橋をかける魔法
わたしが橋に惹かれるのは、そこに魔法が宿っているからかもしれない。
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橋の下には、川が流れている。
橋は、ひとが渡りたくても渡れないところにかかっている。
橋があるから、ひとは飛ぶようにこちらからあちらへと行くことができる。
橋は、今いるところから行きたいところへ渡す役目。
渡った先は未知の世界。
そんな異質なもの、混じるはずのない世界をつなぐもの。
それは目に見える現実の世界だけじゃない。
こころのどこかにある行きたい場所、
まだ見ぬ空想のなかの世界だろうと、
橋をかければきっとつながってゆける。
そんなふうに今と未来をつないでいる。
そして橋はまた、ひとのこころとこころをもつなげている。
わたしたちは、"想う"ことで、行きたい場所やだれかのこころへと橋をかける。
そんな魔法みたいなことを、ひとりひとりふつうにしている奇跡が起きているのが、私たちの生きるこの世界なのだ。