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チュートリアルの2年ぶりの漫才に思うこと
やはりチュートリアルの漫才は最高だ。
これが2年ぶりに彼らの漫才を見た率直な感想である。
もちろん2年ぶり、いや、それ以前から漫才をする回数は年々減っていたこともありところどころ本調子ではないと感じるリズムの悪さが見られたがそれもまた人間味があって良かった。
何より2人が本当に楽しそうに漫才をしているのが印象的であり、感動的だった。
チュートリアルの漫才はセックスである。
小さい頃からの幼馴染2人が繰り広げる漫才は、ボケの徳井が突拍子もない妄想劇を繰り広げ、現実世界にいるツッコミの福田の感情を揺さぶることで笑いが生まれる。そのピストンがより大きく、より激しいほど爆発的な笑いとなる。
さらに妄想と現実を行ったり来たりする2人だけの世界を楽しむ姿を客観的に見て楽しむのもまたチュートリアルの漫才の醍醐味でもある。
そんなことでチュートリアルへの思いが止まらなくなった私は気付いたら過去のM-1グランプリを観始めていたのだった。
伝説のM-1グランプリ2005
まず先に述べておくと個人的にチュートリアルのM-1史上最高のネタは優勝した2006ではないと思っている。
全国的に無名だった同期のブラックマヨネーズが一夜にしてM-1ドリームを掴んだ2005に披露した「バーベキュー」のネタがチュートリアル史上最高のネタである。
M-1グランプリが始まった2001年、チュートリアルは結成3年目にして早くもその大舞台の切符を掴んだ。しかしそこで彼らが披露した「御伽話」のネタは審査員たちからは評価をされず実質最下位に沈んでしまう。
※総合結果は8位であったがそれは第一回のみ採用されていた視聴者投票によりおぎやはぎとDonDokoDonがアホみたいな票しかもらえずチュートリアルよりも低い総合得点になったためである。
※ちなみに「御伽噺」のネタはオンエアバトルでも457kbで全体2位通過するなど彼らにとっては当時一番自信のあるネタだった。
その後チュートリアルは数年間、あるときから言われだしたM-1グランプリ必勝法のひとつ「〇〇漫才」を見つけられず決勝の舞台にあがることができなかった。そんな中でようやくたどり着いたのがボケの徳井に何かが乗り移ったように妄想を繰り広げる所謂『妄想漫才』であった。そしてその代表作のひとつが『バーベキュー』のネタであった。
正直なところ622点で5位という結果には今も当時も全然納得はできていない。もう少し点数は高くてよかったと思っている。ただしこのとき残した爪痕が翌年の「今年の本命はチュートリアル」という空気を創り出し、そしてあの大爆発に繋がったことは誰の目にも明らかである。
※ちなみに2005は誰が見てもブラックマヨネーズの優勝で間違いはなく予選の「ボーリング」、決勝の「格闘技を習いたい」ともに歴代トップ10に残る名作である。さらに決勝3組に残った麒麟の予選ネタ「プロ野球選手」は最後のオチの決まり方は歴代屈指であるし、トップバッターだった笑い飯の予選ネタ「いじめられっ子にやさしくする」決勝「ハッピーバースデー」はともに他の年なら間違いなく優勝していたと思われるレベルの高さである。
完全優勝のM-1グランプリ2006
2006は予選が開始される前から「今年の本命はチュートリアル」と言われており、ある意味ではそのプレッシャーとの戦いだったと思われる。
2006は2003王者のフットボールアワーが2度目の優勝を狙って参戦、さらには変ホ長調がアマチュア初決勝進出、ザ・プラン9が史上初5人組での決勝進出などが話題となった。
超スローボール漫才のPOISON GIRL BANDのトップバッターではじまった大会は2組目でフットボールアワーが640点を叩き出すもどこか盛り上がりに欠けたまま折り返しを迎えた。
大会審査委員長の島田紳助が「このまま爆発せず終わったら今回は失敗やわ…」とまるでそのあとの爆発を予想するかのような発言のあとチュートリアルは満を持して登場。
予選ネタは「冷蔵庫」。昨年からの「妄想漫才」は更なる進化を遂げる。
そして決勝の「チリンチリン」。誰もがチュートリアルの優勝を確信するほどには圧倒的であった。
史上初の完全優勝が決した瞬間。
最後に
チュートリアルの2年ぶりの漫才を見てここまで妄想を広げてしまったわけですが、そのネタを見てようやく徳井義実という稀代の変態が謹慎前の勢いを少し取り戻してきたと感じました。
彼が行った税金逃れという行為は非常に悪いことではありますが彼自身はすでに総額1億円を超える追徴課税の納付、さらには約半年に及ぶ謹慎と社会的制裁は十分に受けてると考えます。
これ以上、彼が叩かれる必要はありませんしM-1の過去記事でも言いましたが(彼をテレビで見るのが)不満なのであればその番組を見なければいいだけです。こんなことはサルでもわかるでしょう。
これから先、さらにテレビやネットの番組でまたチュートリアルが見れることを楽しみにしております。