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#113 「ノヴァ事件」東京地裁

2005年11月22日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第113号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【ノヴァ(以下、N社)事件・東京地裁決定】(2005年7月29日)

▽ <主な争点>
有期契約の更新を繰り返していた英会話講師の雇止め

1.事件の概要は?

本件は期間一年の契約更新を繰り返し、約11年にわたり、英語会話講師としてN社に勤務していたXが雇止めされたことから、その効力を争い、N社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めることと賃金の仮払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<本件雇用契約について>

★ N社は外国語教室の経営等を目的とする会社である。

▼ Xは平成5年10月、N社に採用されて以降、一年間の雇用期間で契約更新を繰り返しながら、英語会話講師として就労してきた。最終の契約更新は15年9月25日で、雇用期間は同年10月23日から16年10月22日であった(以下「本件雇用契約」という)。

★ 本件雇用契約に係る契約書にはその期間が明記されている一方で、契約の自動更新については何ら記載がなく、同契約書には「再雇用のため人事考課を希望する場合、雇用期間満了の60日以上前に、N社に対し、その希望を表明しなければならず、N社はXの求めに応じて、再雇用するか否かについての考課の結果を公開するとして、契約更新の可否は人事考課を経て判断される」旨が明記されていた。

★ 雇用が継続される場合には、新たに契約書が作成されており、N社もXに対し、採用時、一年ごとの更新が必要である旨説明していた。

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<本件雇止めについて>

▼ N社は16年9月21日、Xに対し、本件雇用契約について、同年10月23日以降、契約更新を行わない旨意思表示した(以下「本件雇止め」という)。

★ Xは業務に関し、N社の方針・指揮命令等にしたがい、これを遵守すべきであり、また、生徒カルテについても、その記載方法がマニュアルにおいて指示され、これが正確、適切に記載されていることが講師の評価項目の一つとされていた。

★ XはN社の指揮命令等に反し、指定のテキストを使用せず、独自の方法で授業を行ったほか、生徒カルテにも絵や漫画、意味不明のコメント、あるいはN社に対する批判を記載し、再三の注意指導にもかかわらず、結局これを改めなかった。

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<本件就業規則について>

★ N社の講師就業規則(以下「本件就業規則」という)は、(a)N社が設定したカリキュラムおよびスケジュールに基づき、同社の指示にしたがって、レッスンを行わなければならない旨、(b)講師は業務に関しては、N社の方針・諸規定・通達を守り、所属長の指示命令に従わなければならない旨、(c)講師はN社の諸指示を遵守し、また同社および同僚の権利を尊重し、業務上の指揮命令にしたがう旨、(d)講師はN社の内外で、その秩序を乱す行為を行ってはならない旨、(e)講師は生徒に対して敬意を表し、公平に扱うことを自覚し、行動しなければならない旨が定められていた。

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