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まずは自分を喜ばせること

今、朝のルーティンで読んでいる、Haruki Murakami 『Novelist as a Vocation (English Edition)』(『職業としての小説家』の英訳版)では、毎日何かしら印象に残る箇所があります。
その度に、いちいち立ち止まってあれやこれやと考えたり調べたりしてしまうので、かなり時間をかけて読んでいます。
けれども、昨日読んだところが、簡潔明快で一瞬で腹落ちしましたので、忘れないうちにここに書いておこうと思います。

この本は、村上春樹氏が小説を書くことについてさまざまな観点から考察したことをまとめているのですが、そのブレない姿勢に圧倒されています。

小説を書くときに読者を想定しているのか、という箇所なんですが、村上さんなりに意識をしているけれど、はっきりしたイメージを持っているわけではないんだそうです。
むしろ、無意識のレベルで自分と深く繋がっている相手に向けて書いていらっしゃるようなんですね。

Rick Nelson had a song late in his career called “Garden Party.” The lyrics included the following: See, you can’t please everyone So you got to please yourself.

Haruki Murakami 『Novelist as a Vocation (English Edition)』

全ての人を喜ばせることなんてできない。だから、自分を喜ばせなくちゃ。
ここでは、Rick Nelsonとありますが、Ricky Nelsonのことですね。

なんだかアメリカの週末、天気のいい日に外でパーティやってる感じが出てますね。

さらに、

It’s impossible to please everyone, and all you end up doing is spinning your wheels and wearing yourself out. In that case it’s better to stand up for yourself and do what makes you happy, what you really want to do, the way you want to do it.

Haruki Murakami 『Novelist as a Vocation (English Edition)』

だから自分のために、自分が幸せでいられるようにしたほうがいい。
自分がしたいように、本当にやりたいことをする。

強いメッセージだと思います。
頭ではわかっていてもなかなかできないんですが、村上さんもこんなふうに考えているんだとわかりました。

そうすれば、たとえ評判が良くなくても、上梓した本がそんなに売れなくても(実際はいつもベストセラーですが)、
「まあいいか、少なくとも自分は楽しめたんだし」
そう思えることに価値があると。

セロニアス・モンクの言葉も引用されています。

Thelonious Monk said something apropos of this: “I say, play your own way. Don’t play what the public wants. You play what you want and let the public pick up on what you’re doing—even if it does take them fifteen, twenty years.”

Haruki Murakami 『Novelist as a Vocation (English Edition)』

みんなが聴きたいものを演奏するんじゃない。何年かかったとしても、自分がしたいように演奏し、聴衆に気づかせるんだよ。なるほど。

もちろん、プロだから、最低限の数の読者は必要だけど、そこをクリアしたなら、楽しんで自分が満足いくものを書けばいい。(意訳)
もう、恐れ多いです。
プロとしての村上さんの心構えはこういうことなんですね。

プロとは程遠いけれど、noteを書く私も心に留めておきたいことです。

You can’t please everyone, so you got to please yourself.
みんなを喜ばせることはできないってこと、だから自分を喜ばせなくちゃ。

自分が楽しんで書くことが、まずは大切。
もし、それ誰かに楽しんでもらえたら、それが一番嬉しいですけれど。

読んでくださってありがとうございます。

#note  # 村上春樹 #気づいたこと #Novelist as a Vocation




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