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中国の2024年9月の景況感は?~建築業、低迷続く~

中国国家統計局から2024年9月の景況感(PMI)が発表されました。
一部の企業の購買担当者に景気どうですか?とアンケートして、それをまとめて景況感を判断するものです。
中国のPMIは、製造業、非製造業(建築業とサービス業)に分けてそれぞれで発表されます。

ちなみに、国家統計局から発表されるものと、財新という民間会社から発表されるものがあります。今日は国家統計局のデータです。
財新は昔は、財新マークイットという名前で発表していましたが(マークイットはイギリス系の調査会社)、最近は、財新としか表記されなくなりました(マークイットが撤退したという話も耳にしたことはありますが)。
中国ですから、財新が民間会社といっても、そのPMIが信用できるかはなんとも言えませんね。調査対象会社の規模と社数の違いもあるようです。

さて、製造業は、49.8%になりました。推移は以下のとおりです。
少し改善しましたが、景気判断の目安となる50%を下回っています。
50%を下回ると、景気良くないね、となります。
なお、大企業は50.6%、中企業は49.2%、小企業は48.5%です。
しわ寄せは小さいところに、という感じです。

PMI算出では、要素別にアンケートがとられます。
要素別では以下のようになっています。


50%を下回っているのは、新規受注、原材料在庫、従業員、サプライヤー配送時間となっています。
表2の関連要素では、新規輸出受注、輸入、購買量などで50%割れとなっています。
受注関連の要素が低迷していると、先行きの活動も弱含みですので、良くない景況感が続きそうです。

非製造業は、50%になりました。
昨年末から3月にかけて改善傾向でしたが、4月以降低迷しています。

一年前の2023年9月はこんな感じでした。上海ロックダウン解除後、急回復しましたが、長続きしませんね。

要素別では以下のようになっています。ほとんどの要素で50%割れですから、全体50%といっても景況悪し、という感じでしょうか。


非製造業PMIは建築業とサービス業に細分されます。
建築業は、以下のようになっています。

建築業は、かつては60%超えでしたが、今では50%近くまで下がっています。不動産不況の影響が色濃く出ているようで、右肩下がりは変わりません。

サービス業は、以下のとおりです。50%を割り込みました。
雇用を多く抱えますので、賃金カットやリストラなどがあると、消費に影響が出そうです。

進出している日本企業の戦略見直しのプレッシャーは続きそうです。


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