小1の息子が不登校になった話その5 ますます行きたがらなくなる
毎日泣いて抵抗するように
日を追うごとに学校を嫌がるようになる息子。つらそうな様子を見るのが本当につらい。どうして行きたがらないんだろう…。
「学校に行こう」というと、返事は「毎日やりたいことをやれない。ずっと机に向かうの苦しい」
たしかに…。彼の性格からすると、言われたことばかり取り組むのは本当につらいだろう。学校とはそういうもの、と言ってしまえばそれまでだけど、懸念していたとおりのことが起きてしまった。
追いつめられている姿を見ると、それ以上何も言えず…。もっと早くから療育を受けさせればよかった。
学校に休む旨を伝えると「大丈夫ですか?できれば1時間だけでも、いや、給食だけでも来てもらえると嬉しいです」とのこと。たしかに…。でも、学校の話をするだけで涙を浮かべる息子の様子を見ると無理そう。
結局、その日は休ませた。
翌日。やっぱり泣く息子。「机に向かって授業を受けるのがつらいなら、給食だけでもいいんだよ」と声をかけると、「お友達もいなくてつらい。みんな意地悪するし、乱暴なんだもん。休み時間もひとりでいる」とまた泣く。
それも原因か…。たしかに、息子が通った幼稚園はのんびりした雰囲気で、おっとりした優しい子が多かった。一緒の幼稚園出身の子がほとんどいないうえ、校風が異なる子たちとの出会いはカルチャーショックだったのかもしれない。
学校に連絡し「なんか、学校に行けない理由なんですが、お友達となじめないみたいで…。休み時間もひとりになっちゃうみたいで…」と伝える。
先生は「え…?休み時間とか、他の子と誘い合って遊んでいるようです…」と戸惑った様子。たぶん、一緒にいたとしても馴染めず、疎外感を抱いているのだろう。「1時間だけでも学校に来て、登校を習慣づけるのがいいと思います」と先生。でも、息子の様子からすると難しそう…。
結局その日も、途中から行かせようとするも、無理だった。学校に行かないでいると、思い詰めた表情もせず、普段通りの息子が家でのんびりと過ごしている。
こうした日が続き、私も無理やり学校に行かそうとするのが、つらくなってきた。
子どもが学校に行かないってこんなにしんどいんだ…。この子の対人関係は大丈夫なんだろうか。未来は?小1でつまづいてしまうと、この先、いろんなことに行き詰ってしまうかもしれない。
フリースクールなども調べてみるも、小1から対応しているところはほとんど見つからず…。
そもそも、息子が学校に行きたがらないのは、学校という新しい環境に慣れていないがゆえ。フリースクールが見つかったとしても、結局その環境に慣れるまでに時間はかかるだろう。今と同じことの繰り返しになる!
そこで、はたと気づく。悩んでも仕方がないかも?
これ、……「私が」悩んでもしかたないんじゃない…?「私が」思い詰めるのは悪手では…?
というより、もし悩んで問題解決するのであればいくらでも悩むけど、そういう問題ではない。だとしたら、私が思い詰め、家の空気が悪くなったら、息子のメンタルにも影響がありそう。
だったら、フラットな気持ちでいたほうがいいのでは?「悩む」のと「問題について考える」のはちがうこと。悩むと袋小路に入ってしまうし、いい結果は得られないだろう。
それに学校に行けないのであれば、他のことして楽しんだほうが気晴らしになるだろう。私も息子も双方にいい影響があるかもしれない。
そう考えると気が楽になった。翌朝、目をさますと、息子はまた暗い表情をしながら布団のなかにいる。朝からこんな顔をして、学校について考えているのはかわいそうだ。
「ねえ、1日くらい学校のこと考えなくてもいいんじゃない?遊びに行こうよ」
そう言うと、彼の顔がぱっと輝く。「え?いいの!?行く行く!」「そのかわり、明日からはちゃんと学校に行くんだよ」「うん!」
その日は少し遠出をして、息子が大好きな遊び場まで出かけ、1日中遊んだ。すっきりした顔をした息子を見てほっとしたし、たまには息抜きをさせてあげるのも大事だと感じた。気分転換したことで、心機一転、明日から息子も頑張れるかもしれない。
平日、遊びに行くのは悪手だった…
翌朝。
「今日は学校に行こう、昨日遊んだよね?」「やだーーー!行かない!昨日だってさ、僕は学校行こうと思ってたんだよ。でも、ママが遊びに行こうっていくからやる気がなくなっちゃった。今日は疲れてるし、行きたくない!」
……マジ…?
昨日のは大 失 敗!\(^o^)/←この懐かしい絵文字を使いたくなるような気分とはまさにこのこと!「1時間だけでも学校に来て、登校を習慣づけるのがいいと思います」という先生の言葉が脳裏によぎる。私、まったく逆のことをしてますやん!?気分転換どころか、学校に行かない理由を強固なものにしていますやん!?
ていうか、よく考えると息子の学校に行きたくない理由、毎日違ってない?
私、振り回されているのでは…?
つづく。