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初めての同人誌即売会(コミティア151)にサークル参加してきた

はじめに

こんにちは。Leica(@leica_4869)です。

2025年2月16日に開催されたコミティア151に、初めてサークル参加しました。
今回が初出展ということもあり、右も左もわからない状態でのスタートでしたが、なんとか無事に本を作り、イベント当日を迎えることができました。

この記事では、同人誌を作ろうと思ったきっかけから、準備・当日の体験・次回への課題まで、初参加の記録をまとめています。

サークル参加を考えている方や、初めてイベントに出る方の参考になれば嬉しいです。


同人誌を作った経緯

COMITIA151

昔、絵を描くのが好きでよく落書きをしていたのですが、気づけばしばらく筆を握っていませんでした。そんな中、ふと「もう一度しっかり絵を描いてみたい」と思うようになり、昨年から半年ほど、暇さえあれば絵を描く日々を過ごしていました。

自分は背景イラストをメインに描いていたので、二次創作にも興味はあったものの、自信が持てず、どうしてもオリジナルで勝負したいという気持ちがありました。

そう考えたとき、ただネットに上げるのではなく、形として作品を残したいと思いました。そうしてたどり着いたのが、同人誌を作るという選択肢でした。

一次創作で何か良いイベントはないか探していたところ、オリジナルオンリー即売会「コミティア」に出会いました。

年が明けて「同人誌を1冊出すこと」を2025年の目標に決め、それから当日までずっと作品作りに打ち込み始めました。

初めての挑戦でしたが、せっかくならイベントに出て、誰かの手に取ってもらいたい。そんな思いで、今回の本を作ることを決めました。

作ったもの

表紙
裏表紙

同人誌のタイトル:「消えない線」

内容紹介
「絵を描く夢を諦めた吉乃は、かつての友人・猫間との再会をきっかけに、忘れかけた情熱と向き合うことになる。夢を追う痛みと喜びを描いた物語。」

ページ数・仕様:B5 / 28ページ / フルカラー

こだわった点
この本は、イラストと文章を組み合わせた11篇のストーリーを収録し、B5横サイズで制作しました。

横長のレイアウトにすることで、イラストの広がりや雰囲気をより大切にし、読者がページをめくるたびに物語に没入できるように工夫しました。色彩や構図にもこだわり、キャラクターの感情やシーンの空気感が伝わるように意識しています。

見本誌を手に取ったときの感動は、想像以上に大きなものでした。画面上で見るイラストと、実際に紙に印刷されたものでは、まるで別の体験のように感じました。
自分が描いたものが現実の形になり、ページをめくるたびに「本を作ったんだ」と実感する。ゼロから生み出すことの素晴らしさを、改めて強く感じた瞬間でした。

準備

サークルカット

まずはコミティアに参加応募するところから始めました。オンラインでサークルカットを描いて、必要事項を記入したらあとは入金するだけで応募は完了です。

描いたサークルカットがこちら。

サークルカット

この時はまだ作るモノが定まってなかったので、なんとなく少女と青空のイラストを描きました。イラスト本を作ることは決まっていたので、可愛いフォントで乗っけました。

コミケ同様抽選があるようでしたが、今回は抽選なく応募者全サークルが参加OKとなりました。内心落ちたらどうしようか不安だったけれど杞憂でした。


印刷会社

B5横サイズ

今回は B5横サイズ の本を作りたかったので、まずは対応している印刷会社を探すところから始めました。有名どころだとグラフィックさんが安くて利用したかったけれど、横刷りがオンデマンド印刷対応してなくて諦めました。

自分が調べた中では以下の会社ではオンデマンド横印刷可能でした。(ほかにもあるかもしれません)今回はサンライズさんに印刷をお願いしました。

サンライズ
Print-ON
ねこのしっぽ

予算も限られていたので、早割キャンペーン (早割25%OFF)を利用することにしました。しかし、印刷スケジュールを確認すると、思った以上に早く原稿を入稿しないといけないことが判明。その分、原稿制作のスピードを上げる必要があり、なんとか1月中に完成 させました。

印刷するにあたって、表紙や本文用紙の仕様にとても悩みました。よく「マットコート110kg」と記載がありますが、まったくイメージがわかず選ぶのに苦労しました。
色々調べた結果以下に落ち着きました。

綴じ方法:左綴じ(無線綴じ)
表紙:アートポスト180kgオンデマンド4色カラー(CMYK)+マット加工
本文:マットコート110kg
本文インク:オンデマンド4色カラー(CMYK)
遊び紙用紙:遊び紙無し

優しい手触りでマットな質感のある本を作りたかったので、あまり欲張らず標準的な用紙を選びました。遊び紙や装飾など、やろうと思えば豪華にできそうで、個人でもここまで作れるのかと驚きました。
発送はサークルスペース直接搬入してもらいましたが、印刷具合が気になったので、一部前日までに家に届けてもらいました。

設営準備

SNSでコミケやコミティアの設営について調べ、必要な機材やアイテムをリストアップ。特に、Pinterestで「コミケ設営」と検索すると、魅力的な設営例がたくさん出てきたので、安くそろえられるものから少しずつ購入 しました。

準備したものはコチラ。

■配布物
 ・同人誌
 ・ポストカード
■装飾品
 ・敷布
 ・ミニポスター
 ・POPスタンド
 ・ポストカードスタンド
 ・値札
■小道具
 ・筆記用具
 ・テープ、クリップ類
 ・コインケース
 ・ゴミ袋

敷布

イベントの設営で意外と重要なのが「敷布」選びでした。テーブルの上に何も敷かないと、どうしても味気ない印象になってしまうし、本やグッズをより魅力的に見せるためにも、雰囲気に合った布を用意するのは大事だなと実感しました。

今回の敷布は、日暮里の繊維街・トマト本館で購入しました。生地選びは初めてだったので、事前にSNSなどで調べてからお店に向かいましたが、実際に行ってみると種類が豊富すぎて驚きました。

最終的に選んだのは、無地のコットン生地(1.4m幅 480円/m)を1.5mほど。今回の同人誌がオレンジ系の表紙デザインだったので、相性の良い色味を意識して選びました。オレンジに映えるのは何色だろう?と悩みつつ、明るすぎず暗すぎない落ち着いた色合いのものを選択。結果的に、本を自然に引き立ててくれる色味で、すごくしっくりきたので大満足。

また、布の質感も意外と重要だと感じました。光沢がありすぎると反射してしまったり、逆にシワになりやすいものだと設営時に整えるのが大変だったりするので、なるべく扱いやすい生地を選ぶのがおすすめです。

ミニポスター

サークルスペースを目立たせるために、ミニポスターを用意しました。初参加なので大きなポスターは作らず、コンビニ印刷でA3サイズのものを作成。なるべく安く済ませたかったのですが、それでも十分に目を引く仕上がりになったので、作ってよかったなと思います。

デザインはシンプルに、頒布する本のタイトルと簡単な内容説明、スペース番号を大きく載せる形にしました。遠くから見ても「ここでこういう本を売っているんだ」とわかるように意識。カラフルすぎず、でも目を引くようなデザインを心がけました。

また、ポスターを立てるために、Amazonで組み立て式のポスタースタンドを購入。持ち運びのしやすさを考えて、分解可能なタイプを選びました。当日、設営がスムーズにできたのもこの選択のおかげ。高さが調整できるものを選んだので、テーブル上に置いても圧迫感がなく、ちょうどいい感じに仕上がりました。

持ち運び時のポスターの折れやシワを防ぐために、「持ち歩きフォルダーS」を購入。A3サイズのポスターがぴったり収まるので、折れ曲がる心配がなく安心でした。ただ、長時間フォルダーに入れておくとポスターが少し曲がってしまうので、当日の朝ギリギリまで収納せず、なるべくフラットな状態で持ち運ぶように気を付けました。

結果として、ミニポスターがあることで、ブースの印象がぐっと分かりやすくなり、手に取ってもらいやすくなった気がします。

POP

POPは、少しでもスペースを目立たせて、興味を持ってもらえるようにするために設置しました。紙のPOPも考えましたが、よりインパクトを出すために、iPadを使った動画形式にしました。

動画は、昔のアニメの次回予告風の演出を参考にしながら制作。特に「Angel Beats!(葬送のフリーレン?)」の次回予告のような印象に残る短い広告を作ることを意識しました。ストーリーのキーワードや本のテーマを字幕で流しつつ、イラストやテキストがスムーズに切り替わる仕様に。これによって、通りがかった人が自然と画面を見てくれる効果がありました。

ポストカードスタンド

ポストカードを綺麗に展示するためにポストカードスタンドを用意しました。ちょうど良いものがないか探していたところ、家にあったスタンドを妻が貸してくれたので、それを活用することに。シンプルなデザインで、スペースの雰囲気にも馴染みやすかったです。

配置にもこだわり、2枚セットで配布するポストカードがバランスよく見える位置に調整しました。見本誌のすぐ横に設置し、本と一緒に目に入りやすくしました。

値札

値札は100均で購入したメッセージカードに値段を書いて配布物の隣に置きました。値札はPOPの雰囲気を壊さないように、茶色の可愛いモノを。
もう少し分かりやすく書いても良かったけれど、配布物も少ないので、楽に済ませる方向にしました。

宣伝

今回は、より多くの人に本を見てもらえるように、作品のイメージを伝える動画を作成 したり、SNSで告知をいくつか流しました。
普通に恥ずかしい気持ちが強かったけれど、まあやらない理由がない。当日1冊も売れないで帰るのだけは避けたい…であるならば恥ずかしがらずに全部出した方がいい。

Xではお品書きとポスターをメインに告知し、何を配布するのか、値段、作品のイメージなどを主に告知しました。

動画単体でも告知して、少しでも目が留まればいいな~と思いサクッと作って流してみました(これはあまり効果なかったかも)。

COMITIA151当日

設営

当日は設営をしながら「やっぱり敷布があるとブースの印象が全然違う!」と改めて実感しました。テーブル全体の雰囲気が引き締まるし、本やグッズも見栄えよく並べられるので、やってよかったなと思います。
次回のイベントでは、布の色をもう少しバリエーションを持たせたり、模様の入ったものにも挑戦してみたいです!

サークル巡回受付の参加

カット:雪雨こん(MeltdoWNCOmet)コミティア公式より https://www.comitia.co.jp/images/jyunkai_yukiu.jpg

また、コミティアでは「サークル巡回受付」を募集していたので、初参加にもかかわらず挑戦 しました。

サークル巡回受付とは、朝10時から指定のスペースを回り、サークル参加者の出欠確認と見本誌の回収を担当します。その代わり少し早く会場に入る(8:30)ことができ、設営を早めに行うことができます。(ティアズマガジンも1冊もらえる)

巡回受付の方を見渡すと100人くらい参加していて、みんな手慣れていそうなオーラ。複数人で手分けして行いましたが、ベテランの方に色々教えて頂いただき何とか巡回受付を出来そうな状態になりました。

巡回していると、他サークルの設営や見本誌を見ることができるので、いろいろと勉強になりました。POPの位置や本の雰囲気など、十人十色でそれぞれ違う良さがあって面白かったですね。
ただあまりにも時間がなかったので、次やるときはもう少し巻ければいいな(11時ギリギリに終わった)。

お礼ペーパー

購入していただいた方への感謝を込めて、B5サイズのお礼ペーパーを用意しました。内容は、

  • 近況報告や制作裏話などの短い文章

  • イベント限定のラフイラスト

  • これからの活動についてのちょっとしたお知らせ

といったシンプルな構成。特別感を出したかったので、手書きでレイアウトを作成し、前日にコンビニでモノクロ印刷しました(駆け込みでバタバタ…)。

ただ、準備がギリギリすぎて当日本の最後のページに挟み込む形に。これが意外と手間だったので、次回は事前にセットしておきたいところ。

また、コンビニプリントは1枚20円とそこまで高くはないものの、部数が増えるとコストがかさむので、今後のイベント参加を考えると**家庭用プリンターを導入するのもアリかも?**と感じました。

お礼ペーパーを渡すことで、購入してくれた方に「作り手の気持ち」を少しでも届けられたらと思います!

売り上げ

初めての同人誌イベントということで、何部刷ればいいのか全く分かりませんでした。ネットで調べてみると、「初参加で完売!」という人もいれば、「1部も売れなかった…」という人もいて、期待と不安が入り混じる状態でした。

そこで今回は、「同人イベントに来たことがない人を連れてくる」 をテーマに、友人や家族、知人に声をかけてみることにしました。同人イベントは売上重視というより、来てもらう人に楽しんでもらえる場だと思ったので、SNSでも気軽に足を運んでほしいと呼びかけました。

印刷数・価格
今回は 30部 を刷り、 1冊500円 に設定しました。この価格は、自分が知らない本を買うときに「ギリギリ出せるかな?」と思うラインで決めました。が、普通に赤字です。
自分自身、あまりに高いと知らない作家さんの本を手に取るのをためらうので、その感覚を大事にしました。

販売結果頒布数:23部(身内:13部、初めましての方:10部)

売れたペースの変化
開始してから10分ほどで、初めましての方が1冊購入してくれました。Twitterで見てくれたのか、それともたまたま目に留まったのか…。とにかく、「本が売れた!」という感動は、一生忘れたくない瞬間でした。

その後、友達がぽつぽつ来てくれたり、1時間ごとに初めましての方が入れ替わりで来てくれて、15時の時点で25部が旅立っていました。

身内に「一度同人イベントに行ってみたかった」と言ってもらえたことも嬉しかったし、初めましての方がオリジナル作品を手に取ってくれたことが、こんなにも絵を描くことの後押しになるとは思っていませんでした。

「自分の作品を、知らない誰かが買ってくれる」——その喜びを、今回のイベントで初めて知りました。

反省点

名刺の準備不足

作品を知ってもらうためには、本だけでなくフリーペーパーや名刺 を配るのも有効だと感じました。今回はお礼ペーパーは準備出来たけれど、名刺などは用意できなかったので、次回までには揃えたい。

ポスターの重要性

当日気づいたことのひとつが ポスターの必要性 です。周りのサークルはポスターを掲げていて、とても華やかで目を引く設営になっていました。一目で「何を売っているのか」が分かるのはとても大きな強みだと思ったので、次回は必ずポスターを作ろうと思います。

グッズの幅を広げたい

今回は「本」と「ポストカード」の2点だけでしたが、アクスタやキーホルダーなどのグッズ にも挑戦してみたいと感じました。隣のサークルさんで可愛いグッズを展開しているところがあり、ブースの賑やかさが全然違ったので、次回は何かグッズを作りたいです。

見本誌の配置

最初、見本誌を奥に置いていたのですが、それだと お客さんが手に取りづらい ことに途中で気づきました。
途中から手前に置いたことで、気軽に本を読んでもらえるようになったので、最初から見本誌は前に出すべきでした。特に、山積みになっている本は「触っていいのか分からない」と心理的に不安を感じる方もいると思うので、改善点として次回に活かしたいです。

挟み込みの準備

お礼ペーパーを同封するつもりでしたが、当日その場で挟み込むことになり、結構バタバタしてしまいました。前日、もしくは開場前に挟み込みを済ませておけば、余裕を持って準備できたはずなので、次回は事前準備を徹底しようと思います。

次回のイベントでは、これらの反省点を活かして、もっとスムーズに、そして楽しく参加できるようにしたいです。

次回参加について

もっと画力を上げる

今回、自分の作品を手に取ってくれた方がいたことは本当に嬉しかった ですが、同時に「もっと多くの人に届けたい!」という悔しさも感じました。10人に届いたなら、次はその倍、さらに多くの人に見てもらえるよう、画力を上げてもっと魅力的な作品を作りたい と思います。次こそは「新刊、完売しました!」と胸を張って言えるように頑張ります!(とはいえ、完売しない方がお客さんにとってはいいのですが…)

二次創作にも挑戦してみたい

今回の本はオリジナル作品でしたが、次は二次創作にも挑戦してみたい 気持ちがあります。コミティアはオリジナルオンリーのイベントなので、もし機会があればオンリーイベントなど、他のジャンルの同人イベントにも参加してみたい です。

次はコミケ…?

次回どのイベントに参加するか迷い中ですが、コミケに挑戦するのもアリかも と思っています。もちろん、当選するかどうかもありますが、大きなイベントで自分の作品を出す経験をしてみたい気持ちもあります。もし参加することになったら、さらに気合を入れて準備したいです!


おわりに

同人イベントは「大人の文化祭」とよく言われますが、本当にその通りだなと実感しました。自分の作品を作って、それを手に取ってもらえる喜び。お客さんと直接話せるワクワク感。あの空間にいるだけで刺激をもらえて、また創作を頑張ろうと思えました。

ただ、当日はバタバタしていて 全然ほかのサークルを回れなかった… ので、2/24の読書会に参加して、他の方の作品もしっかり楽しみたいと思います。

初めての同人イベント、個人的には成功だったんじゃないか と思っています。もちろん、反省点もたくさんあるし、次はもっといいものを作りたい。でも「参加してよかった」と心から言える経験になりました。

このブログを読んで作品が気になった方、少しでも興味があれば、ぜひ同人誌を手に取ってもらえたら嬉しいです。

じゃあまたね。


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