𝐒𝐨𝐮𝐥 𝐉𝐨𝐮𝐫𝐧𝐞𝐲 𝐢𝐧 𝐎𝐊𝐈𝐍𝐀𝐖𝐀 ❻

いよいよDeepな魂の旅、終幕。

旅の最後の目的地、出雲大社分社で出愛った神語と、沖縄の"カチャーシー"という言葉の意味。

それは、さながら出雲大社のしめ縄のように、または舞い上がる2匹の龍のように、織りなされて紡がれていった。

この旅の最後の答え合わせであり、次の扉を開ける鍵なのかもしれない。

来ることになっていた場所

那覇に着くと、旅の相棒、うめねのフライトが寒波により一日延びることになった。

そこでわたしたちは、今帰仁でお世話になった宿、魂喜村のオーナーのきみえさんに、「ふたりで行ってほしい」と言われていた、那覇にある出雲大社の分社に行くことにした。

出雲大社分社で出愛った神語

そこには、
幸魂奇魂　守り給ひ　幸へ給へ
という神語が書かれていた。

「神語」とは、大国主大神への日々の信仰において、感謝と守護の祈りをこめて「幸魂　奇魂　守給　幸給(さきみたま　くしみたま　まもりたまえ　さきはえたまえ)」とお唱えする祈りの言葉です。

大国主大神は、御自らの幸魂奇魂をお祀りすることで、うちなる神性のはたらきを祈られて、国造りの大業を果たされ、生きとし生けるものの幸せを結んでくださる「むすびの大神」となられました。

神語の趣意
「幸魂」のサキは、「花が咲く」「布切れを裂く」にみられるように分裂することによって増加繁殖していくことを意味します。
「奇魂」のクシは「櫛」「串」に通じます。
乱れた髪を梳いて整える櫛、刺してものを統一する串。
このように「くし」というものは、「まとめてととのえる」ということを意味します。
幸魂奇魂のミハタラキは、ひとつは分化、ひとつは統一ということで、一見全く異なるものが、常に調和を保とうと努力しながら発展していく姿を、御先祖から受け継ぐ、祈りの言葉です。
この幸魂奇魂という性質の異なるお互いの生命のはたらきというものを調和させることによって「むすびのちから」になります。

出雲大社分社

わたしはこの言葉に出愛ったとき、お別れの日にlataさんに言われた「カチャーシーだよ」という言葉を思い出していた。

それは、闇と光、シロクロつけないということ。

あいまいさは、嫌われるかもしれない。

でも、ときにはあいまいであることが、大切なんだよ、とlataさんは、そっと教えてくれた。

たとえこれが真実と思うことがあっても、これこそがひかりだと、握りしめるのではなくて、ひかりはだんだんにじんで、闇に溶けこんでいく。

そして、闇もまたいつの間にかひかりにのみこまれていくように、光と闇は相対するものではなく、混じり合い、溶け合っていくものなのだ。

喜びも悲しみもすべてかき混ぜて、わかちあいましょう

カチャーシーとは、「かき混ぜる」という意味の沖縄の言葉「かちゃーす」に由来している。

初日の夜、みんなで今帰仁の居酒屋さんで、お客のおじさんの三線に合わせて踊った、あの踊りのことだ。

lataさんが伝えたかったのは、この踊りが体現していることすべてなのだ。

今回のような特別な覚醒体験をしたひとが、日常や家族や生活から切り離されるのではなく、またそれぞれのいつもの日常に戻って、覚醒したひととして生きること。

日常と非日常、現実と夢、天と地。

相対すると思われている、すべての対極を混ぜあわせてひとつにしてしまう。

その踊りを、この日常でしていくこと。

これこそが、この旅の目的だったのだと思う。

だから、旅は終わっても、これからもつづく。

これからがほんとうのはじまりだ。