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ドラクエ3(HD-2D版)感想

ドラクエ3、ひとまずクリアしました&隠しボス10ターン撃破までやりきったので色々と感想!

ドラクエ3のリメイクとして

良い意味でも悪い意味でも古いJRPG
「昨今の洗練されたゲームのことは忘れ、今一度古典文学に浸ろう」といった気分で挑むゲームだと思いました。
ストーリーや世界観については、ほとんど解釈違いを起こさない、まごうことなきドラクエ3でした。

プレイフィールとしては、リレミトの存在意義が無くなるまでにルーラが有用になっていたり、それでもメダルおじさんの井戸は遠かったり。
ラーミアについては速度よりも自走しない点がちょっと残念でしたね。
連射コントローラーで朝まで放置してレベリングや種集めなんてのはある種のノスタルジックさを感じました。

発売前に話題になった「ルックスA,B」問題

蓋を開けるとほとんど原作どおり、女性専用装備の水着やら、女性専用性格セクシーギャルやら、セクシーギャルが商人転職する際のセクハラ発言やらも完備。
アッサラームのぱふぱふ、神竜がエッチな本をくれるシーンでは迫真のボイス付き!
モンスターバトルロードで勝利すると多数の美女が集まって称えてくれる(ランクが上がると美女が増える)

ポリコレに屈したというよりポリコレを門前で追い払ったという表現が相応しい。
どうせ彼等は文句と要求だけでゲーム買わないし、逆に中身をやらずにルックスABで叩いてくる人達も、多様性を謳ってる胡散臭い連中と変わらない。
発売前のインタビューの件もあり、開発陣の本音が、聞けて良かった。
むしろピチピチのコギャルになりたいおじいさんは多様性?

女戦士とあぶない水着のあぶなくなさはポリコレというよりレーティングのほうなのかなと。
でもやっぱりダサいもんはダサいのでレーティング対策用のデザイナーはちゃんとした人を立ててください。

ゲームバランス

散々言われているとおりまぁまぁ中々酷かったです。
3の序盤の強敵といえばスクルトで固めてくる蟹くらいでしたが、今回はそこに2回火を吹いてくる虫、序盤からやたら痛恨してくる阿呆、なんかそんなキャラでもないのに2回行動してくる奴、やたら身を守って遅延する雑魚、当然のように2回行動してくるボンクラ、1回攻撃して1回身を守る馬鹿野郎共…
ラインナップが濃すぎィ!
ゲームバランスはこわれてるほど印象が強まるので諸刃の剣といったところ、ややこわれてるほうが好き

ダメージ計算式も歴代ドラクエとちょっと違う感じのようです。
元の数字バランスだと少々物足りないと感じるのはそうですし、ドラクエ11のテイストに沿ったハチャメチャさもある程度あったほうが良いだろうというのは考えとしてはわかる。
個人的にテンションシステム以外ならなんでもいい。
クリア後の一部のデスエンカは…、デスエンカという概念自体が懐かしさをうんたらかんたら(せいいっぱいの擁護

難易度設定も雑というか、イージーモードは論外ですが、個人的にハードモードの「獲得経験値が少なくなる」を難易度にすべきじゃないんですよね。(単純に時間をかければ取り戻せる差分ってのが…)

良かったところは、属性の概念が他RPGの仕様に近くなっていたところ。(これもある意味賛否はありそう)
本作のAIはそんなに賢くないですが、それでも積極的に弱点攻撃してくれるところは攻略のヒントになってよかったです。

グラフィック

悪い点、というと「斜め移動グラが無い」「戦闘時が後ろ姿のみ」が大きいです。
特に「斜め移動グラ」はPS版ドラクエ4で導かれし者(主要キャラ)と導かれていない者(ゲストキャラ)との最大の違いだったので「あっ、3の勇者導かれていない…」ってなってしまったのは中々のがっかりポイント。
ただ、捨てたものの代わりに拘ったものも大きく、洞窟ではランタンを手に持っていたり、イベントシーンでのドット絵の動きの細かさ、敵モンスターが倒れるコマの多さなどはかなりしっかり描かれていて良かったです。
HD2Dの背景においても、「カメラを回転できない」という思い切った仕様にしたマイナス点はありますが、「常に一定の方向から見えるため、視覚的な見せ方を拘れる」という尖らせ方に繋がります。
戦闘エフェクトはギガデインが簡素かつド派手で気持ちいいです。あとはばくれつけんなんかも画面全体をボコボコ殴っていて好き。

ボイス

硬派なドラクエにボイスなどうんたかんたら…(老害
こちらもいざプレイすると声優の演技がめっっっっっっちゃ良かったですね。特に勇者の母親のイベントはどれも好き。

ぱふぱふ屋がボイス付きというのが非常に重要なポイントで、設定を変えると各言語のシーンが楽しめ、なかなか勉強になります(?)

puff-puff

日本語版ではアニメボイスでムフフな感じですが、英語版は色気のあるお姉さんの誘惑といった感じが強調されていたり…
硬派なドラクエってなんだ?

その他の拘り

ストーリーや演出面の修正点はどれもプラス要素でした。
バラモスを倒し祝杯を挙げようとした際にゾーマがラッパ兵を攻撃するシーン、SFC版だと落雷だったのですが、本作では氷魔法になっていました。
雷属性は勇者の力、ゾーマは氷の魔道士であるというイメージ付けを強化する演出だったので、とても良かったです。
オルテガの深堀りもまぁ良かったですが、先にも触れたように母親との会話シーンがどれも良かったです。
あとED後のオチもヨシ!

価格

なんやかんやあっても概ねリメイクとしては満足なのですが、最終的にやっぱり高い!という感想になります。
開発スタンスが「拘るものを絞り、捨てるものをしっかり捨てるコスト管理を徹底している」といった印象なので、強気の価格設定は疑問が浮かぶ…。
第一報からだいぶ作り直したみたいなので結局コストはかかっていたというところでしょうか。

総評

なんとなく思い出したのがドラクエ6のDSリメイク
モンスターを仲間にできなくなったという1点の要素だけで現在までクソリメイクと語り継がれているものの、実際遊んでみるとその要素以外はどれもパワーアップしていた良リメイクでした。
今作も良い点悪い点がはっきり目立つので、そういった扱いになるんじゃないかなと。

DSリメイクの5や6は、ただの移植ではなくしっかりとしたリメイク作品で、完成度が高い割に知名度が薄い印象があります。
今作はそのあたりの中堅どころのリメイク枠って感じの作りなのですが、思ったより世間に認知されている、そんな印象。

堀井雄二氏の「ドラクエをより多くの人に遊んでもらう」と「自身の性癖の譲れないところ」との葛藤みたいなのが結構出ていたのが面白かったです。
だからこのゲーム、あんまりエロくは無いんだけどなんだかすごくエッチなんですよね。

この8,000円のゲームを値段分100%遊び尽くそうと思うなら「他言語で最初から冒険する」をおすすめします。
かつて何度も遊んでいて、テキストを読まずともだいたい理解ってしまうドラクエ3だからこそ、言語教材としては最適なのではないでしょうか?

個人的には元々低めだった期待値は大きく上回って楽しめましたし、それまであまり乗り気じゃなかった1&2のリメイクも買おうと思うくらいにはモチベが上がりました!

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