健康被害(息がしにくいことによる。)
感染リスク増(口呼吸の増加やマスク付着ウイルスによる。)
表情がわからない
自然免疫が活性化されない(ウイルスや細菌を取り込めないことによる。)
冒頭で『無理』と書いたのはNo.4があるからです。
これはフィルタリングの時点でどうにもなりません。
◇◇◇
なお、新技術、といっても私は専門家ではありませんので、そのあたりはご了承ください。(専門家とは何だろうかと近頃思いますが。)
でもまあ、noteでは関連する記事があまり無く、私自身がこれまで無駄に得た知識を成仏させてやる意味でも記事にしてみたいと思います。
以下の項目でそれぞれ軽く説明します。
ナノファイバーフィルター
高帯電フィルター
抗菌
ファン
ちなみに、上記の順番は私が期待する機能順です。3,4あたりは現状の実用レベルとしてどうなのだろうか、と私は考えているものです。
1.ナノファイバーフィルター
私のこれまでの記事でよく取り上げてきたマスクに使われている技術です。不織布は細かい繊維(マスクの場合は樹脂)が凝縮されたものなのですが、ナノファイバーはその繊維径が非常に細いもの。厳密な定義は以下です。
「ナノファイバー」は直径が1nmから100nm、長さが直径の100倍以上の繊維状物質と定義され「ナノサイズ繊維」と「ナノ構造繊維」に分類されます。
https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/knowledge/word/28.html
マスクに関してはおおむね1μm(1000nm)未満のもので『ナノファイバー』を名乗っているようです。実感するサイズのイメージは以下が参考になります。
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http://www.yamashin-filter.co.jp/nano_mask/index.html
ナノファイバーフィルターマスクには以下のようなメリットがあります。
(比較的)息がしやすい。
静電気に頼らないため、時間経過で性能がほぼ低下しない。
私が知っているもので最も細い繊維径は100nm(Nafias・aerumask)です。それらのマスクを使用することで、息がしにくいことによるデメリットをかなり軽減させることができます。
将来的には100nmを下回る繊維径の物も量産可能なコストで製作出来るでしょう。期待したいですね。
2.高帯電フィルター
一般的な不織布マスクは繊維をエレクトレット(電石(でんしゃく))させ、その静電気により微粒子を吸着しています。
高帯電フィルターはその静電気を強く保持することに成功しています。探せば色々とありますが、以下のような繊維です。
『トレミクロン®』東レ・ファインケミカル株式会社
独自の特殊開発によるトレミクロン®は、高配向分極構造が、内・外部に電界を形成。
トレミクロン®は、図-2に示す 従来不織布のランダム配向分極に対し、図-1のように高配向分極電石不織布であるため、不織布内の電界のキャンセライズが起こらず、不織布内、不織布外部に強力な電界を作ります。
この結果、多方面 に用途が広がっています。
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https://www.torayfinechemicals.com/products/kino/kin_001a.html
この技術によりマスクの繊維が粗くても微粒子を吸着できます。実際にフィルターに採用されているマスクがありますが、圧力損失が記載されていませんでしたので、性能は何とも言えません。
また、詳細は不明ではあるものの有効時間が100時間という製品も見ましたので、長時間の性能保持にもこのような技術が用いられているのかもしれません。
ということで、製品にもよりますが、高帯電フィルターマスクは以下のメリットが期待できるかと思います。
息がしやすい(かも)
有効時間が長い(かも)
この技術が向上すれば、近い未来に本当にスカスカのマスクが出来るかもしれないですね。
3.抗菌
これはフィルター性能というよりも、マスク自体の除菌・抗菌機能ということでしょう。銀イオン、銅イオン、その他など色々と出ています。
マスク自体に付着した細菌やウイルスを一定時間かけて除菌するというもの。それにより、マスクを手で触れることによるリスクを軽減させることが期待できます。
4.ファン
有名なのはこれ。
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出典:amazon[2021.12.07]
これぞ未来という感じですがレビューはあまり良くないですね。
ファン付きマスクは私が知る限り排出をフィルタリングしないので、自分が感染している場合に意味がありません。バッテリーの持ちも2~3.5時間程度と短く、実用レベルとしては現状厳しそうです。
マスク内の蒸れ対策としては良いんですけどね。
おわりに
いろいろと書いてみましたが、結論として『息がしにくい』については現時点でもそれなりに解決しているマスクはあると思います。
表情のことも考えると『透明プラスチックの本体に、小型化した高性能なフィルターとファンを用いる方式』が近い将来の高性能マスクになるのでしょうか。あまり快適に思えないので、斬新な新製品を期待したいですね。
頑張れ!科学!
まあ、そんなマスクが登場する前に今の騒動は収束しているでしょう。
さすがにね。マジでお願い。