思いもよらない自分の行動

愛猫の呼吸が止まった。


私が抱っこするのを待ってたんだな。
安心して腕の中で逝ったんだな。

そう思いながら、

彼女はもう十分頑張った、と
この数日思っていたのに、

私が次の瞬間にとったのは
名前を呼び、
『頑張って! 息をして!』と体を揺さぶって懇願し
『わーーーっ!』と遺体に縋り付いて

(本当にわーーっ!って言いました。
はじめて言ったな、と
自分でもこんなことをするとは思いませんでした。)

でも、すぐ我に帰って
耳がまだ聞こえているかもしれないから

『大好きだよ。』と『ありがとう。』

を一生懸命耳元で伝えました。

そして昔の母親の行動を思い出し、

キラキラの生きてる時と全く変わらない
キレイなお目目の瞼を
両手の指で閉じるように抑えながら、

顔は壁の時計を見て
今の時間を覚えておかなきゃ、と思っていました。

しばらく瞼を押さえて愛猫の目が閉じた後
帰宅途中で電車の中であろう夫に
『さっき亡くなりました』とメールを送りました。


亡骸の毛皮をなでながら、
『もうすぐ父さんが帰ってくるからね』と
話かけました。


帰ってきた夫も
愛猫のおでこを撫でながら
『今までよく頑張ったね。』
と言いました。

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