コロナ・私的まとめ(マスク)
マスク。
私は当初マスクの効果に疑いを持っていたほうだ。
その疑いは概ね正しかったが、結局のところ『モノは使いよう』という結論に落ち着き、今でもTPOで積極的に使用している。
マスクは最近のコロナ軽視と共に時代遅れな感じになっており、SNS等で『一生着けてろ』とか見るが、私は今のところ一生使うつもりでいる。そうならないことを願いたいが。
今回の記事は周年企画の私的まとめ3回目、マスクについて。
◆脱マスクの流れと最近のコロナ
脱マスクについては昨年くらいから雰囲気が作られ、今年3/13に『個人の判断』という周知、5/8に5類移行、徐々に緩和されてきた。
5類の時点で7割くらいは着けていたが、その後、暑くなるに従い外していった感じ。現在は着けている人のほうが少なく、スーパー等で1,2割くらいというところか。
ただし、仕事中は着ける、という人は多い印象だ。
職場で確認する限り、銀行や保険絡みっぽい来客者はほぼ100%着けている。
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最近の日本におけるコロナは第9波がようやくピークアウト気味になったくらいの状況だ。総合した被害は第8波と同等かそれ以上になると予想する。
しかし、報道等では『コロナ』『マスク』という言葉がタブーになっている印象がある。
岸田首相はつい最近『コロナ禍で苦しかった3年間を乗り越え、経済状況は改善しつつある。』と発言したらしいが、まあつまりコロナや超過死亡を無視する方針で、それは世間的にうまくいっている。
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9月に入り、学級閉鎖や交通機関の減便などがSNSで話題になり、地域によりその影響は続いているようだが『乗り越えた』で通すようだ。
なお、世界的には以下のようなニュースが見られた。
(英、管制官コロナ感染拡大で164便欠航)
コロナは変わらず流行しているし、これからもそうだろう。
そして、人類全体として今やるべきことは超過死亡の謎の解明であり、コロナに疑いが残る以上、当面『時間稼ぎ』が必要だと私は考えている。
◆マスクの効果について
さて。
マスクの効果については以下の記事にまとめたとおり。
私の説としては効果あり寄りだが、もちろんモノと使い方による。
上記記事から重要箇所のみ要約すると以下になる。
不織布マスクは自らの感染防御に役立たないがユニバーサルマスキングは空間中のエアロゾルを有意に減らす。
自らを保護するためにはN95マスクが必須である。
(ほぼすべてのKF94,KN95はプリーツマスクとたいして変わらない。)
つまり、社会的なマスク戦略としての『ユニバーサルマスキング』は有用だが、自らの感染予防には『N95マスク』並みの低い漏れ率じゃないと差は出ない。というのが大雑把な私の結論だ。
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上記1の論拠である『排出直後の飛沫が大きいうちにマスクの内側に衝突させる』という考え方は重要だが、あまり注目されていない。
私自身これに気が付いたのはわりと最近だが、論拠となる論文は1年以上前のもので、以下の日本の記事でも『排出後の飛沫が短時間で飛沫核化する』に触れられている。マスクはそれを抑制する。
マスクの専門家は工学分野の人だと思うが、そのようなガチの専門家が積極的に情報発信していないことが、混迷を招いている要因のひとつだろう。
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ちなみに、マスク着用有無による感染者数の比較は重要だが、優れた試験デザインに基づく説得力のある統計結果を私は知らない。効果有り無し、どちらにせよ。
倫理面からそのような研究が難しいのだと思うが、日本でもマスク着用が個人の自由となっていることもあり、今後、そのような研究結果が出てくることを期待したい。
◆ユニバーサルマスキングとN95マスク
コロナ対策としてのマスク戦略は、もともと『自らの感染を想定し飛沫排出を減らす』という目的のユニバーサルマスキングである。
この場合の『飛沫』という部分が注目され『飛沫のみしか減らさない』という解釈が見られたが、前述したメカニズムによりエアロゾル生成量を減らす。
ただし、着用者本人の感染リスクはノーマスクとたいして変わらないので、マスクの効果はなかなか実感が難しいだろう。(リスクは使用するマスクにもよるが。)
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マスク戦略としてN95マスクの活用は検討されたかもしれないが、社会全体での運用を考えると高い効果が得られたかは疑問だ。
N95マスクは快適なものが少ないことから、軽度であれ有意な健康被害が問題視されただろう。
仮に良いものを使用しても隙間をしっかり塞いで着用すると蒸れて不快ではあるので、多くの人は隙間を開けて使うか、マスク自体を使わなくなる気がする。
そして、マスクにそれほど嫌悪感の無い日本人とはいえ、ヘッドループ(頭掛け)の大仰なN95マスクには抵抗がある人が多いだろう。
なにしろ世界的に評価の高い優秀なマスク『3M・VFlex』はこんなやつである。(私は持っている。)
もっとスタイリッシュなもの(3M・Auraとか)はあるのだが、何にせよヘッドループの煩わしさと蒸れの不快感は解消されない。
いくら感染予防効果が高いとしても、万人が進んで利用することは期待出来ないだろう。
それらを考えると、不織布マスクによる『ユニバーサルマスキング』は最適解に近かったのかもしれない。
◆おわりに
直近の第9波を見る限り、政府が号令をかけない限り今後マスク着用率が大幅に上がるということはなさそうですね。良いやら悪いやら。
まあ日本は欧米ほどマスクに嫌悪感や政治・思想要素は無いので、冬に予想される流行の際には若干着用率が上がると予想します。寒くなるとマスクしてたほうが快適だし。
そして冬を待たずとも、本気で感染したくない人は快適な防御性能の高いマスクを検討したほうが良いと思いますよ。
ということで、需要は少なそうですが、これからもマスク関連の記事を書いていこうと思いまーす。