35mmカメラは突然降ってくる? CONTAX RTSを使い始めた話
・気がつけばもう6月!
・写真展は6月9日(日)まで開催です!お待ちしてます!!
・そして今回は珍しくローライの話でもなければ登山の話でもありません。
・つい最近突然に使うことになったCONTAX RTSの話です。
35mmのフィルムカメラって意外と使う機会がありそうで無かった
・35mmのフィルムカメラって多分3年くらい前からあんまり出番がなくなり、ほとんどの写真をブローニー(6×6)サイズでしか撮っていませんでした。
・多分ローライとの相性が良すぎるのと自分が6×6の写り方が気に入っているんだと思います。
・とはいうものの年に何回も35mmのフィルムで撮りたい場面は出てきます。
・写真展のテーマ的に35mmフィルムじゃないとできないーだとかローライが調子悪くて修理に出してるーだとかです。
・相変わらずそんな場面が去年もあったのですが、普段35mmのカメラで愛用していたフォクトレンダーのプロミネントのボディー側が調子が悪くなり、シャッターが開かなくなってしまいました。
・最近売られている復刻版とかじゃないオリジナルのNokton 50/1.5の写りも気に入っており、もはやこのレンズのために使うカメラですね。
・とはいうものの気軽にスナップとか散歩に使うカメラっていう域からは自分の中では脱していなくて、
・自分の中に作品とか展示のテーマがあってそれを追求してみたい時
・条件揃えてフィルムの比較や現像の処理方法の比較をしたい時
・何時間も歩き回って写真撮りたい時
っていう点だと精度や耐久性のあたりを考えるとちょっと頼りないところがありました。
・そんなわけで去年ごろからメインで使える35mmのフィルムカメラが欲しいなあって思っていました。
今年の夏こそは買おうかと思ってた
・今年こそは!と思って7月くらいに自分の中で最適解な35mmのフィルムカメラを買っておこうと思っていて、頭の中には候補のカメラが2台挙がっていました。
・その2台の候補が「Nikon F3」か京セラ(ヤシカ)の「CONTAX RTS」です。
・Nikon F3は余りにも有名なフィルムカメラなので読者の方もご存知な方は多いんじゃないかなと思います。
・Nikonのフィルム時代のフラッグシップの3代目のモデルですね。
・1980年から2000年までの20年間生産され、F3の後のフラッグシップ機のF4とF5の発売中にも併売が続いていたベストセラー機です。
・ちなみにNikon F3な理由は単縦に精度と耐久性的に信頼がおけるからです。
・CONTAX RTSな理由はCarl Zeissのレンズが使えるっていう点と前からY/Cマウントのレンズのラインナップの中で使ってみたいレンズが何本もあったからです。
・さっきからCONTAXってずっと言っていますが、製造メーカーはヤシカ、1975年の経営破綻の後に1983年に京セラに吸収合併されて京セラの光学事業部になりました。
・CONTAX RTSはヤシカとCarl Zeissの提携によって登場した最初のカメラです。CONTAXブランドのカメラでは最初のフラッグシップ機でした。
・レンズ専業のメーカーとなったCarl Zeissは自社の持つレンズの性能を発揮できるボディを作ることのできるメーカーを探しており、当時は普及機がメインで高級機の路線を開拓したかった日本のヤシカと提携する道を選びました。
・ちなみにRTSっていうのはReal Time Systemの略でボディーのデザインはポルシェ・デザイングループが行いました。
・登場は1972年なのでヤシカ時代のものになりますね。
・候補に挙がっていた2台のカメラは、どちらも昔持っていたけどあまりフィルムを通さずに手放してしまったカメラだったりもします。
・2013年ごろにちょうどディジタルカメラのメインにCanon 5D Mark IIを使っており、その時はずっと常用レンズにマウントアダプターを付けたY/CマウントのPlanar 50mm f1.4(AEJ)でした。
・こちらはその時の貴重なツイート
・今でも仲良くしてもらっている人が全く同じ構成で使っていたので自分もいつかしてみたいなと思い、ちょうど高校2年生の終わり頃にEOS 5D Mark IIの中古を買うとともに真っ先にPlanar 50mm f1.4を買ってこの組み合わせにしました。
・フィルムでも使ってみたいなと思い、この時にCONTAX RTSも買っていたのですが、結局使わずに終わってしまいました。
・でもなぜかレンズに付けていたイカつい純正ゼラチンフィルターホルダーと純正メタルフードは今でも持っていました。
CONTAXの欠点・・・?
・そんなこともあり、ずっとNikon F3とCONTAX RTSで状態が良さそうなものがないかを探していました。
・RTSを買った当時は全く気にしていなかったのですが、最近調べてると京セラ製のCONTAXのボディーには持病のミラーズレという現象があるのを今更知りました。
・CONTAX RTSはもちろん一眼レフ機なのでボディーの中にはミラーが付いています。
・CONTAXの場合はミラーの部分が両面テープのような接着剤で止められているようです。
・ミラーズレとは、そのミラー部分が経年劣化により接着部分の接着力が低下していき、シャッターが切れる時にミラーが上に跳ね上がる時の遠心力でミラー部分がどんどんレンズ側にズレていってしまう現象です。
・信頼がおける場所で整備済みのものを購入できればミラーも位置修正されて、ズレにくくなっているものもあると思っていたのですが、条件に合うような状態の良さそうなRTSやRTS IIは探してみてもなかなか見つかりませんでした。
・RTS IIIとかどうなの?って思うかもしれないのですが、RTS IIIは自動巻き上げ機構が付いています。フィルムが自動巻き上げのカメラはフィルムの送り量の検知に赤外線が使われていたりするケースがあります。
・去年くらいから自分のnote見て頂いている方ならわかるかもしれないですが、赤外線フィルムを使う写真展に向けて作品を作ったりする都合上、メインで使う35mmのカメラとブローニーのカメラは手動巻き上げのカメラを選びたくて、RTS IIIは外れてしまいました。
・RTS IIIにしかない圧板のバキューム機構でフィルムを吸い付けてフィルムの平面性を出す機構とか魅力的なのですが・・・
おもむろに防湿庫の整理をしていると
・そんなわけでCONTAX RTSはミラーズレの心配もあったので、Carl Zeissのレンズの魅力には惹かれつつも信頼性というところでちょっと心配な所と良いものが見つからないということもあり、Nikon F3にするぞって気分になっていました。
・そう思った日の夜のこと、大学の課題で使っていたディジタル機を防湿庫の中に片付けようと思ったついでに全然手をつけていなかった段の整理をしようと中身を取り出していたら・・・
・なんと10年以上前に買って、学生時代に手放したと思っていたRTSが出てきました!
・引越しの時の記憶もないから完全に忘れていたのかも知れない・・・
・貼り革がボロボロだけどシャッターを切ってみたら電池の残量があって、回路も生きているようでシャッターも問題なく切れてしまいました。
・そして肝心のミラーズレは・・・?
・ミラーズレも起きてない!なんなら中のモルト(スポンジっぽい部分)がボロボロに劣化してなくて、めっちゃ綺麗な状態で残ってる。
・フィルム室側のモルトも綺麗だったからモルト交換済みの個体を買っていたのかもしれません。ボディーだけ買ってレンズも付けず、フィルムも入れずで保管していたためか、ミラーズレも起こさず、モルトも劣化せずにいてくれました。
・そして貼り革だけは張り替えたいなあと思っているとこんなものを発見しました。
・ちゃんとカット済みで革を売ってくれているお店が!
・すぐに注文し、新しい革が貼れるように古い革を剥がして、残った接着剤を剥がしていきます。
・RTSは金属のボディーですが、革とボディーの間には薄い金属板が接着剤というか大きい両面テープみたいなので貼ってあります。
・鉄板の方に浮きとかが無ければ剥がさなくてもよかったそうです。
・ちなみに自分は剥がしてしまいました・・・
・そして新しい革が到着したので貼っていきます。
・革の裏側の糊面に粘着力がなくなるくらいまで筆でアルコールを塗ってから貼ります。
・こうすると粘着力がない間は革の位置合わせ、アルコールが揮発してくると粘着力が復活してボディに固定されるんですね。
・無事に革も張り替えられたのでCONTAX RTSが使える状態に戻りました!
・今回はミラーズレと長期間放置されていたこともあったのでPlanar買う前にテスト用のレンズを買ってみました。
・次回は試写の結果の報告になる予定です。
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