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読書記録『あとは切手を、一枚貼るだけ』
おかしいな…もう今年が終わろうとしているじゃないか。師走ってどうしてこうも時が経つのが早いのでしょう。
今年を振り返ってみても、積読ばかり積み上げ、なかなか消化ができない年だった…結果、26冊という去年とは比べものにならない、読了冊数。
と数字を見ても仕方がないので、今年はそういう年だったということにしよう!←
仕方がないと言いつつ、今年までにどうにか読み終わりたかった一冊がある。
『あとは切手を、一枚貼るだけ』
正直、すらすらと読めなかった…だからいろんなところに持ち出したおかげでカバーにシワがいっぱい。旅にも連れて行った。行っただけで開かなかった(笑)
本との相性がビビッとこないとすぐ閉じて、いつか読める日が来ると思い本棚に返すわたしだが、なんとなくこの本は最後まで読み切りたいと思った。
だから、感想を言うほど内容を理解していないと思う。だけど、今年最後だ書いてしまおう。
小川洋子さんと堀江敏幸さんのお二人が紡いだ言葉たち。「私」と「ぼく」が14通の手紙を通して話は進む。
冒頭の「まぶたをずっと、閉じたままでいることに決めたのです。」という一文で心をざわつかせる。
まぶたを閉じるとは物理的なのか、心理的なのか…はたまたまぶたを閉じたことでどうなっていくのか。
どこか非現実感が漂いつつ、2人の手紙のやりとりは続いていく。
読んでいて、なんとも言えない静かな世界を近くに感じていた気がする。
それと、言葉や文が可憐で美しい。
全て読み、最後の著者お二人の対談を読んだ今、改めて読み返すとまた違う「私」と「ぼく」の物語が見えてくるのかもしれない。
今回、「私」と「ぼく」に対して第三者的視点で読んでいた。それぞれの手紙がわたしの手の中にあるような。それを交互に読み進めるそんな感じ。
でも、これが
「私」からの手紙を読む、ぼく。
「ぼく」からの手紙を読む、私。
というそれぞれの視点に立ち、手紙を読めばまた違ったように見える気もする。
再読が楽しみだ。
最後にこの本を読んで、
湖に行きたくなった…そして、架空の国の切手を描いていたというドナルド・エヴァンズに興味を持ち、買ったまま積まれている『夜と霧』を読まねばと思ったところです。
来年は読書ノートを作りたいな。
どんな年になるだろう…みなさま良いお年を。
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