からだがだるいのは 〇〇かもしれない。
あー疲れた、疲れたどっこらしょ
と
口癖になっている患者さんがいらっしゃる
もちろん症状の訴えとして疲労をあげられる。
血液検査や尿検査などでもこれといった異常はみあたらない。
だからといって良い状態だともいえない
東洋医学では気、血、水といって
流れるからだのイメージをもっていて
その巡りを良くすることを
とても大切にしている。
気とか
曖昧すぎて苦手な方には、伝統医学は
人間のからだを
動的で生理学的な側面、今、リアルタイムで
動いている状態をつかまえようとしてきた
歴史があることを説明したりする。
気・血・水というタームを使って
東洋医学なりの
血圧測定や血液検査のような事を行なっているのだ。
寺澤捷年さんの「和漢診療学」に良い説明が記されている。
病気をABCDの4群にわけると
今日の医学研究は「治らず、死んでしまう」
病気D群(転移のある悪性腫瘍など)を何とかして治せるようにしようと挑戦しているという。
その結果少しずつ
「そのまま放置すると死に至るが治す方法がある」A群(早期胃がんなど)に入っていくようにしているとある。
「不調が起こっているが自然経過で治るB群(感冒や軽い打撲)は良いとして
問題は
「死ぬことはないが不調で生活の質が悪い」C群が置き去りにされていると寺澤さんは述べる。
そこでは、漢方的な身体、疾病観が威力を発揮するのだという。
鍼灸院では検査では異常はないが不調を訴える人と毎日接しているのでよくよくわかる話だ。
冷え性や慢性痛、更年期、など原因のはっきりしない不定愁訴を西洋医学はやや苦手とする。
一方で
東洋医学では総合的に
流れるからだの巡りを良くすればよい、と
かんがえる。
流れるからだには3つあって
気と血と水だ。
なかでも、からだがだるいというのは
気が不足している「気虚」という見立てをする。
補中益気湯や六君子湯、人参湯、小建中湯を脈やお腹の状態をみながら処方されたりする。
ツボでいうと「脾胃」を良くする中かんや、足の三里にお灸をしたり、胃腸や消化機能の建て直しをかんがえたりする。
異常なしで終わらず、そこからもう一歩踏み込む。
日常生活の質をあげる可能性を探る
豊かな問答へと
患者さんを誘うことができるのは
東洋医学の強みだろう。