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感染症対策に鼻スプレーのススメ【2024年8月】

鼻スプレーのススメ、だが、まずはちょっと感染症情報について。

最近マイコプラズマ肺炎が流行していると言われている。

上の記事によると『8年ぶり大流行』とのこと。

ちなみに直近10年のデータは以下だ。

感染症発生動向調査
[2024.08.26 引用]
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2024/idwr2024-31-32.pdf

たしかに2016年以来8年ぶりの大流行。

なお、コロナ禍では2020年から『感染対策は効果があった』と言えそうな推移が確認できる。しかし、マスク等が大幅に緩和された2023年になってもかなりの低水準で抑えられており不思議だ。

その理由はともかく『免疫負債』的な概念で考えると、ここ数年で曝されなかった子どもが今年発症する確率は上がっていると言えるのではないか。

◇◇◇

地域によってはまだ新型コロナも流行していることだし、感染症対策は意識しておいて良いだろう。特に罹ったあとの緩和策。

ということで、今回の記事では鼻スプレーの良さげな論文を見たのでご紹介。


◆論文引用

対象の論文から重要箇所を引用する。
(強調表示は私による)
以下リンク。

https://doi.org/10.1016/S2213-2600( 24)00140-1

Articles| Volume 12, ISSUE 8, P619-632, August 2024

プライマリケアにおける急性呼吸器疾患に対する鼻スプレーと行動介入と通常治療の比較:ランダム化比較オープンラベル並行群間試験

Open AccessPublished:July 11, 2024DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-2600(24)00140-1

調査結果
2020年12月12日から2023年4月7日までの間に、適格性審査を受けた19,475人のうち13,799人が、通常のケア(n=3,451)、ジェルベース点鼻薬(n=3,448)、生理食塩水点鼻薬(n=3,450)、または身体活動とストレス管理を促進するデジタル介入(n=3,450)に無作為に割り付けられました。11,612人の参加者が主要評価項目の完全なデータを持ち、主要評価項目分析に含められました(通常のケアグループ、n=2,983、ジェルベーススプレーグループ、n=2,935、生理食塩水スプレーグループ、n=2,967、行動ウェブサイトグループ、n=2,727)。平均罹病日数が 8.2 日 (SD 16.1) であった通常ケア グループの参加者と比較すると、ジェル ベース スプレー グループ (平均 6.5 日 [SD 12.8]、調整罹患率比 [IRR] 0.82 [99% CI 0.76–0.90]、p <0.0001) および生理食塩水スプレー グループ (6.4 日 [12.4]、0.81 [0.74–0.88]、p <0.0001) では罹病日数が有意に少なかったが、行動ウェブサイトに割り当てられたグループ (7.4 日 [14.7]、0.97 [0.89–1.06]、p = 0.46) では少なかった。

Nasal sprays and behavioural interventions compared with usual care for acute respiratory illness in primary care_ a randomised, controlled, open-label, parallel-group trial - The Lancet Respiratory Medicine.html
[2024.08.26 引用]
google翻訳
https://doi.org/10.1016/S2213-2600( 24)00140-1

◆まとめと所感

これまで鼻腔ケア(鼻スプレー、鼻うがい)は高い効果が見込めると言われながらも、研究のサンプル数が少ないという懸念があった。今回は各サンプル数3000人弱で、十分な規模と言えるのではないだろうか。

結果は以下の感じ。

<平均罹病日数>
・通常のケアグループ:8.2日
・ジェルベーススプレーグループ:6.5日
・生理食塩水スプレーグループ:6.4日
・行動ウェブサイトグループ:7.4日

単なる生理食塩水スプレーでも平均罹病日数で1.8日短縮。スゴイ。

◇◇◇

ちなみに使い方の目安は以下だったっぽい。
(ただし、これが遵守されていたわけではない。)

点鼻薬は次の 3 つの方法で使用するよう勧められています。(1) 病気の最初の兆候が現れたとき(症状が 2 日間なくなるまで 1 日 6 回まで [各鼻孔に 2 回スプレー])。(2) 感染の可能性がある環境にさらされた後(公共交通機関、スーパーマーケット、カフェ、パブの使用など。さらされた直後、1 時間後、および夜寝る前に各鼻孔に 2 回スプレーする)。(3) 長期にわたる環境にさらされた後(病気の人との濃厚接触や同居など。濃厚接触者が回復するまで 1 日 6 回まで [各鼻孔に 2 回スプレー])。

最大で1日6回まで(各鼻孔に2回スプレー)。
曝露リスク後などにも推奨されている。

なお、デメリットが無いわけではなく多少の有害事象は報告されている。使用後に頭痛などの不調を感じる場合は使用を停止し、医師に相談したほうがいいだろう。


◆おわりに

ちなみに私は高張食塩水スプレーを高リスク時に活用しており、さらに毎日鼻うがいもしている。そのおかげか、ここ数年マトモな風邪症状を実感していない。(ガチのマスクもしてるけど)

なお、生理食塩水の鼻スプレーはいくつか種類がありそうだが、個人的にはニールメッドがオススメ。以下のガス圧で出るタイプがお手軽で楽な気がする。初心者ならまずは『サイナスミスト』が良いかもしれない。

ニールメッド・製品情報
[2024.08.26 引用]
https://www.neilmed.jp/products/

鼻うがいが苦手(または食わず嫌い)という方は多いかもしれないが、まずはスプレーから試してみるのはいかがだろうか?

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