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虫ダメなんですってば!
あらわれた!!
私の仕事スペースに、気がついたら居たんです。
ハエより大きくてカブトムシより小さい、平たくて脚が長めの虫が!
毒はない。多分。刺したり噛んだりもしない。多分。
でもこのまま放置して鍵をかけて帰ったら、次の日も遭遇してしまう。どうしよう!!
廊下に出たら、ちょうど用務員の男性が掃除をしてくださっていて。
私「お、お疲れ様ですっ!」
男性「ああ、お疲れ様」
私「あの、あのですねっ! 部屋に虫がいて、ものすごく大きくて!! 私、さささささわっ、さわれなっ!!」
話盛ってるし、どもってるし、どういうキャラだよ。
用務員の男性は華麗にその虫を捕まえてくださって、コガネムシだね、と教えてくださり、外へ逃がしてくださいました……!
ありがとうございますありがとうございます!!
もう何度もお礼を言って、私この世に一人じゃなくて良かった! と心から思いました。
だってコガネムシって虫でしょ。リータ・スキーターが変身した姿じゃないんでしょ。虫を触るくらいなら中傷記事を書かれたほうがマシかもしれないと思うくらい、私は虫が苦手なんです。
成長とともに苦手になった
最初は触れたんですよ、虫。
バッタを手の上に乗せたり、多分コガネムシくらいならティッシュで持てたと思う。
カタツムリ(虫ではない)と蝶は早い段階で苦手だったけど、小学校の六年間であれよあれよという間に虫という虫、それだけじゃない、生きた貝とかザリガニとか、生き物の多くが苦手になってしまった。
いろいろ経験するじゃないですか。セミの死骸を片付けようとしたらまだ生きていて飛びかかられたり。部屋の中にトンボが飛び込んできて暴れ回ったり。外を歩くとなぜか自分のところにだけハチが寄ってきたり。
さらに小学校では、虫を捕まえて飼わなければならないイベントが頻繁に発生する。青虫をケースに入れてレタスをあげて、最初はいいけどだんだん大きくなると既に怖くて、恐る恐るケースの中を掃除して、またレタスをあげて、
でもその甲斐もなく死んでしまって、その死骸をどうしたらいいのかもわからなくて。
小学校の理科の単元が、生物系から化学系に移った時は安堵で齧り付くように教科書を読んだものよ。
いや理科は好きだから、実物を触らなくていいなら虫やカエルやヘビや人体構造も大喜びで勉強するんだけどね。
非難の嵐だった日々
中傷記事のほうがマシなんて言っておきながら、やっぱり言葉の暴力はきつい。
一年生の時、すでに蝶やカタツムリが苦手だった私を、同じ下校班の女の子たちが結託して排除しました。
「こんなにかわいい生き物がこわいなんておかしい」
「お前は仲間じゃない」
「触れるようになったら許してあげる」
ひえー! なんでこんなに厳しいのよ。でも小学生女子って厳しいよねわかる。
その下校班は私とその女の子たち三人だけだった。蝶やカタツムリを顔にくっつけられ、克服しろと迫られ、泣いたら「泣きやめ」と怒られ、もう逃げ場がなかった。
きっかけがそれだったのかはわからないけど、他にもちょくちょく怖いことを言われました。
お前の家は甘やかしすぎだからもっと厳しくしろとか。
罰としてお前は今日一日誰とも喋ったらいけないとか。
結局自分一人ではどうしようもなくて、虫のことも含めて親に相談して、先生から注意してもらい、その女の子たち一人一人からも謝ってもらい、家にもたくさん謝罪の電話が来て、あっ私もしかして騒ぎすぎちゃったかな? という気持ちにもなったりして。
女の子たちとはなんだかんだで和解して、ずっと後になってわかったのは、みんなも虫が苦手だったということ。
なんだそりゃ!!
後年、これより五百倍エグいいじめにも遭ったので、この時のことはもう笑い話になっているのですが。
助けてくれる人に感謝
そんなこともあって、虫が触れない私を責めずに助けてくださった用務員のかたには本当に頭が上がらない! 感謝です。
いつも助けてくれる家族にも、いつだったか飛び回る虫を捕まえてくれた男の子にも、あの時助けてくれた先生にも、謝ってくれた子たちにも、結局は感謝なのでした。
ちなみに私、時々覚醒する時があって、周りに自分より強い人がたくさんいて安心できる状態だと、新聞紙や棒を狂ったように振り回して虫を叩きのめし、自力で捨てることができたりします。
でも一人だと覚醒状態にならないので、将来一人で暮らさなきゃいけなくなったら真っ先に直面する問題だと思います。
その前に克服できたらいいのですが、果たしてできるのでしょうか。