つまんない恋の話、聞いてくれますか
私は、よくポエムを書いている。
でも、そのほとんどは妄想だ。
私は昔から妄想や空想が好きで、気づいたら何か考えてしまう癖がある。
そのせいか、もうすぐ二十歳になるというのに、一度も彼氏ができたことがない。
私には、そんなに魅力がないのか。
ここ最近、ずっと思っている気がする。
大学に入ってからできた女友達に
「すぐ彼氏できるよ」
と言われ続けて、一年が経とうとしている。
彼女たちはみんな彼氏ができたのに、私だけいない。
大学に入ってから、男友達がそこまでできなかった。
学部とかバイトも女子が多くて、そもそも出会いがなかった。
数少ない男友達には、「モテそう」だとか「可愛い」とか言われることもある。
でも、いつもそれで終わる。
デートですらしたことない。
私は本当に、これからやっていけるのかどうか不安だ。
大学4年間どころか、これから一生彼氏ができないような気だってする。
それくらい、恋愛とは程遠い、ただの恋愛拗らせ女子である。
そんなわたしが、恋愛をうまく語っているようなポエムを書いている。
ただの妄想だし、わたしが失敗した恋愛が、もし成功してたらな、という内容のポエムだって書いた。
あとは、昔読んだ大好きな小説を思い出して書いたポエムとか、大学のサークルで推しているイケメンが酔い潰れた姿にドン引きした時のポエムとか。
つまんない恋の話ばかりなのだ。でも、そういうのが好きだったりする。
わたしは、自分の魅力を信じて、それなりに頑張って生きているのに、彼氏がいない。それどころか、好きな人もいない。
なんでだろう。
そう考える時に、いつも思い出すのは高校三年生の頃の話。
起承転結のない、つまんない恋の話を読んでくれる人はいるのかな。笑
わたしは、高三の秋、中学の同級生に再会した。
坊主だった彼は、髪を少し伸ばして短髪になっていたし、
背も伸びて制服も少しだけ着崩していて。
なんだか、かっこよくなっていた。
毎朝電車が一緒になって、毎朝おしゃべりしていた。
大嫌いだった朝が大好きになった。
私は彼を好きになった。
彼はもう進路が決まっていたが、私はまだまだ受験生だった。
彼は私に連絡先をずっと聞いてこなかったし、私も聞かなかった。
私に興味がなかっただけかもしれないが、ありがたかった。
私、好きな人の連絡先なんか持ってたら勉強に集中できないから。
それが私に取ってはエモかった。
アナログな恋だなあ、素敵だなあ、ってウキウキしてた。
そうやって毎朝電車に乗っては、会える時間はどんどん短くなっていく。
会える時間が毎日僅かで、すごく切なかった。
あと1週間で、こんな朝も終わりなのか。
そんなことを考えていた。
最後の日、彼は言った。
「最後やね。」
私は
「そうだね。」
と、何も感動のない返事をした。
まだ私は、進路が決まっていなかった。
でも、今日連絡先を聞かなかったら、彼とは音信不通になってしまう。
だから、勇気を出して連絡先を聞いた。
当たり前のように教えてくれた。
バイバイ。
いつものように手を振ってから、それぞれ別の学校に向かう。
すごく寂しかった。
それから今日に至るまで
彼とは何気ないLINEを何度か続けた。
1ヶ月くらいラリーが続くこともあった。
でも、正直、話す内容はそんなになかった。
彼は、私に彼氏がいないということしか知らない。
彼にも、恋人はいない。
でも、なんにもなかった。
彼と会わなくなってから1年が経つ。
好きだったけど、何にもできなかった。
つまんない恋で終わってしまった。
また会えたら、どうなるんだろうなって。
私がただの勘違い女じゃなければ。
彼は、少しくらい私のことが好きだったと思う。
でも、そうだとしても、私も彼も奥手すぎた。
「お互い、恋愛向いてないかもね。」
以前、そんなやりとりをした。
そうかもね。
じゃあ、一緒に勉強しようよ。
なんて、私には言えない。
嫌われるのが怖くて仕方ない。
でも、ずっと彼のことを忘れられない。
彼にとって、私はどんな存在なのかな。
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