持って行ったものしか持って帰ってこられない
旅行が好きです。旅行というか、旅が好きです。観光地を巡るよりも、その地域の文化に触れるような旅が好きです。
地元の人が集まるような街中のダイナーに行ったり、路地裏を歩いてみたり、市場があれば行ってみたり。そんな感じでうろうろしています。
旅の目的はいつも『興味を持ったその土地の空気に触れたい』というもので、そうして好奇心で訪れた土地はたくさんあります。
旅の目的は人それぞれ。見聞を広げたいとか、人生の転機を探したいとか、そういう目的で旅に出る人も多いと思います。だけど、わたしが本当に心から実感しているのは、『旅では、持って行ったのものしか持って帰ることはできない。』という言葉なのです。
見聞を広げるためには、受け取れる大きな器が必要です。小さい器しかなかったら、どんなに素晴らしいことが起きようとそこから溢れてしまって手元には残りません。同様に、間口が小さい器でも受け取る量には限界があります。
だから、旅に出る前に器を広げておくことが大切なのではないかなぁと思います。旅先で出会った様々なもの、びっくりするような出来事、人々の笑顔や会話などを楽しんで、それをそっと持って帰るには、そのための器が必要です。器が大きければ大きいほど楽しめるし、たくさんの宝物のような瞬間を集めることができます。
普段の日常生活から心がけておくことで、旅に出たときにたくさんのものを持って帰ることができるはず。失敗したり転んだり、たくさんたくさん経験して、それでも大丈夫だというのを知っていれば、旅先でも自分の足と目と感覚で、たくさんのものをつかめるのではないかと思います。