天使の日、らしいね。
ねえちゃんの命日が明後日だ。
どうしよう、涙が止まらない。
可愛くて大好きなぼくのねえちゃん。決して会うことの叶わない、交わることのない時間を生きたねえちゃん。涙が、止まらない。
シスコンだと罵られてみたい。
会いたい。
大学の志望理由書。医師を志したきっかけ。
日々を必死に生きる小さな命と、その家族に寄り添いたい。詭弁だ。一番向き合いたいのは、自分自身の心なのに。
調べていくうちに、色々、新しいことがわかる。18トリソミーにも積極的治療をしてもいいんじゃない?という方針が公式のものとなったのが2004年のこと。ねえちゃんが生まれたのが2005年。このころはまだ、積極的治療を施してくれる病院は殆どなかったらしい。
しかし今も、その現状はあまり変わっていないそうだ。外科的治療はできない、と言われることも多いらしい。
ねえちゃんは、内科的治療によって3ヶ月生きた。つい考えてしまうのは、心臓の姑息術ができていれば、今の医療技術なら、姉はもっと生きられたんじゃないかということ。
もしねえちゃんが今も生きていれば、ぼくの命はきっと存在しないこと。
それでいいやと思えるほど、ぼくはねえちゃんが好きなこと。
ねぇねぇ、ねえちゃん、どうしたらいい?