新型コロナ第9波の結果からエンデミックについて考える。
最近、コロナ第9波とされる流行が終息したようですので、傾向について振り返り今後の動向を考えてみたいと思います。
第9波の特徴は『長引いたこと』だと思うのですが、第8波と今回の傾向は将来的な『エンデミック』を予感させるようなものでした。
素人の妄想ですが、よろしければどうぞ。
◆第9波を振り返る
直近1年の全国、および、東京都のデータは以下です。
全期間の5類化前までのデータが以下です。
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全国のデータでは地域ごとのタイミングのズレが反映されているため注意が必要ですが、東京都を見ると『長引いた』という傾向は明らかのように思います。
第7波までは比較的急峻なピークの立ち上がりを形成していましたが、第8波ではそれが若干緩やかになり、今回はその傾向が顕著になっています。
その理由として一部では『5類移行(感染対策の緩和)』が言われていましたが、個人的にはそうでもありません。変異株の多様化にあるのではないかと妄想しています。
◆変異株の多様化
東京都の資料から変異株の推移(2022.5月-2023.4月)を以下に示します。
これを見ると第8波から特定の変異株がドミナント(支配的)となる傾向が崩れています。
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以下は最近6週間の推移ですが、最多数のEG.5の割合は直近で55%程度。
この割合は感染が先行していた沖縄でも大きくは異なっていません。
今回の感染波で多数のXBB系統からEG.5にドミナント移行があるかと思いましたが予想は若干外れ、ペースは緩やかです。
◆ヒトの多様化
今年あたりから複数の変異株が共存している理由として、ヒトの多様化を妄想しています。
私たちはこれまで様々な種類の新型コロナに曝されてきました。
その結果として、対コロナの免疫に多くのバリエーションを持つことになったのではなかろうか。
そのようなヒト側の多様化に対応するように、結果論として変異株の多様化が起きているのかもしれない。
◆エンデミック
以上のような仮説が正しいのだとすると、これからこの傾向が強くなっていく可能性はあります。
行き着く形は『特定の変異株に一斉に罹る』というよりも『季節を問わず個々に相性の悪いものに罹る』という感じでしょうか。
今現在、欧米もその状態まではなっていないでしょうが、将来的にはそのような形になるのかもしれません。
それがエンデミックということであれば、直近の傾向はそれを伺わせるもののように思えます。どうなんでしょうかね。
◆おわりに
ちなみに、エンデミックといっても、おそらく病態が軽くなるわけでもないだろうと予想します。そのあたりは運じゃないでしょうか。
『変異するほど(時間が経つほど)弱毒化する』という説を見ますが、それは長年かけてヒト側が淘汰されたうえでの結果論だと思います。
そして、大きな変異が加わったもの、たとえばBA.2.86が流行すれば、そこで多様性はリセットされてしまうかもしれません。
冬はそれ(BA.2.86)の流行が注目されていますので、どうなることやら。
まだ当面よくわからない状況は続きそうですね。