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「完全自殺マニュアル」レビュー①

こんにちは、レモンです。
「完全自殺マニュアル」のレビューをしていきます。
忘れやすい為、章の区切り毎に感想を書いています。

このレビュー①は「はじめに」の章について触れています。
方法についてはまだ触れていないのでそこだけ注意してください。

「はじめに」から驚き

この本を読むにあたって小耳に挟んでいた情報から、勝手に作者さんを「この本を読んで生きろ!」的なポジティブ人間かと思っていました。

すみません、全然違いましたね。
めちゃくちゃコッチ側でした。

延々と続く同じことの繰り返し
私たちがいかに無力でどうでもよい存在で、つまり命なんか軽いこと

これらが死にたい気持ちを膨らます2要素と述べていました。

違うようで合っているようで、これは長い時間をかけて咀嚼しないといけないことのように感じました。

この本は1993年7月に初版が発行されているので、30年と大分時が経ってしまっています。

「普通に結婚して子供を持って、出世して定年退職して、余生を過ごして死ぬ」程度のことが理想的な現代に、ただ生きていたって大した意味はないと。

昨今はそれがもう手が届かないほどで、夢のまた夢のようです。
子どもはおろか、結婚まで難しくなっています。

人間の基準とされるレベルがハードになっています。
社会が形成した価値に基づいて評価され、その価値に見合わない人は見放され、また自分で自分を評価し自分を見放します。

2024年現在は後者が多いと感じます。

完璧主義者といえば聞こえは悪いですが、そうせざるを得ない世の中なので仕方ないのではと。世間が完璧を求めているように感じるのです。

特にSNSが発達してから、”上”の人の存在が公になりました。
頭が良い人、成功している人、お金をたくさん持っている人・・・

それらが基準を底上げしているのではないかと考えたりもします。

生き方・死に方

私は常々、サバンナや海のような弱肉強食の純粋な自然の摂理の中で生きたいと思っていて、人間は相反していると感じます。

今を精一杯生きる、生きている意味なんて考える暇もなく一生懸命に。
食って食われて、そこに後悔や罪悪感なんてなくて、ただ生物の循環のなかでいち生命として生きる。

幸せそうだなと感じてしまいます。

見放されたあげく死にたいと嘆くと、死ぬな・生きろと返される。
せめてそこも見放してくれよとため息が出ます。

そんな中、この本は「自殺はとてもポジティブな行為だ」と述べていたことがとても衝撃的でした。

そんなことを言った人は聞いたことがなかったです。
例えることのできない、だけれども良い気持ちになりました。
死にたいという気持ちをちゃんと肯定してくれたような。

この言葉はこの本の魅力だと思います。
この言葉を読んだだけで、この本を手にする価値はあったと思いました。

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