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無題、あるいは古着に合うヴィンテージの時計探しについて

すこし前に買った腕時計のお話です。

わたしは家にいることが多く、腕時計が必要になる場面というのがほとんどありません。仕事として大学で講義をしているのでそのときだけは必須であるものの、所属先にはチャイムなどがないため開始や終了の時間管理はじぶんでしなければならず、精度の高い電波時計でなければちょっと心配です。したがって機械式時計は好きでしばしばみていたもののほとんど縁はありませんでした。

けれどもあるときから、公私ともにだいたいにおいて古着で過ごしているので、古着に合うヴィンテージの時計が欲しいなとおもうようになってきました。あれこれみるなかで IWC との一騎打ちを制した OMEGA の CONSTELLATION に絞り、50sの十二角と60sのCラインのはざまのモデルであるこちらに決めました。

1962年の CONSTELLATION です。

主張が強過ぎない、そして秋に着るフランス軍のM35に合うという条件でしっくりときたのがこちらでした。わかりやすく通称のあるモデルではなくてもさりげなく特徴があります。かくんと折れた猫足ラグ、文字盤の3時9時と6時12時を結ぶクロスラインがとてもよいです。とくに猫足を気に入り、ある時点からは猫足縛りで探していました。かわいくて品があります。

また文字盤自体もフラットではなく中央がぷっくり膨らんだような形、浅いフライパンをひっくり返したような形をしています。ちょうど十二角のパイパンの角をとって円くしたようであり、よくみるとなんとも味があってよいです。

OMEGA の最上位機種と謳われるだけあっていまのところは精度もよく快調です。さすがクロノメーター規格、オーバーホールのおかげで日差は数秒程度のプラスにとどまり、これならば仕事にも支障はなさそうです。”CONSTELLATION” は「星座」の意であり、裏蓋に天文台が刻印されています。わたしのもともとの本職は宮沢賢治の研究であるため、これらにもちょっとぐっときたりします。水沢緯度観測所みがあるじゃん、とテンションが微上昇しました。

純正の尾錠が付いてはいるもののベルトはあまり好みではないので、近く ACCURATE FORM のものに着せ替えるつもりでいます。古着に合うヴィンテージ感の強いベルトをいくつか選んでいるところです。


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