韓国映画のアクション・ノワールの沼
最近は韓国のシリアスなアクション映画にハマっている。中でもノワールというジャンルに興味が湧いていろいろ勉強中。以下、見た作品をメモしていますが、ノワール以外も混ざってます。
『HUNT(ハント)』
先日映画館で見て面白かった。『イカゲーム』のイ・ジョンジェ氏の初監督・主演作品。
あらすじ:1980年台の韓国、安全企画部(諜報)の海外班長パクと国内班長のキムは、情報が北側に漏れたことから組織内にスパイがいると疑われる。スパイを見つなければ自分が疑われるという状況で、次第に二人は対立を深める。そんな中、大統領暗殺計画を知り…。
イ・ジョンジェはイカゲームでは冴えないボサボサの中年男性だったが、スーツで髪型もちゃんとしててめちゃカッコいい。ダブル主演のチョンウソンも。
光州事件や全斗煥政権のことを知っているとより深く理解できそう。
私は少し覚えている程度。『タクシー運転手』は見て衝撃を受けた。
光州事件関連は、韓国における重大な歴史と認識されていることを感じる。
映画は、まさに銃!血!暴力!漢!信念!だった。
東京での激しいドンパチと最後の大爆発はoh…と呆気にとられたけど。ハリウッドがよくやる勘違いトーキョーではなく、現実に近い東京の風景でジョンジェさんの正常な眼差しを感じる。80年代東京は見たことないが。
相手のチームとの探り合いと複雑なストーリー展開で、かなーりついていくの難しかった。
シリアス120%。でも、ガンアクションや政治劇などかなり見応えがある。
女性の描き方もいい。女性性を武器にするスパイやひたすら不憫な役ではなく、有能で活躍する女性や自分の考えを持つ女性を描いている。
『鋼鉄の雨』
この映画から、韓国のスリラー系アクション面白いと思い始め、色々見始めた。これは政治サスペンスアクションなのかな。
あらすじ:北朝鮮でクーデターが起こり、元エリート工作員のオム・チョルウは重傷の最高指導者を連れて韓国へ。クーデター後、北朝鮮は韓国、アメリカに宣戦布告。オムは韓国の外交安保主席クァク・チョルウと知り合い、戦争回避のために奔走する。
まず、北朝鮮トップを血だらけ重傷にさせているのが大丈夫?と思ったが、ずっと顔は映ってなかった。
クーデターで、鋼鉄(ミサイル)の雨が降ってくる光景が凄惨だった。
主演は『HUNT』にも出ていたチョン・ウソン。病院のアクションも凄まじかった。
疑心暗鬼だった南北の二人が何やかんやで共闘し心を通わせるのだけど、離ればなれになる運命が切ない。
北朝鮮のクーデターから始まる戦争というシナリオはあり得ると思えるのが怖い。日本もちょいちょい出てくる。(が、役立ってない)
漫画が原作みたいで、まあトンデモ展開だけど、映像や俳優の演技がかなり迫力あり、説得力のある映画でした。
『新しき世界』
韓国ノワールといえばこれと言われていて、ずっと見たかったやつ。最近アマプラに来ていた。
韓国の犯罪組織に潜入して幹部になった警察官ジャソン。組織のNo.2のチョンから信頼され兄弟のような絆を持つ一方、警察の上司の課長からは無茶な指令ばかり。ある日、組織のリーダーが急死し、後継者争いが勃発。カン課長は「新世界」作戦を始動させ、ジャソンは選択を迫られる。
カン課長役のチェ・ミンシクを初めて知った。渋くて存在感あるな。部下を駒のようにしか扱ってなくて怖い。
ストーリーは割とわかりやすかった。
ジャソンとチョンの友情?愛情に泣く。キャストの演技力やばし。今まで認識してなかったけど、このブロマンスって沼だ…。
チョン役のファン・ジョンミンのキレッキレな感じよかった。アクションってよりバイオレンス。所々グロくて目を逸らして見ていた。
『ベテラン』
これはちょっとコメディ寄り。
でも胸クソ度はこの4つの映画の中で1番かもしれん。
ファン・ジョンミン演じる熱血警官VS ユ・アイン演じる犯罪やり放題の財閥御曹司の構図。
ユ・アインの社員を自殺に追い込み、隠蔽するクズ役への憑依が恐ろしすぎた。リアルでも逮捕されてしまい、残念至極。アクションも迫力ある。ファン・ジョンミンのアクションの表現力というか運動神経すごいな。
いろんなアクション系を書き連ねたけど、政治が絡んだり、マフィア絡みだったり色々興味深い。他にも面白いのがあったら教えてください!
『新しき世界』や『HUNT』とか暗い硬派なノワール系は、女性との恋愛はほぼなく、信念と葛藤と大義200%がよい。もちろんその裏で泣く女性はいるんだけど。ひたすら彼らの生き様を見せつけられるの、ファンタジーにも思える。
私はBLは一切見ないんですが、なんかこう、愛憎入り混じる親密な関係に萌える気持ちがわかった。あと、男に生まれ変わったらあんなカッケー人になりたい(痛いのはムリ)。
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