尺沢
中焦から脾の運化作用を受けて天に昇ってきた地の気は、呼吸を通して天の
気と混じりあったあと、肺の経絡上を胸のあたりから脇へ上腕を下りながら
雨が降るように、川の流れのように上肢の末端へ向かう途中、肘のあたりで
「尺沢」というツボが現れる。
「尺」は説文解字では十寸也とあって前腕のこと、肘から手関節までをいう
のだろう。沢は澤で説文解字では光潤也とある。古字は㚖で大白、澤也とあ
る。肘関節のあたりは汗で光ったり湿っていたり、また日に焼けにくく、少
し観察すると白い皮膚の下に青い静脈が伺える場所だ。また白は肺をあらわ
すので、ここで肺の乾燥や潤い具合がわかるかもしれない。白は明白、明ら
かになるととれば、上腕動脈の拍動が感じ取れたりもする。また肺経のツボ
としては大きいツボともいえる。
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