香港を訪れ、友人とビールを飲む話
はじめに
特別な理由がなく「ちょっとビールでも飲もうか」と誘える友人はいますか。私は何人かの友人を思い浮かべることができます。
Can we grab a couple of 🍻
今回は、友人とビールを飲むために香港を訪れ、帰りにバンコクへ立ち寄ったお話です。「とびきりの風景で、とびきりのビールを飲む話」同様、中年男性が香港で適当なものを食べビールを飲むだけの旅行記です。
※ 今回、文章に登場する友人は、数年前香港の仕事で知り合った元同僚です。生粋の香港っ子であったと記憶していますが、改めて確認したことはありません。彼は旅行とおいしいものを食べるのが大好きです。
旅行立案
香港への渡航はUnited航空の特典航空券を利用しました。この会社の特典航空券は直行便以外にも個性的なトランジット(中継ルート)を紹介してくれます。例えば、以下のようなルートです。
日本 ✈︎ ソウル(韓国) ✈︎ 香港
日本 ✈︎ バンコク(タイ)✈︎ 香港
日本 ✈︎ シンガポール ✈︎ 香港
中継地では半日程度過ごせる場合も多く「週末、香港に行くついでにソウルに寄り冷麺を食べた」というような、やや思慮に欠ける旅程が可能です。今回は往路を直行便、復路をバンコク経由便としました。
宿泊先は普段利用しているホテル予約ポータルから予約、旅行保険もインターネットで適当なものを選択します。それから香港とバンコクで使える旅行者用SIMを買い、友人へ「ビールを飲もう、九龍で」とSMSを送ります。
U sure come to hk?
もちろんです。幸運にも彼もその週末は予定が空いているようです。滞在中の夕方に食事の約束を取り付け、旅行の準備が整います。以下、旅行記となりますが、他の記事と同様に淡々と時系列に並べてあります。緩い旅行の感じが伝われば幸いです。
DAY 1: 9/6 NRT ✈︎ HKG
[9/6 7:30] バスで成田に到着します。普段はLCC(格安航空会社)で第三ターミナルの利用が多く、有名な航空会社が並ぶ第一ターミナルは、なんだかソワソワしてしまいます。
自動発券機で感熱紙の航空券を発行し荷物を預け出国します。搭乗までの間はエチゴビールのドラフトを飲み、〆の一風堂のラーメン(替玉も付けて)を食べます。
[9/6 10:00] 搭乗した便は NH809 NRT 10:00 ✈︎ HKG 13:40 でした。滑走路から見えた雲は夏の匂いを残していました。
[9/6 11:00] 出発前、ラーメンを食べ過ぎたことに気がつきます。機内食を遠慮し、クラッカーとウィスキー水割りを貰います。年齢でしょうか最近は水割りが美味しく感じます。
[9/6 13:00] 左舷側に香港国際空港が見えました。海の色がエメラルドグリーンです。
[9/6 13:30] 香港国際空港に着陸です。到着後は簡単な入国審査を経て香港へ入国をします。電子化の流れか最近は入出国スタンプを直接パスポートへ押す機会が減っているようです。私はスタンプが押されたパスポートが好きでした。
[9/6 14:00] 携帯電話のSIMを差替え、空港の自動販売機で香港の交通系カード、八達通(Octopus Card)を購入します。私の利用しているスマートフォン(iPhone)は次期バージョン(iOS 13)から対応するようです。これが最後のカード利用かもしれません。
[9/6 14:00] 機場快線(Airport Express)の青い車窓からは、タグボートの群れが見えました。香港という地名の通り海上交通が盛んであるようです。香港島の中環(Central)で乗り換え、銅鑼湾(Causeway Bay)まで移動し所用を済ませ、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にあるホテルへ向かいます。
ここまでの位置関係です。1の空港を出発し、2の辺りで車窓からタグボートの群れを見つけます。3の銅鑼湾で所用を済ませ、4の尖沙咀にあるホテルへチェックインします。部屋に到着したのが15:30ですので、空港からは一時間半の行程です。
[9/6 15:30] ホテル到着です。通された部屋は出窓がついた眺望の良い場所でした。ベッドは十分なサイズで、大人3人で眠っても問題のない大きさでした。
部屋からの眺望です。悪くありません。シャワーを浴び、汗で湿ったシャツを着替え、近くのATMで1,000香港ドル(利用明細を確認すると13,664円でした。これは空港の換金レートよりもずっと安価です)をクレジットカードで下ろします。
[9/6 19:00] 友人とはホテルから二駅先の深水埗(Sham Shui Po)で待ち合わせていました。最初に軽食店を数店回り、記事のタイトルにもあるビール店へと向かいます。
DAY 1: 合益泰小食@深水埗
地元客で賑わっていました。大衆食堂です。
猪皮(豚の皮)を大根と煮込んだものです。薄味のおでんのようでした。
腸粉とよばれる食べ物です。Wikipediaによると、米粉などのでんぷん質の素材を一旦シート状に伸ばし再び丸めたものであるようです。筒状に丸められた形が豚の腸に似ていることから名付けられたそうです。
DAY 1: 坤記士多@深水埗
ういろうに近い食べ物を販売する商店です。「糕點」という単語で説明されていました。辞書を引くと、単語自体は英語のPastryに相当するもので、この食べ物の固有名詞ではないようです。
香港ミシュランガイドにも掲載されたようです。一番素朴な味付けを一つ包んでもらい、通りを歩きながら食べます。
DAY 1: 劉森記麺家@深水埗
友人推しの雲呑(わんたん)屋です。
机に自家製の大根酢漬けが置いてあります。良い…。
焼きそばです。日本ではあまり馴染みのない、甲殻類の香りがする粉末がまぶされていました。
蝦雲呑です。おいしい。
これで深水埗の食べ歩きはおしまいです。
深水埗の地下鉄駅前で振り返ると、なんとも香港らしい風景が広がっていました。ここから、旺角(Mong Kok)へ移動します。
DAY 1: TAP THE ALE PROJECT@旺角
TAP THE ALE PROJECT は香港でも有名なクラフトビールを扱う店で、常時20近いタップが繋がっています。地元のYoung Master という醸造所が人気と聞きます。今回はこの醸造所を中心に飲みました。
この日のメニューです。国内であれば上から順番に飲み、泥酔し、翌朝駅のホームで目を覚ますことがあってもさほど問題とはなりません。しかし異国の地となると話は別です。
坊主髭眼鏡日本人旅行者、爆酔的、全裸地下鉄寝。
と、写真付きでSNSを賑わすことをだけは避けねばなりません。
目ぼしいビールを200mlで5-6銘柄に絞り順番に飲んでいきます。印象的であったのは、黒板2番目のビール"Days of Being Wild Lychee"でした。名前の通りライチの香りがするビールでした。
もう少し、とも考えたのですが「フードのラストオーダーです」と店員から告知があります。「週末ともなると人で溢れ、深夜まで営業していた店なのに、なんだか残念だね」と、彼がぽつりと口にしていました。
[9/6 22:00] クラフトビール店から外へ踏み出すと状況が変化している事に気がつきます。集会を行う人々によって大通りが封鎖され、車道は歩行者天国のように人で溢れていました。黒いシャツを着た人々が何かを訴えています。黄色いベストを羽織り、ヘルメットを被った報道陣も目にします。
U sure to walk through this area?
もちろんです。最寄りの地下鉄も閉鎖されていますし徒歩以外の選択肢はありません。彼と私は彌敦道(Nathan Road)まで共に歩きそこで別れました。
途中、防塵マスクが捨てられているのを目にします。大通り沿いの壁には「五大訴求 缺一不可」と、スプレーで記されて間もない文字もありました。
[9/6 23:00] ホテルへ戻ると酔いは冷めていました。シャワーを浴び、冷蔵庫に放り込んでおいた缶ビールを飲みます。一日目はこれで終了です。
夕方の散歩はこのような行程です。ホテルから地下鉄で赤1の深水埗へ移動し、夕食をとります。その後、青2まで地下鉄で移動しクラフトビールを飲み、紫3を徒歩にてホテルまで戻りました。この日、集会が行われていたのは、赤1と青2の間でした。
DAY 2: 9/7 HKG
[9/7 6:00] 目が覚め、部屋の窓から大通り(彌敦道)を見下ろすとスプレーで文字が書かれていることに気づきます。「LongLive HK 天滅中共復興香港 皇擊殺再現輝煌」と読むことができます。
ベッドに戻りテレビをつけると、アルジャジーラが昨夜の集会について放送していました。ホテル前の大通りを数キロ先です。テレビを消し、シャワーを浴び、朝食の準備を整えます。
[9/7 7:40] 朝食です。香港では「茶餐廳」と呼ばれる形式の軽喫茶で、朝食にインスタントラーメンを食べる習慣があるようです。特に「出前一丁」が人気なのだとか。ラーメンの上にランチョンミートや甘く煮た肉を乗せ、供されるのが一般的であるようです。「朝食にはこれを食べよう」と旅行前から決めていたので、
出前一丁
と書かれた紙を握りしめホテル近くの茶餐廳を訪れたのでした。店員にそれらしいメニュー写真を指差し、出前一丁の紙を見せます。「新手の出前一丁ファンか」という感じで吹き出されたものの無事期待のものが供されました。漢字文化、素晴らしい。
[9/7 10:00] 昨夜食事をした深水埗近くに「香港の集合住宅史に於ける貴重な建築物が、リフォームされユースホステルになっている」という記事を目にします。午前中はそこを訪れることにしました。施設の一画は資料館にもなっており、年代ごとの人々の生活が日用品や家具と共に展示されていました。次回香港を訪れる際は、このユースホステルに宿泊してみようと考えています。
ユースホステルの裏手に小高い丘へ続く道を見つけました。丘の頂上まで歩くと、九龍を一望することが出来ました。夜には素晴らしい夜景が見えそうです。友人に話すと「Garden Hill? 香港に来て、もっと見るところもあるだろうに」といった様子で少し残念な顔をされます。構いません。私は人から見ると少し残念な旅行が好きなのです。
標高があるのか三角測量站もありました。グッと来ます。この後、丘を下り再び深水埗を散策したのですが、時間が早いせいか店舗のほとんどがシャッターを下ろしていました。仕方なくホテルに戻ります。
[9/7 12:00] フットカバーを片付けないような怠惰でも良いではありませんか。日差しも厳しく、北国出身の私にとって外は活動できる気温ではありません。午後は大人しくベッドで過ごします。
「日本で製粉した小麦粉を100%使用 鶏蛋沙律サンドイッチ」が、この日の昼食です。ルームサービスも検討したのですが、折角なので現地のコンビニサンドイッチにしました。香港のコンビニや駅の売店には、こうした日本語が溢れていました。日本のファッション誌も普通に並び少し不思議な気分です。
[9/7 17:30] 友人、そして彼の知人と一緒に夕食を約束していました。香港島で予定されていた集会の様子を見ながら、上環(Sheung Wan)へと移動します。三人で食事をするのは今回が二度目で、前回は亀戸(Kameido)にある焼肉屋でした。
DAY 2: 雞功房@上環
[9/7 17:45] 雑居ビルの一室を改装し予約客のみを相手とする「私菜房」という形式の食堂を訪れます。酒類持込み可能のお店でしたので、香港では馴染みがあると聞いた瓶ビールを何本か持込みます。
やや遅れて入店したため早いペースでサーブされてしまいましたが、いずれの品も満足のいく味でした。広東料理に分類される料理とのことです。当日のメニューは以下の通りです。
1. 花雕醉鮑魚配醉蛋 ... 紹興酒に似た酒で煮付けた鮑(あわび)
2. 手打墨魚餅 ... イカをすり身団子を揚げたもの
3.傳統白果豬肚湯 ... 豚のモツ煮込みスープ
4. 慢煮和牛臉珠 ... 和牛の頬肉を煮込んだもの(写真の肉)
5. 客家鹽焗雞 ... 塩鷄を蒸したもの
6. 椒絲腐乳通菜 ... 空心菜に似た野菜を、味噌に似たソースで和えたもの
7. 手拆蟹肉泡飯 ... 蟹の雑炊
8. 頭抽醬汁炒豬腸粉 ... 腸粉を甘辛い醤油で炒めたもの
9. 鮮芒果布甸 ... マンゴーのプリン
初日の夕食、この夕食は彼のご馳走に預かりました。「次に東京を訪れた際は、とびきりの寿司を食べたいな」と目を輝かせながら、彼は財布を開いていました。フラグです。
[9/7 20:30] 夕食後、旧中環警察署群跡付近を散策します。併設する美術館では村上隆の個展が開催されていました。
途中、野外上映ができる施設を見つけます。漆喰で埋められた壁面が何かの文字のようにも見えます。
金融街近く。細い通りを縫って中環の船着場に向かいます。
[9/7 21:00] 香港島から九龍側への船着場に到着すると、集会の映像と共に地下鉄が閉鎖されたことが放送されていました。
渡し船で九龍側の船着場を目指します。
振り返ると香港島の夜景が見えました。
[9/7 22:00] ホテルに戻ると昨日と同じ場所で、より大きな集会が開かれているというニュースを目にします。集会に参加した人が放つ、無数のレーザーが警察隊に向けられていました。
地下鉄出入口にシャッターが下りているのが見えます。冷蔵庫からビールを出して飲み、思い直し、外を散策します。
二日目はこれで終了です。
二日目の行程です。午前中は赤1のユースホステルを見学します。昼間はホテルでぼんやりと過ごし、夕方から青2の私菜房、青3にある警察跡地を散策。4の渡し船(Star Ferry)で九龍に渡り、徒歩でホテルに戻ります。
DAY 3: 9/8 HKG ✈︎ BKK
[9/8 6:30] 友人から「ホテル近くに美味しい朝食を出すお店がある。この漢字を伝えれば、美味しい朝食が出てくる」と教えてもらいます。そのお店での呪文は、
早餐、要炒蛋、茶走 謝謝!
とのこと。メモにそのまま漢字を写し準備が整います。
[9/8 7:30] 澳洲牛奶公司(Australia Dairy Company)です。香港にも関わらず、オーストラリアダイアリー。紹介してくれた彼曰く「店名の由来は私もよくわからない。"食べたら出て行け"の接客だから気にいると思う」とのこと。地元では有名店のようで、Wikipediaの項がありました。
熱々のマカロニスープに、刻んだ加工肉が載っています。素朴なマカロニスープにも関わらず、感動的な美味しさ。
バターの塗られたトーストと、スクランブルエッグです。スクランブルエッグは、都内の外資系ホテルチェーンで朝食に供される物よりも美味しく感じられます。完璧なスクランブルエッグです。
〆は鴛鴦茶(コーヒーとミルクティーを混ぜたもの、香港では親しまれている飲み物)です。滞在時間10分たらず。満ち足りた朝食でした。
[9/8 8:30] ホテルに戻り身支度を整えチェックアウトです。帰国時に経由するタイのSIMカードも準備しておきます。台風15号の接近に伴い翌早朝の関東は暴風圏と予報が出ています。私の搭乗便も影響を受けそうです。帰りの旅程は以下の通りでした。
9/8 TG601 12:45 HKG ✈︎ BKK 13:40
9/8 NH850 21:45 BKK ✈︎ HND 9/9 5:55
移動中、SNSを眺めていると「東京は今後24時間、最大級の警戒が必要である」と繰返し伝えられていました。
[9/8 9:00] この日は乗継駅である中環で大規模な集会が予定されていました。少し早めにホテルを出発し空港へ向かいます。通告通り、昼前から集会が開始され、ほどなく中環は閉鎖されます。
[9/8 10:00] 空港に到着です。 タイ航空のカウンターで帰りの搭乗券を発券します。有人カウンターで翌朝着の東京便に乗ることを伝えますが、欠航情報はなく、とりあえずバンコクまで飛ぶように案内されます。とりあえず、バンコクまで飛ぶことにします。
いわゆる、水分補給です。
[9/8 12:00] 搭乗予定の飛行機が到着します。さよなら、香港。
[9/8 13:30] タイ航空の機内食は鶏肉カレーでした。
聞いたことのないウィスキーをロックで貰い、ミネラルウォータで割って飲みます。
上空からメコン川を見つけます。中学の地理で、メコン、チャオプラヤ、エーヤワディーの順で覚えたことを思い出します。
[9/8 14:30] バンコク到着です。カーキー色の軍服を着る入国管理官から、パスポートにスタンプをもらい入国です。
[9/8 15:30] カーキー色の軍服を着る出国管理官から、パスポートにスタンプをもらい出国です。タイ滞在30分。市街地に出て活動するほど集中力が自分に残っていなかったのが主な理由です。
台風の状況によっては、市街地から一旦空港に戻りチケットを手配し、改めて市街地に戻る(宿泊先のホテルに向かう)という面倒が増えるかもしれません。無闇に動かず空港で情報を待つことにしました。
[9/8 17:30](滞在3時間経過)空港は広く散策には事欠きません。アジアの大らかさなのか、電光掲示板にリモート管理用ソフトウェアのインターフェースが重なって表示されています。
ガラス越しに外を眺めると、駐機された旅客機の尾翼が見えなくなるほどの強い雨が降っていました。市街地に出ていた場合、ひどく濡れていたことでしょう。待機は正しい判断でした。
[9/8 18:00] (滞在4時間経過)フードコートのような場所でセンレクナームのような何かを食べます。サーブされたスープは十分にぬるく、そしてよくわからない草が入っています。
SINGHAは果たしてタイのビールであったか、今ひとつ自信はありませんでしたが注文します。東京にあるタイ料理店が恋しく感じられます。帰国後、大手町にあるバンコクエクスプレスに行こうと心に誓います。
[9/8 19:00] (滞在5時間経過)閑散としたエリアのベンチをいくつか使い、バックパックを抱えるように眠っていました。航空会社Webを確認すると、遅延情報が発表されていました。
変更前: 9/8 NH850 21:45 BKK ✈︎ HND 9/9 5:55
変更後: 9/9 NH850 1:30 BKK ✈︎ HND 9/9 9:40
少しだけ欠航を期待していたのですが、遅発で対応するようです。早朝に羽田に降り、その足で出社をしようと考えていたので、この時点で遅刻が確定です。上司に午前休を貰うと連絡します。
[9/8 22:00] (滞在7時間経過)シャワーを浴びたいという欲求に駆られます。バンコク国際空港では「Miracle lounge」という共同ラウンジを多く目にします。試しに「有料でも構わないのでシャワーを借りられないだろうか」と聞いたところ、
1,200バーツ(≒ 4,000円)ほどで、全てのサービスを2時間利用可能です。
と返事を貰います。シャワーの他に食堂もあり、それなりのタイ料理や、冷えたビールもあるようです。ふかふかのソファーも見えます。ここで休憩することにします。
DAY 4: 9/9 BKK ✈︎ HND
[9/9 0:00](滞在9時間経過)この時間の空港は、フェリーの二等開放客室のような空気があります。気怠い、眠る人が放つ匂いが、各々のベンチを覆っています。延々と続く大きな寝室を散歩しているような気分です。
[9/9 1:00] (滞在10時間経過)搭乗ゲート近くで遅延証明書を受取ります。保険請求のために必要となる書類なのでしょうか。ほどなく、搭乗開始のアナウンスが聞こえます。6時間半を要し、2時間の時差を越え東京に戻ります。
[9/10 9:00] 日本の上空に入るとNHKニュースを確認することができました。台風は関東圏を直撃したようです。近郊の路線はほぼ全て停止し大きな被害が出ていることがわかります。
[9/10 9:30] 羽田に到着します。雲間から青空も見えます。入国審査の自動化ゲートを抜け、そのまま浜松町行きのモノレールに乗ります。多くの羽田便が欠航している為に、モノレールは閑散としていました。浜松町に到着すると逆側のホーム、空港へ向かう長い列が駅の外まで延々と続いていました。大江戸線に乗り換え職場へ向かいます。
[9/10 10:30]着陸から一時間と少しでオフィス到着です。会社に荷物を置き、近くのジムでサイクルマシンを回し、シャワーを浴び、午後から仕事を始めます。
私はまた、東京に戻ってきました。