わたしたち語
彼女の母国語は中国語です。
英語は基本的な会話は問題ないレベル。
日本語は文章を作るのは苦手だが、ちらほら単語を覚えいて、会話を多少理解できる。
韓国語は話せないが結構理解できる、何故なら長年の韓国ドラマオタクだから。
私の母国語は日本語です。
英語は基本的な会話は問題ないレベル。
中国語は彼女から教えてもらって若干理解し文章を作れるが、発音が壊滅的。
韓国語はほぼわからないが、思いもよらぬ単語を何故か覚えていたりする。
そんな私達、基本英語を使ってコミュニケーションを取っているが、私達の会話を聞いた人はよく「???」となっていることが多い。
何故なら、
私達の英語には突然、日本語と中国語、そしてたまに韓国語が混ざるからである。
例えば、中国語では疑問文の時に、文末に「嗎?」と付ける。日本語の疑問文で言うところの「か?」みたいな感じである。
これを私達は、英語の文章の最後に「嗎?」や「か?」と付ける。
例えば
「You're fine 嗎?」
「You've already arrived home か?」
のような
とはいえこれに関しては、文章の流れや音の上がり方で、疑問文であることは伝わるだろう。
でも、英語を話している時に、日本語や中国語の単語をいきなり文中に差し込まれたりすると、その単語を知らない人は違和感を覚えるだろう。
「ん?何だ今の単語は。英語なのか?」
という具合に。そうなると「この単語は日本語でこういう意味で〜」と言った解説が必要になる。
例えば、
「She was my 先輩 in high school」
「I wanna 抱抱 you」
「You're like a 돼지」
のような
というか、まず、私達は英語自体を100%正しく使えているわけではない。
発音だって完全に正しいわけではないだろうし、語順や表現も、ネイティブの人にとって違和感のある使い方だったりするんだろう。
そんな明らかな外国人英語に、その他の言語も混じるわけではある。なかなかにカオスだ。
日本人側として想像してみてほしい。
日本に留学に来た外国人が、流暢ではない日本語をベースに、別の何ヶ国かの言語を挟みながら話している。
なかなか理解するのが難しそうである。
あとは、私は中国語の文章に則りながら、そこに突然英単語を差し込んだりする。
また彼女は日本語を単語ごとに話しながら、突然そこに中国語の語尾(ラーとかナーみたいな音)を付け足したりする。
例えば
「我想要吃 the pancake」
「あなたsuper変啦!」
みたいな
まあでも中国語圏の人は、英語にも中国語の語尾を引っ付けて話す人はたまにいる。
「What are you doing 啦」みたいな
そんな具合に私達は
「お互いが理解している英語をベースに、共通でわかる日本語、中国語、韓国語を何食わぬ顔で混ぜ込む」
という、私達同士では理解しあえる、ミックス言語コミュニケーションを取っている。
(追記だが、私達+友人の複数で話している時などはこの使い方にはならない。ただ人前であろうと、二人での会話はこの使い方が適応される)
私は随分前からこのミックス言語を「私たち語だな」と思っていて、二人で話している時にふと、「今の表現は初めて聞いた人には伝わらないだろうな」などと俯瞰で考えたりする。
その破茶滅茶コミュニケーションが、コンテンツとして見応えがあるのでは?(もしくは何らかの言語習得に役立てるのでは?)と思い、以前YouTubeで動画を作ろうかと考えた時期もあった。
が、結局怠け者な私は動画を撮り始めることも編集をすることもなかったが、いまだに私の中には「私達の会話はなかなかに興味深い」という考えがある。
とはいえこれは国際カップルでは時たま起こりうることなのだろうか?
自分達の周りにいた国際カップルは、ここまでの言語ミックスはなかなかなかったけども。
この文書を読んでくれた人は、私達のことを文字ベースで知ってくれたわけだが、
いつか何かの奇跡により現実で私達と会えることがあったら、
「あの時書いていた私たち語ってこういうことなのね」
と納得してもらえるんだろか、なんて想像してみて、一人ふふっと小さく笑ってみたりした。