1秒に勝利を! 【F1ピットストップ】
こんにちは!れごです🏁
F1をはじめモータースポーツを観ている人もそうでない人も、ヘルメットに全身スーツの人たちがタイヤを交換する場面は見たことがあると思います。
ピットストップは一見タイヤを変えるだけに見えますが、1つでも順位を上げるための重要な戦略の1つです。
F1のレースは1時間を超えます。その中でピットの数秒間がどれほど勝敗を左右するのか。ピットストップの面白さをまとめました。
それではいきましょう!
ピットストップでの役割分担
F1のピットストップでは数秒間の間にタイヤを交換しなければなりません。しかも単にタイヤを入れ替えるのではなく、細かく分けて10の工程を踏みます。
①フロントのジャッキを持ち上げるフロントジャッキマン×1
②マシンが停止した瞬間にホイールを緩めるガンナー×4
③リヤジャッキでマシン後部を持ち上げるリヤジャッキマン×1
④ジャッキアップされたマシンがふらつかないように支えるスタビライザー・クルー×2
⑤フロントウィングの角度を変更し、ダウンフォースを調整するウイング調整クルー×2
⑥グローブをはめて超高温のタイヤをスライドさせて外すホイール・オフ・クルー×4
⑦タイヤが外されると瞬時に新しいタイヤを装着するホイール・オン・クルー×4(ナットとホイールは一体化されている)
⑧ ②のガンナーがナットを締め付ける。
⑨ ① ③のジャッキマンがマシンを下げる。
⑩以前はロリポップマンと呼ばれていたピットストップ・コントローラー×1がマシンをリリース。
一言にすれば、
マシンを持ち上げてタイヤを浮かせて交換。
イラストで表現しようとしたけど画力が足りなかった。YouTubeでピットストップを調べてゆっくり再生してみてね。
他に比較的起きやすい作業にはフロントウィングの交換がある。スタートして一周目の車間が近い時間帯にぶつけることが多い。フロントウィングの交換は10〜15秒かかるから大きなタイムロスとなる。
ピットでの1秒が明暗を分ける
ピットストップにかかる時間は問題なくできて2秒後半から4秒ぐらいと差が大きい。(今までの最短記録は1.82秒。)
ピットストップはレース中、常に行える。しかしよく使われる戦略は前を走る車と同じタイミングでピットに入ること。デメリットが少ない上に運良くピットストップを早く終わらせられれば先にコースに復帰できるからだ。
では、コース上で1台オーバーテイクするにはどれぐらい時間がかかるのか。
どのチームもそれぞれのマシンの特性やタイヤとの相性によって異なる戦略を立てるため、レース途中では頻繁に順位が入れ替わる。
しかし結果だけ見ると前日の予選(一周のタイムアタックを競う。速い順から決勝のスタートで前に位置する。)の順位と大きく変わることはない。
だから20台が出るレースで順位を5つ上げた、なんて話は中々なく、戦略とドライバーの力量で1〜2つ順位を上げることが普通だ。
つまりそもそも予選で近い順位となった他チームの車に勝つことで精一杯なので、ピットストップで順位を落とす訳にはいかないのだ。
では、前を走る車より1秒ピットストップの時間を縮めることができたら。
ピットでオーバーテイクすることができる。
レースの規則の仕様上、車が速いF1だからできることだが、1秒早くピットから出られればギリギリ前に出るくらい車間を広げられる。
1つ順位を上げることの大きさについては前述した通りだ。これだけ結果に直結する作業を数秒でこなさなければならないピットストップは、見た目以上にレースの明暗を分けるのだ。
☆今月頭に開催されたF1日本グランプリでは、日本人の角田裕毅が10位に入りポイントを獲得した。このレースでは角田を含めた順位が連続した4台が同時にピットインしたが、その中で最後尾を走っていた角田のピットストップが一番早く終わりピットで3台をオーバーテイクできたことはポイント獲得に大きく貢献した。
ピットストップは練習の積み重ね
ピットストップは失敗できない。だから一番に安定感が求められる。
各チームはファクトリーにピット作業用の練習設備を設けており、電動のダミーマシンを使用し、ピットクルーは練習を重ねている。ピットストップだけでなく、トラブルや起こりうるシナリオも想定した反復練習も行なっている。
しかし、ピットレーンに傾斜がついていたりとサーキットによってそれぞれピットの状況は違ってくるため、サーキット独特の違いに慣れるべく、ピットクルーは決勝レース当日の朝も含めてレース週末(金・土・日)では毎日練習時間を確保している。練習ではチームごとに異なるものの1回あたり30分ほど練習する。
ピットクルー(ピットストップを行う人)は、正確なピット作業をこなすために多くの体力トレーニングを行っている。タイヤを軽々と持ち上げ、移動する体力と俊敏さや、高速回転するホイールガンに耐えうる腕や肩の筋力が必要とされる。
そのため、ほとんどのチームでは、ジムでのトレーニングをベースにした体感の持久力とパワーを向上させるフィットネスプログラムを用意している。ビデオ分析によってフォームが最適化され、特にタイヤ交換を担当するクルーは力を必要とするため上半身のトレーニングを増やしている。
最後に。
いかがでしたでしょうか。F1というモータースポーツの最上級カテゴリーでも、人の腕の見せどころがあるんです。面白いと思いませんか?
実際のところ、1レース中にどこかのチームがピットミスをしてタイムを失うことが多いので、角田くんのピットが上手くいくかいつもハラハラしながら観ています。
おまけ
ピットストップ中、ドライバーは何をしているのか。
まずドライバーは正確にピットボックスでマシンを止める必要がある。少しでも前後左右にずれるだけでピットクルーの作業効率が落ちて、0.6秒から1秒ほどのタイムロスが生まれてしまう。
ドライバーはマシンをピットボックスに止めるとギアをニュートラルにしてブレーキをかける。タイヤ交換中に前輪が動かないようハンドルにはしっかりと手をかける。
最後にピットシグナル(発信許可) に全神経を集中させ、シグナルが赤から青に変わるとピットを出る。
マガジン追加ありがとうございます♪
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参考元
それではまた!!