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【番外編】 ピッツバーグ旅行記、 フランクロイドライトの建築巡り。
番外編と題しまして、4月の中旬、金・土・日と三日で訪れたペンシルベニア州の旅行記です。私は食のみならず、建築やデザインにも興味があります(大学院では美術系の専攻でした)。訪れる地に名建築があれば必ず足を運びまして、今回の旅行も大きな目的はフランク・ロイド・ライトの建築を巡ることでした。
1日目: 米東海岸屈指のコーヒーを堪能する
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1日目はニューヨーク → 旦那の両親宅のあるワシントンD.C.近郊に向かう途中、ペンシルベニアのランカスターという街に寄って「Passenger Coffee(パッセンジャーコーヒー)」を訪れました。アメリカでトップクラスと称される店の一杯を堪能し大満足。詳細はこちらの記事と動画もぜひご覧ください。
2日目:ピッツバーグ観光
ワシントンDC近郊から約4時間の運転を経てピッツバーグに到着。かつて「鉄の都」と呼ばれたピッツバーグはアメリカの鉄鋼業を牽引し、工業都市として栄えたのは過ぎし日の話。現在は特に目立った名所もなく正直パッとしない様子です。
カフェタイム
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着いたらまずは一服。カフェ「De Fer」ではケメックスを頼んだのに何故か普通のサーバーに入ってきたので店員に理由を伺うと「実際はケメックスで淹れているが、客に割られるのが嫌でこっちに移して出している」との説明が。我々は納得がいかない(面倒な客)。ケメックスあってのコーヒータイムなのに、君たち田舎者は何もわかっとらんのう。上々の滑り出しです。
アンディ・ウォーホル美術館
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ピッツバーグが誇るアンディ・ウォーホル美術館も見応えはいまひとつ。各階が年代別に分かれていて回顧展のような展示でしたが、同じような作品はMoMAに行けばいつでも見れるよな・・・と思ったのが正直な感想です。
個人的に一番面白かったのはアーカイブルームに展示されているアンディの私物でした。彼自体が作品なんだから、その謎に包まれた人生を紐解くようなものをたくさん見せて欲しかったなあ。まあ、一回行けば十分だと思いました。
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無人ホテルにチェックイン
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この日はあいにくの雨で街歩きもできず「The Maverick」という宿に早々チェックイン。暇を持て余した一行はワイン片手にゴロゴロ、部屋の小さいテレビでミッドナイトインパリの上映会まで始まる始末。
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旧エースホテルだった当館は現在無人営業のハコになっており、がらんと人影もない無音の空間はかなり薄気味悪かったです。エース撤退が色々と物語っているピッツバーグ、良くも悪くも予想通りといったところ。
「APTEKA」でのディナー
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今宵のトリを飾るのは、レストラン「APTEKA(アプテカ)」でのディナー。オールヴィーガンの創作ポーランド料理は素晴らしく、お料理のレベルの高さと独創性に感服しました。詳細はこちらの記事でぜひどうぞ。
3日目:フランクロイドライトの建築巡り
最終日はピッツバーグ中心から車で1時間の人里離れた山間に建つフランク・ロイド・ライト設計の名建築「落水荘」と「ケンタック・ノブ」(両者間の距離は車で10分程度)を訪れました。
ドライブ前にホテル付近のホールフーズで朝ごはんと昼食を調達。ホールフーズのサラダバーを活用するのはアメリカ旅行のマイ裏ワザです。食事に困ったらぜひお試しを。
落水荘 (フォーリングウォーター)
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言わずと知れた落水荘(Fallingwater)は、文字通り水が落ちて流れる場所に立つ家。訪問人数も多く、同じツアーのグループには欧州から来ている家族もいました。さすがはユネスコ世界遺産。
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ある空間では意図的に天井を低くして圧迫感を与え、そこから視線を外に促したりと視覚的・感覚的に巧みに計算された名建築です。天井の低いリビングルームには座布団のような低い椅子も。これは我が家にも欲しいなあ。
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建築の依頼人・持ち主であったカウフマン一家は、かつてピッツバーグの有名百貨店を経営していた大富豪で、家の中にはディエゴ・リベラやピカソの絵画もありました。
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対岸から眺める、滝の上にそびえたつ建築は圧巻です。生涯のうちに一度は拝む価値のある眺望の一つ。
ケンタック・ノブ
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一方、ユソニアンハウスのケンタック・ノブ (Kentuck Knob)はもっと生活感があって、私はこちらの方が好きでした。外観こそ地味だし謎に窮屈な部屋もありますが、家具・調度品の素晴らしいこと。ため息の出るほど美しい年季の入ったアアルト41アームチェア、帝国ホテルの椅子など、美術館級のミッドセンチュリー家具に私の目はクラクラ。残念ながら内部の撮影は禁止です。知っていればスケッチブックを持ってきたのに・・・
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また、ガイドの女性が素晴らしいストーリーテラーで、最初のオーナーのハーゲン一家とライトのやりとりに関する小話が面白く、キッチンにこだわりがあったハーゲン夫人には思わず親近感を感じました。
実用性を重視したキッチンには美しいヴィンテージのオーブンと、なんと折り畳み式の電気コンロが。使い終わったら壁に向けてパタンと閉じることができる代物です。私は思わず興奮して「ヒェー!なんですかこれは!」と鼻息荒くガイドの方に伺うと「素晴らしいでしょ!?でも当時は高額で誰も買う人がおらず、生産中止になってしまったんですよ」とのこと。いや、現代の住居に必要なのはまさにこんな発明品でしょう。再販を切望します。
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ケンタック・ノブからの見晴らしは牧歌的で、どこか懐かしい気持ちになりました。広大な敷地には現オーナー(英人の富豪)が有する彫刻が点在し、ベルリンの壁の一部やアンディ・ゴールズワージーなどの作品がありました。
建築&旅の様子は動画にもしていますので、ご興味があればぜひ。
今回は趣向を変えての旅行記になりましたが、今後も食べ物以外の話も少し織り交ぜて発信しようと思いますので、引き続き宜しくお願いいたします。
それでは次回。