見出し画像

集中できる事。

娘がプリスクールに通い始めたころ、私は30代も半ばにして州のライセンスを取得しました。エステティシャンライセンスです。

これを取得する事により、まつ毛エクステの施術が可能になります。また、フェイシャルや脱毛、アートメイクの施術など、美容に関する仕事に就くことができます。600時間美容学校に通い、州の実施する試験に合格をすると初めて資格を取得できます。

他にはネイルテクニシャンはネイルライセンスを、髪・爪・美容すべて扱うことができる美容師はコスメトロジーライセンスを取得する必要があります。マッサージセラピストはマッサージのライセンス、などなど逆にこれらの資格を取得せず施術をしている人がいれば違法となり罰せられます。(※それぞれの州によって時間など異なります)

私がこのライセンスを取得した理由は、Lash Artist(まつ毛エクステを施術する人)になりたいと思ったからです。

ダイエットやフェイシャルに通って効果が出るのにはある程度の時間がかかります。その点、エクステは数時間後には見違えるほどに目元が美しくなって、施術後目を開けて鏡を見たお客さんの『わー♡嬉しい』という顔を見るのが嬉しくて、誰かの役に立っている充実感を与えてくれます。

また、目元のデザインにもたくさんの選択肢があり、長さ、形、スタイルをこれも良かったけど、あれも挑戦してみない?と毎回お客さんと一緒に探って、自分の1番好きなスタイルを見つけるという共同作業のやりとりも、私のやりがいに繋がっています。

そんな私がほぼ毎日かかさずにやっている習慣は、というと、練習です。

楽しくて楽しくて仕方がないです。1度たりとも嫌だな、と思ったことはありません。3年4年近く経ちますが、1日のうちで必ず30分~1時間は時間を作るようにして、練習作業に没頭します。
日本に1か月一時帰国をした時なども、道具を一式飛行機で持参し、実家で練習をしています。

料理も洗濯も掃除も、家事一般にやりがいを感じたことは1度たりともないのですが(笑)、このマツエク施術の練習だけは完全に毎日の習慣になりました。

子供や夫にイライラしてしまう時も、なんとなく心がもやもやする時も、忙しすぎて余裕のない時も、1本1本のまつ毛にエクステンションを足していく、というこの単純作業が私を無にしくれます。

その間は、すべての事を忘れる事ができ、目の前の練習に集中するのみです。毎日同じ作業を繰り返していても、新たな発見や課題に直面するので不思議です。

次はもっと上手にできるはず、ここはもっとこうした方が良かった、などと施術のたびに毎回これで完璧だ!と満足する事ができない点もとても楽しいです。完全なオタク気質ですね。

けれど、自分への追求と同時に、やはりお金を頂いて施術させてもらっているからにはその時自分ができる最大限の事をやりきりたい、という思いがあるので、その結果が技術としてお客さんへお返しできれば嬉しいです。

私は勉強が全く好きではなかったのに、がっつり勉強漬けの進学校に通っていました。おそらく今の風潮とは違い、とにかくいい学校へ、いい大学へ、と周りに流され過ごしてきた1人です。

昔から手先を動かすことが好きだったけれど、それを仕事にしたいだなんて考えたこともなかったし、同級生もとりあえず勉強していい大学を出よう、という子が多かった気がします。(そんな環境に身を置きながらも、勉強をしなかったのですが。笑)

遅いけれど、30代半ばにしてようやくこれだ!というものに出会えたことはラッキーでした。ゲームと本は何時間でも集中できる息子と、絵を描くこととモノづくりが大好きな娘。
自分の子供たちにも、好きなことをとことん伸ばしてあげたいな、と思う一方、日本より学歴社会なアメリカで、果たしてどこまで子供の意見を尊重できるのか、親として試されそうです。
とりあえず、子供の勉強に関しては我が家はすべて夫におまかせなので、彼の遺伝子が引き継がれていることを祈ります(笑)。 

勉強が大切な理由は、いい点数を取るかどうか、みんなより優れているかではなく、将来困難にぶつかっても自分で問題を解決する力を養うためだ、と夫は言います。

難しい数学問題から逃げていた、諦めていたあの日の私に教えてあげたいです。(笑)

分からないものをあやふやにせず、その場で解決する旦那さんを見ていて、私には足りない大切なスキルだなと思うので、子供たちも是非夫から学んで欲しいし、それプラス人生がより豊かになるため、自分が好きで集中できるものを見つけてくれたら嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?