【音楽ジャンル】ウクライナの現行Indie Rock/Post-Punk
ウクライナのバンドやソロで活動しているミュージシャンの中でも、この2,3年で音源を発表し始めた若い世代を中心に紹介する記事です。
特にインディロック的な人達は下記のウクライナ国内のレーベルのオムニバスアルバムから知りました。
элек///чество
Электричество №1 (2021)
electricity
Ukrainian Indie for Independence (2022)
Ukrainian Indie for Independence pt.|| (2023)
SadSvit (Indie Rock/Post-Punk)
今のウクライナのインディロックと言えばこの人と言っていいかも。
2004年生まれらしいです。若い!
他のミュージシャンとのコラボやゲスト参加の曲も多い人ですが、女性ボーカルのСТРУКТУРА ЩАСТЯが参加したСилуети という曲はウクライナのSpotify再生チャートでもずっと上位にいてYouTubeでも飛び抜けて再生数が多いので何処かでバズってるのかな。
Bandcamp linktree
Vasily Richter (Indie Rock)
どちらが本名義か分からないけどріхтерという名前でも活動してますね。
ソロの人ですが楽曲もアレンジもクオリティが高い。
MVは2023年の4月に出たアルバムからのリードトラック。
Bandcamp HP
BaWN (Post-Punk)
ソロの人です。
こちらは女性ボーカルのsucilna_nevdacha.exeが参加した曲。
メランコリーをテーマにした曲が多いと思うのですがゲストボーカルのお陰で世界観に奥行きが出て、憂鬱のその先の物語を感じられてこれまでで一番いいかも。
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bankihoi (Post-Punk)
他の曲はDoomer music的な暗くメランコリックな曲調ですが、この曲はテンポ速めでロック色のある曲。
ちなみにHate Optimistsとのコラボ曲Насолоджуйсяは再生数の桁が違ってかなり人気のある曲。
単独曲は数曲発表してるだけでアルバムはまだですが今後どうなって行くか気になります。
Spotify Apple Music
ДК Енергетик (Post-Punk)
初音源が2023年の2月で、それからかなりハイペースでリリースしています。
テンポが遅めで美麗なギターリフやエモいボーカルラインではない音楽性だと地味な印象に成りがちですが、このバンドはじっくり盛り上げていくのが上手くてクオリティも高い。特にこの曲は良いですね。
↓は初音源のЕнергетикを演奏している ライブ動画。
ДК Енергетик - Енергетик (Live 12.05.23 Kyiv Mezzanine)
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Квартира номер 6 (Post-Punk/Coldwave)
初音源は2022年末のソロの人。
最初の音源は初期のNürnbergやMolchat Domaの1stの頃のローファイな音にJoy Division味を足した感じでしたが、その後の音源からはSovietwave直系な要素を踏まえつつ美麗なギターリフを浮き出させた楽曲で個性が出てきていいですね。
Bandcamp
headachee (Indie Rock/Shoegazer)
シューゲイザー/ドリームポップの色があるバンド。そんなリヴァーブを効かしてる訳ではないのでUSインディとか日本のバンドのきのこ帝国が好きな人も気に入りそうかなと思います。
レーベルのBandcamp
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Скажи щось погане (Garage Rock/Alternative Rock)
Ba./Vo.男子とDr.女子のデュオ。
少しアクセントに入るシンセの音もセンスが良い。
大きなフェスでも盛り上がりそうな音なので、国外のレーベルからフィジカルが出るような展開があるといいなと思っています。
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TV Dead (Noise Rock)
Ba.とDr.のtwo-piece band
2000年代のガレージロックリバイバルというかdeath from above 1979やa place to bury strangersを連想したりする音。
Bandcamp Spotify
завірюга (Egg Punk)
Egg Punkは米国発のサブジャンルですが、
ウクライナにもやってる人がいたんだ。
Egg Punkの中でもローファイでガシャガシャした感じが個性でパンクロックとしてもツボをちゃんと押さえてる。
※Egg Punkは、DEVOの様に軽快もしくは躁状態のようなテンションのナードな感触もあるパンクロック/ハードコアパンクで
シンセパンクに感触は近いけどシンセパートの有無はバンド毎に様々。
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Gentle Ropes (Darkwave)
出身はウクライナではなくエストニアなのかな? この名前でウクライナで音楽活動を初めて今はエストニアに拠点を移しているソロの人。
ベラルーシのNürnbergの音源のリミックスで知ってる人も多いかも。2017年から活動してるそうなのでこの記事の他の人達より一世代上の人かな。
基本的にGothic Rockの人だと思うますが、泥くさくなり過ぎずロマンティックな色味があってバランスが良いです。
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Misery Eden
そしてエストニアでDeath Rock/Dark Punk系のバンドを始めていて音源もリリースされました。
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Hans Helwinden (Darkwave)
初音源は2021年のようですが詳しい経歴など書いてないのでドイツ語ぽい名前の由来など不明。
シンセ主体ですが、今のトレンドのDarkwaveとは違うけどGothic Rockのこってり感がありますが、↑のYouTubeの曲は少し違った冷たさがあります。
Stratimという名義でDark Ambient系の活動も行っている様です。
Bandcamp Spotify
grotta (Darkwave)
スキンヘッドがかっこいい。
配信からは殆どの曲が非公開になってるのですが、Bandcampでダウンロード出来ます。
シンセの音も重めですがドラマを感じる楽曲でDepeche Modeをスクリューさせたような趣があります。昔はGoth方面でこういった傾向の音の人達は居た気がしますが今は貴重かなと思います。
Instagramを見ると同じくウクライナのポストパンクPost-Punkバンドのcorn waveのメンバーも参加する形になっているようです。
Bandcamp
並行して全然音楽性が違うemo/Indie Rock系のバンドにギタリストとして参加してるみたい。
Re-read
анастимоза (Synth Pop)
数曲しかリリースされていませんが、どれもミニマルなシンセとこの地方の民俗音楽ぽさを感じるボーカルの絡みが良くてハズレ無しです。
80年代のシンセ大好きで拘ってるとかいう訳ではなさそうなのに、バキバキしたSynthwaveやハイパーポップやAlt R&Bぽい方面に全然行く気配がないのは珍しい。
Synth PopやSynthwave系の人はだんだんフロア対応した音圧になっていくパターンがありますが、シンセの音の線の細さと音数の少なさが良い個性になってると思うのでこの路線のままでいて欲しいです。
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WISE (Post-Punk)
たぶん1人で活動してる人。
まだ活動初めて2曲目だけど、切ない曲調で全体的なクオリティも高い。
プロフィールに添えられた言葉が良いな。
今後も楽しみです。
過去の記事でもPost-PunkやSynthwaveを忠臣にウクライナのバンドやミュージシャンを紹介していますが
勿論、まだまだ沢山います。
ソ連時代、もしくは90年代の旧ソ連諸国のPost-Punkやavant-garde系の音楽の記事です。